【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#51】「カレーサファリ」
代々木八幡にあった「カレーサファリ」が2021年12月、武蔵小山に移転しました。以前のお店よりコンパクトになり、カウンターのみなのですが内装はステンドグラスが印象的で実におしゃれな空間。
様々なスパイスが飾るように置かれているのも良いですし、「サファリ」の名を印象づける動物のオブジェもちゃんと残されています。
代々木八幡時代は人気と知名度が上がってきたところで移転となってしまったのですが、場所を変えても着実に人気を掴んでいるのは流石。知名度がまだそこまで無いと言っても、こちらのお店はミシュランビブグルマンも受賞した「ポークビンダルー食べる副大統領」を手がける会社が運営する別ブランドですから、今後さらに人気と知名度が高まっていくのは容易に想像できます。今回はその人気が爆発する前のご紹介ですから、要チェックですよ。
メニューを見て頼んだのは「3種あいがけ」1,500円。チキンカレー、ポークキーマ、海老カレーをチョイス。ご飯は少なめでお願いしました。
こちらのカレーはスパイスの香りが前面に立っているタイプというよりはカレー自体の奥深さやうま味がしっかりと土台を支えているタイプ。ジャンル的にはスパイスカレーなのですが欧風カレー的な重厚さと満足感を得られます。それぞれ食感の違いもあり「ムギュ」っとしたチキンに「プリ」というよりは「ブリ」っとしたエビや「ジュワ」っとしたキーマと、それぞれ変化があるからこそ食べていて飽きません。
特にキーマにはナッツやネギも振りかけられ、スターアニスのしっかりとした香りも楽しく、個性ある仕上がり。だし的なうま味や甘味も全体的に感じるのでやはりスパイスカレー的ではあるのですが、いわゆる一般的なスパイスカレーとは確実に違う着地点なのは、シェフのご実家が洋食店ということも関係するのかもしれません。カレーは基本的には独学だそうですが、若い頃から料理の基本をしっかりと学び、現場で培ってきた技術あってこその完成度だと言えましょう。
副菜はさっぱりとしていてバランス調整役となっているところや、ダルが付いてくるのもうれしく、一皿の完成度が高いのです。
お店は先述したように非常におしゃれなのですが客層は若すぎるということもなく老若男女。僕のようなおじさん一人客も他にいて、どんな方でも自然と入れるような素敵な雰囲気です。皆さんサクッと食べてすぐ帰る雰囲気なのがまた良いです。
思い出すのは昭和のカレースタンド。お腹を空かせた人達が集まり、好きな具材のカレーを頼んでサクッと食べてすぐ帰る。こちらは昭和のカレーよりかなり手が込んだカレーなので、提供スピードは昭和とまではいかないかもしれませんが、お腹を空かせた人達が集まって食べてすぐ帰る雰囲気は似ています。言ってみればここは令和のカレースタンド。おしゃれになり、ヘルシーになったカレー。しかし時代を問わず、日本人が大好きなカレー。それを感じてうれしくなりました。
武蔵小山エリアはレベルの高い飲食店が多いのですが、その中においても確実に地元の人気店となって地域に根ざした存在となっていくことでしょう。