古田 諭史氏のおすすめ4軒

古田氏に行きつけの店を挙げていただいた。ベースである東京のみならず、月に一度は必ず足を運ぶという京都の行きつけも。中華、イタリアン、エスニック、和食までジャンルも多彩だ。

ディナーのおすすめ①52(ゴニ)

「仕事終わりにお腹を空かせて、週1~2回は足を運びます」と教えてくれたのは、古田氏が8年近く前から通う中華料理店「52」。六本木の裏路地で営業する隠れ家的な店で、営業時間は日付をまたいで深夜まで、アラカルトでいろいろ楽しめる、何を食べてもおいしいと三拍子そろい、日頃夜に外食することが難しい古田氏にとってはありがたい存在。他店のシェフもよく足を運ぶという。

オールバックGOGOGO
雑居ビルの2階にありバーのような雰囲気も洒落ている   出典:オールバックGOGOGOさん

古田氏が必ず注文するのは「焼き餃子」と「もやし炒め」。メニューの品数は多いが、繁盛店ゆえ「好きなタイミングで好きな料理を注文すると厨房の負担になってしまうので、いつもある程度お任せでお願いしています」と、店を気遣うやさしさも古田氏の人柄を表している。

バフェット
皮はパリッと、中からジュワッと肉汁があふれ出す焼き餃子   出典:バフェットさん
pateknautilus40
シャキッとした食感とさっぱりした味わいが楽しめる「もやし炒め」   出典:pateknautilus40さん

・焼き餃子、もやし炒め、油淋鶏、各種アルコールなど 予算~10,000円

ディナーのおすすめ②TATSUMI

ディナーのおすすめ2軒目は「自分を慕ってくれる後輩のお店で応援しています」と話す白金のイタリアン。広尾の「K+」など都内有数の人気店で手腕を振るってきた渡辺 辰実氏が2021年に独立、予約困難な店として知られている。

ドラノログ
軍鶏の力強いうまみを感じる澄み切ったコンソメ   出典:ドラノログさん

メニューは基本10品からなるお任せコースのみ。茨城県奥久慈産の軍鶏を使ったコンソメスープやスペシャリテのラヴィオリなど、素材の持ち味を生かしながらも、食べ手の想像を超えるような料理に定評があり、ブルゴーニュをはじめ幅広いニーズに応えるワインもそろう。

写真:お店から

「修業時代とは違って、イタリアンと和食が融合したようなシンプルな料理を志していこうという思いを感じますね。お互いの店がディナーのみの営業なので、ゆっくりコース料理を味わえるのは年に2、3回ですが、日頃から親しくしています」

さくもぐ
カウンター席の前はオープンキッチンでライブ感も楽しい   出典:さくもぐさん

・おまかせコースのみ 予算:24,200円~

ランチのおすすめ①セクションドール

「月に一度、後学のために京都まで料理を食べに行きますが、そのときによく寄ります」と挙げてくれたのは、岡崎にあるタンドリーチキン専門店「セクションドール」。「食べログ アジア・エスニック WEST 百名店」選出店であり、「ミシュランガイド」のビブグルマンに連続で選ばれるなど、業界でも一目置かれる名店だ。

飯炊きの権助
グリル野菜とともにワンプレートで提供されるタンドリーチキン   出典:飯炊きの権助さん

シェフの永松氏はフレンチ出身、店名の「セクションドール」はフランス語で「黄金比率」を意味し、仕込みや調理法を研究し抜き、試行錯誤を重ね、名だたるシェフをもうならせるタンドリーチキンを作り上げた。

phili204
特殊なオーブンで水蒸気を当てながら加熱することでパリッとジューシーな仕上がりに   出典:phili204さん

「もともといろいろな料理が作れるシェフですが、メニューは潔くタンドリーチキンのプレートのみ。永松シェフの思いが詰まっていて、いろいろ深く考えて作られている分とにかくレベルが違います。添えられている野菜にも個性があり実においしい」と大絶賛。

Tokyo Rocks
レンガの壁に黒い建具のシックな店構えが目を引く   出典:Tokyo Rocksさん

・タンドリーチキン、瓶ビール、グラスワイン 予算:3,000円~

ランチのおすすめ②蕎麦 たじま

もともとそば好きで、あちこち食べに行くという古田氏が「同じ広尾にあるので気軽に行けて、そば前の種類が豊富なところも気に入っています」と話すのは、「食べログ そば 百名店」の常連で「ミシュランガイド東京2023」にも掲載されている「蕎麦 たじま」だ。

RINA-Stone
そば前の王道だし巻き   出典:RINA-Stoneさん

そば前に打って付けの一品料理は、板わさ、だし巻き、天ぷらなどのオーソドックスなものや、合鴨あぶり焼き、小海老のかきあげ、れんこんまんじゅう、里芋からあげなど多彩で、間違いなくお酒が進む。「2,000円台以下の予算でも十分楽しめますが、ゆっくり飲めるときは1万円以上使うこともありますね」と古田氏が話すのもうなずける。

渋谷のバカ舌が通ります。
細めだが香り高くしなやか、歯ごたえもある   出典:渋谷のバカ舌が通ります。さん

そばはしなやかな細打ち麺だが、風味がよくキリッとした力強さがあり喉ごしもよい。「辛味おろし」「鴨汁」「山かけ」などのメニューもあるが、「いつも〆はシンプルに、もりかかけの2択です」というのも古田氏らしいチョイスといえる。

ゆっきょし
外観はスタイリッシュだが店内は和モダンでくつろげる雰囲気   出典:ゆっきょしさん

・そば、一品料理など 予算:~2,000円台

※価格はすべて税込です。

取材・文:池田 実香(フリート)