〈広島のお手軽ランチ〉

ちょっとしたご褒美やハレの日に食べたい寿司。老若男女、幅広い層から支持される中区白島の「すし健」は、本格的な寿司をリーズナブルに食べられると評判の店だ。安さと旨さを両立できるその理由を、店主の藤井健さんに伺った。

誰もが訪れやすいカジュアルな寿司店

店名が引き立つ真っ白な暖簾が清々しい

繁華街からほど近く、住宅も並ぶ中区白島。「すし健」はサラリーマンや主婦など、さまざまな層が暮らすこのまちで“誰でも訪れやすい寿司店に”という思いで2007年に開業。昼は2種類の手頃な寿司ランチを、夜は一品料理やコースを提供している。

ランチタイムは多くの客で混雑するので早めに訪れたい

店内は44席。カウンター、テーブル席ほか、店の奥に座敷も用意する。木をふんだんに使った落ち着いた内装は、気取らない雰囲気ながら、品格も漂う。おいしそうなネタがずらりと並ぶショーケース前は、何を注文しようかワクワクする寿司屋ならではの特等席だ。

開業の経緯を話してくれた店主の藤井健さん

「18歳から大阪と広島の寿司店で修業を積んで、29歳の時に独立開業。修行先がどちらも回転寿司より少し高いくらいの価格設定で、かつ本格的な寿司を出す店でした。たくさんのお客様に喜んでいただき、自分も店を持つなら“安価で良いものを出す店”にしようと思いました」。店主の藤井さんは、心のこもった笑顔でそう話してくれた。

採算度外視で用意する、必ず食べたい寿司ランチ

にぎりランチ

「にぎりランチ」780円

評判を呼んでいる寿司ランチは2種類。まずは圧倒的なコストパフォーマンスに驚く「にぎりランチ」。寿司10貫に、魚のアラなどから出汁をとった赤だしが付く。写真は、マグロ、イカ、サーモン、カンパチ、貝柱、赤貝、玉子、コハダ、タイ、タチウオ。赤身、白身、青魚とバランスよく盛り合わせ、魚種によって炙りなどのひと手間を施す。

内容は仕入れによって変わるため、その時々での出合いを楽しんで

すし健ランチ

「すし健ランチ」1,280円

もうひとつの看板が、寿司5貫に刺身や天ぷら、小鉢などが付く「すし健ランチ」。小鉢は旬菜の炊き合わせや南蛮漬けなどが日替わりで登場。ご褒美ランチにもぴったりの華やかさながら価格は抑えめで、寿司も料理も存分に満喫できる。さらに、追加でにぎり5貫420円や、トロ入りにぎり3貫420円などを組み合わせることも可能。

目の前で職人が握ってくれるライブ感もご馳走のひとつ

これだけのランチを低価格で出せる秘訣は、毎日市場へと赴き、仕入れの底値を把握しているから。もちろん安さだけを重視しているのではなく、長年の目利きを生かし、価格と品質が両立する素材のみを仕入れる。さらにランチに関しては“店の宣伝のため”と割り切り、原価率が60%を超えるほどの大盤振る舞いで提供しているというから驚きだ。