パスタにもお店にも、こだわりと個性があふれる
「イタリアン」でイメージするのは「パスタ」という方も多いはず！ 具材もソースも味付けもたくさんのバリエーションがあって、飽きさせないのがパスタ。コースのイタリアンも良いけれど、パスタをたらふく食べたい気分になることも。この記事では、過去に「食べログマガジン」で紹介した中から、そんなパスタ好きさんにおすすめしたい、アラカルトで絶品のパスタが味わえるお店をお届けします。
1. トラットリア シチリアーナ・ドンチッチョ
2023年2月、「トラットリア シチリアーナ・ドンチッチョ」が、店舗ビルの再開発により、青山一丁目駅からすぐの「ラティス青山スクエア」内に移転オープンしました。
おすすめメニューは、シチリア、パレルモの郷土料理「イワシとウイキョウのカサレッチェ」2,400円。イワシをウイキョウ（フェンネル）と松の実、干しぶどう、サフランでじっくり煮込んだソースをカサレッチェというシチリアのショートパスタと絡め、仕上げにパレルモ料理には欠かせないローストしたパン粉をふんだんにかけて風味と食感を楽しめる逸品です。
おいしいのはもちろん、行けば誰もが笑顔になれるレストラン。家族や友人と一緒に、シチリアを感じに訪れてみてはいかがでしょう。
2. HAUS（ハウス）
神宮前2丁目は昔からアパレル会社が多いせいか、趣のある飲食店が軒を連ねます。さらに奥へ入った住宅街を歩いていると、ポツンと点った灯りを見つけることができます。外から眺めるとほんわりとした空気を感じ、どうにも入ってみたい衝動に駆られる。それが「HAUS」です。
「リングイネ メカジキのシチリア風ソース」は、黒オリーブ、ケッパー、魚醤、ディルとニンニクでマリネしたメカジキをタマネギと一緒に炒めてソースにし、リングイネに絡めます。最後にパン粉をニンニクとオリーブオイルでから煎りした“パスタのふりかけ”をかけてできあがるシンプルなパスタ。薄いと感じるギリギリまで攻めているそうですが、食材のハーモニーが作る味わいはとてもふくよかです。
「HAUS」という店名は夢であるカフェと家具の店、家のように使って欲しいという希望、そしてシェフの小林さんが好きな建造物「バウハウス（かつてドイツにあった美術学校）」から由来しています。散歩しながら「HAUS」に寄ってみてはいかがでしょう。
3. スポルカチョーネ（SPORCACCIONE）
独特のほんわかとした空気感、そして、気取らないけれどきちんとイタリアンな料理で用賀の地元民はもとより、多くの食いしん坊たちに愛されてきたイタリア料理店「スポルカチョーネ」。2022年4月、惜しまれつつ幕を下ろしたこの人気店がようやく復活。同年11月11日、立ち飲みの日にめでたくリニューアルオープンしました。
場所は明大前。といっても、駅前の繁華街ではなく住宅街のど真ん中です。
「スポルカチョーネ」といえば、ジェノヴェーゼのリングイネがおなじみですが、ベーシックなトマトソースのパスタも、シェフの井上イズムを感じさせる佳品。井上さん曰く「トマトソースのパスタって家庭の味でしょう。だから、麺もあえてメヌッチ社の、表面がツルッとし安価なパスタを使っている」そうで、いたずらに高級素材を使うのではなく、料理の持つ一つ一つの“らしさ”を損なうことなく、その良さを最大限に引き出そうと考えられています。
本格的なのに家庭的。程よく力の抜けた料理は、ざっくばらんな中に、おいしさの本質が潜んでいます。
