帆立貝の新しい魅力に“カイ眼”する、趣向を凝らした握りに独自のセンスが!

煮帆立。6,500円のコースの一例。コースでは後半に登場。このあと、ウニ、かんぴょう巻きと続く。しなやかな身と粒立ちのいいシャリとのコンビネーションも絶妙

山本さんが「相当おいしい!」と太鼓判を押すのが、煮穴子ならぬ煮帆立。貝の甘み、旨味を楽しめるように、すっきりとした風味の煮切りを合わせる。ふっくらとした帆立の身質と上品な甘みを楽しめる一貫。

 

山本さん

ホタテが相当おいしかったです!

スター級のネタが勢ぞろい! ブラボーな仕入れにも注目!

赤身。写真は千葉•勝浦産。マグロは寿司好きにはおなじみの仲卸「やま幸」から仕入れる。中心部に近い背骨のまわりの“天身”と呼ばれる部位を使用

17歳で寿司の仕事を始めてから今年で16年。着実に磨いてきた握りの技術はもちろん、ネタの仕入れにも尾崎さんの「おいしい寿司を食べてほしい」という並々ならぬ思いが。6,500円のおまかせコースには全12貫が登場するが、中でも人気が高いのがマグロ。

日本随一の仲卸として知られる「やま幸」のマグロの赤身はサシの塩梅もほどよく、身もしっとりと柔らかい。シャリは粘りが少なく上品な甘みのあるつや姫に、内堀醸造の米酢とまろやかな赤酢を4種ブレンドしており、赤身のように味の濃いネタとも好相性。

千葉県・竹岡産の肉厚な太刀魚は脂ノリも抜群。口に入れるとシャリと合わさりながら身がほろほろとほどけ、脂の甘みと香ばしさが一体に

焼いた太刀魚は、表面に上質な脂がじわりと溶け出し、香ばしさもひとしお。夏にかけて旬を迎える千葉県・竹岡産の太刀魚は、脂ノリが「大トロのよう」と表現されることも。舌の上にしなやかに広がる脂の甘みに陶然。

甘鯛の塩締め。写真は新潟県・佐渡から。状態を見て5〜6日寝かせてねっとりとした食感と甘みを引き出す

昆布締めのイメージが強い甘鯛をあえて塩締めで。寝かせて水分を抜くことで、淡く上品な旨味が引き立ち、昆布締めよりも「タイプ!」という常連客も。

大分県・姫島産の車海老。卵と酢でつくるおぼろを内側にかませることで、その甘みがいっそう際立つ。ピンッと一本筋の通ったビジュアル通り、直球のおいしさに心をつかまれる

車海老はゆでたてのものを提供。ぷりっと弾むような食感の中に甘みと旨味が凝縮されており、思わず“エビ反り”になるおいしさ。

日本酒好きの心をもつかむ、希少なラインアップにも注目!

日本酒好きも満足すること間違いなし。日高見、満寿泉のほか、新政のラインアップには目を見張るものが。すっきりやフルーティなど、スタッフに好みの味を伝えておすすめを尋ねてみるのも良さそう。

日本酒は1合980円〜

おこのみも、おまかせコースも気分次第で楽しむことができる上に、日本酒のそろえも盤石で、何度も「ブラボー!」と“スタンディングオベーション”をしたくなる立ち食い寿司。サクッと数貫つまむもよし、日本酒とともにゆっくりコースを堪能するもよし。夜はスミイカのげその肝あえにペコリーノチーズを合わせたつまみなども登場。このエリアをますます活性させるであろう寿司店から目が離せない。

※価格はすべて税込。

撮影:片桐 圭
取材、文:小寺慶子、食べログマガジン編集部