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神楽坂駅から徒歩5分のところにある「CRAZY PIZZA at SQUARE」
The Tabelog Awardを受賞した平雅一シェフの店「Don Bravo」。その姉妹店「CRAZY PIZZA at SQUARE」が2月1日、神楽坂にオープンした。同店はピザだけでなく、トスカーナ、ロンバルディアで腕を磨いた柴田正幸シェフのアラカルトが充実しているのが特徴だ。開店してまだ日は浅いが、すでに「都内で人気店のピザが楽しめる」とファンの間で評判となっている。
神楽坂駅から徒歩5分。江戸川橋通り沿いにある「CRAZY PIZZA at SQUARE」は、大通りに面した全面ガラス張りの開放的な外観が目を引く。この建物は、建築家のクマタイチ氏が、ニューヨークで暮らしていたシェアハウスをイメージしてデザインしたビルだ。
同店は建物の構造上、薪窯ではなく、アメリカのピザ屋でよく使われているヨーロッパ製の電気窯を取り入れている。この窯で焼いたピザは、薪の香りで生地がマスキングされていない分、粉の風味や匂いが直接伝わる。だから小麦粉の挽き方、水分の配合など、ピザ生地は神楽坂独自のものになっている。
素焼きしたピザに、ギアラの煮込みを豪快にぶっかけた前菜
この店にきたら前菜代わりに「ぶっかけピザ ギアラの煮込み」をオーダーしたい。ギアラと呼ばれている牛の第四胃と、ヨーロッパの菜の花と呼ばれているチーマ・ディ・ラーパなどの野菜を煮込んだスープを、素焼きしたピザに豪快にぶっかける柴田シェフの自慢料理だ。旨みが詰まったスープをタップリ吸ったピザは、スプーンですくって食す。
ギアラの煮込みは、シェフがフィレンツェ時代、朝市でギアラやチーズを買い、ホームパーティで振る舞っていたという。イタリアではこのギアラの煮込みを、パニーニなどでサンドし手軽に食べるストリートフードがあるが、それにヒントを得て誕生した「ぶっかけピザ ギアラの煮込み」は、まさにシェフの思い出の味なのだ。
イタリア料理の定番「仔牛のカツレツ」は、シェフのオリジナルソースをつけて食す
ピザの前にぜひ食べておきたいのが、イタリアンの定番メニューの「仔牛のカツレツ」。仔牛の肉を叩いて薄くのばし、しっかり厚めにパン粉をつけて揚げ焼きにする。調理法などに特にアレンジを加えていない。
その一方で、添えられるソースにはシェフのオリジナリティが発揮されている。酢漬けにしたエシャロット、オリーブなどを細かく刻み、バター、卵黄、ミモレットチーズで仕上げる。「揚げ物とかによくこのソースを合わせて食べていたので、僕がこの食べ方が好きなんです」というタルタル風のソースは、酸味がほどよく利いてコクがある。
付け合わせには、たっぷりのクレソンとルッコラ。ドレッシングは赤ワインビネガーとレモン汁でシンプルな味付けだ。さらに野菜にはお好みでバルサミコと、フォンドボーを煮詰めたグラスドビアンをかけて食すのもおすすめだ。
絶品! 平シェフお気に入りのトマト缶で作る「マルゲリータ」
店の代名詞、ピザは直径約25cmのホールのみ。メニューには記載がないが、2種類のピザを選び、一つの生地にのせて焼いてもらうこともできる。あれもこれも食べてみたいという人にはおすすめの注文の方法だ。色々と迷った挙句、ピザの王道「マルゲリータ」と、5種類のチーズがのった「クレイジーチンクエフォルマッジ」のハーフ&ハーフをチョイスした。
「マルゲリータ」はイタリアのホールトマトをふんだんに使った濃厚なソースがベースとなっていて、その上にモッツァレラチーズと、バジルがトッピングされたシンプルなもの。塩味を抑えた生地は、主役のトマトソースの甘さや酸味がダイレクトに感じられる。このソースの材料となっているトマト缶は、実は平シェフのお気に入りで、「Don Bravo」でも開店当初から使われている。ジューシーなトマトの味が「マルゲリータ」には欠かせない。
「クレイジーチンクエフォルマッジ」はゴルゴンゾーラ、タレッジオ、グラナパダーノ、ストラッキーノ、ペコリーノの5種類のチーズが主役のピザ。お好みでクローバーのはちみつを垂らせば甘さがプラスされて味に変化が生まれる。チーズは柴田シェフが探し求めて、やっと見つけたもの。究極のチーズの競演とも言える一枚は、大人から子どもまで虜になる味だ。
約420度の窯に入れるピザは、前扉になっているため、奥の方が高温になってしまう。均一に焼き目をつけるには、ピザ生地をほどよいタイミングでこまめに回して仕上げる。焼き上がりまで約2分。その間、ピザ職人は手を動かし、最良のタイミングを見計らっている。