おしゃれフードトレンドを追え! Vol.4

来日デザイナーのランチは、高級店よりうどん!

前回の記事では海外から来日するファッションデザイナーたちがどんな高級ディナーよりもとんかつを好んで食べていることを紹介したが、来日デザイナーのご指名ディナーがとんかつなら、ランチは断然うどんだ。ファッション業界人に関西出身が多いからか、うどん好きは実に多い。ファッション業界の友達から「あそこのうどんは美味しいよ」という話をよく聞く。それで来日外国人チームを連れて行くのも自然とうどん、になっているのだろう。どの店も奥まった場所にあって、通り過ぎてしまいそうな外観。知る人ぞ知るという感じが、ファッション外国人を魅了してしまうのか。

 

「麺㐂やしま 円山町店」出典:y_recさん

 

人気うどん店の筆頭は何と言っても「麺㐂やしま 円山町店」。ラブホテルが乱立するエリアにあって、店の入り口もマンション外に小さな看板が一つあるだけ。店前には「カーレース」という昔駄菓子屋に置いてあったようなパチンコゲーム機、店内壁のガラスケースにはマリオやゴレンジャー、カワウソやロボコンといった昭和感溢れるオモチャや小物が飾られている。そんな店内の雰囲気を裏切るように、ここのうどんは本格派! もっちりとした太麺は硬めでコシがしっかり。生醤油で食べても、揚げ玉入れても、げそ天をのっけてもうどんの強さが生きている。それもそのはず。この店、1200年の歴史がある香川県善通寺より創業を始め、1976年に渋谷へ出店した老舗なのだから。その他来日デザイナーに人気のうどん屋は原宿の「手打ち釜あげうどん 禅」、神保町の「うどん 丸香」などなどだ。

 

「手打ち釜あげうどん 禅」(出典:湘南の宇宙さん

 

「うどん 丸香」(出典:代々木乃助ククルさん

 

どんなに高いホテルに滞在していても、料亭で懐石を堪能したとしても、来日デザイナーたちが最後に食べたくなるのはB級グルメ。そういえば、昨年私が東京案内したフランス人アパレル企業社長も新橋のおでん、「お多幸」にいたく感激してくれた。目の前に並んだおでんネタに目をまん丸にして大興奮、前日に食べた懐石以上のリアクションをいただいたものだ。

 

いつも食べている庶民の味を見せることで、本当の東京をわかってもらえるのかもしれない。次は東京ソウルフード、もんじゃあたりが流行ったりするのかな? 来賓おもてなし担当のブランドプレス達は、日々変わりネタを探し続けているのだ。