「Curry Toiro」
もう一つご紹介したいのは大牟田市の吉野駅から歩いて5分ほどの場所にある古民家レストラン「Curry Toiro」。こちらのシェフは中学生の頃からカレー活動を開始し、カレー中学生、カレー高校生として福岡のカレー好きの間でうわさになっていた方。高校生になると食べ歩きの他にさまざまなカレーの名店で働き、先に紹介したKALAでも研鑽を積んできたという、若いながらカレー歴はしっかりとあるシェフで、二十歳になったのを機に開店、今年の2月にメニューも一新してリニューアルオープンしました。
お家にお邪魔するような雰囲気でくつろげる空間。
メニューは「季節のおまかせカレーセット」3,300円のみ。3種類のカレーとデザートが付くというプチコース。
まず出てきたのは、苺・ココナッツ・人参のポタージュ。ポタージュ的なカレーと言えるもので、素材自体のおいしさを活かしたシンプルなスパイス使い。胃袋がホワッと温かくなり、食欲にスイッチが入ります。
続いてはパンと合わせた、さつま芋・ひよこ豆・トマト・金柑のカレー。ベースト状になったさつま芋の上にひよこ豆とトマトのカレー、その上に金柑のアチャールがのるという形。さつま芋のなめらかな舌触りの中でひよこ豆のホクホクとした食感がアクセントとなり、変化を出す金柑の酸味と甘味。それをトマトが全て包み込み、調和させます。
続いてライスに合わせた春菊とほうれん草のグリーンカレー・キウイと木の芽のピクルス。クリーミーなカレーの中には蓮根やキノコも入って食べ応えがあり、春菊のほのかな苦味がハーブのような役割を果たしてスパイスと融合し、おいしさにつながっていました。
最後にくるみのショートブレッドにペルー産の豆の深煎りコーヒーで締めくくり。
どの料理も素材の良さを最大限に活かした引き算のおいしさ。これは修業先であるKALAも同様に引き算の味付けだからこそ、普段は感じにくい素材の持つ深い部分の味に気づくというもので、味付けの濃いものに慣れてしまった日常をリセットしてくれるような料理。野菜やフルーツだけでも十分に満足させてくれるプチコースでした。
ちなみにこちらのお店も予約制。レストランの他に毎月初心者向けのカレー教室も開催しているということで、詳しくはSNSをご覧ください。