大規模な再開発にともない、しばらくこの地を離れていた大人たちから再びの注目を集める街・渋谷。だけど、いざ来てみたら食事処に迷ってしまうというケースもしばしば。そんな、“シブヤお久しぶり組”の迷える大人たちのため「食べログ グルメ著名人」で渋谷区初のCEO(Chief Eat Officer)を務める小宮山雄飛さんに渋谷の新&定番グルメスポットを両方教えてもらっちゃおう!というこの連載。

[定番]編22回目となる今回は、食べログ カフェ 百名店」にも選出され、ヘルシーでおいしいヴィーガン&グルテンフリー食を楽しめる「BiOcafe」をご案内します。

【大人の渋谷メシ・定番編】第22回「BiOcafe」

最近の食のトレンドといえば「ベジ」「ヴィーガン」「グルテンフリー」「マクロビ」「発酵」など、より健康的かつおいしい自然食。そんな時代の先の先を行き、今から19年も前にオーガニックカフェとしてスペイン坂に誕生したのが「BiOcafe」。

文字通り渋谷のど真ん中で、ベジタリアン・ビーガンメニューを存分に楽しめることで人気のお店です。

「西欧の小説世界」を意識したという店内は、日常から離れほっとできる空間です。今回は完全ベジオンリーの「リセットコース」をいただきました。

「テンペと繊維野菜の生春巻」

前菜は「テンペと繊維野菜の生春巻」。テンペはインドネシア発祥の大豆を使った発酵食品。味だけではなく、しっかりタンパク質も摂れるように考えられています。生春巻きの皮も米粉なので、完全グルテンフリーメニューです。

完全無農薬のレタスとトレビスで野菜をしっかり摂れるのもうれしいですが、味噌とアボカドのしっかりした旨味と、バルサミコ酢とマンゴーソースの甘味もあり、前菜ながらメイン料理のような満足感があります。色合いの鮮やかさもあって、コースのスタートとして楽しくなる一皿です。

「茄子の豆乳クリームスープ ヘンプシード」

スープは「茄子の豆乳クリームスープ ヘンプシード」。クリーミーさは豆乳とソイクリーム、旨味は昆布だし由来。ガツンと来るおいしさではなく、じわじわと身体に染み入る滋味深い味で、コース名の通り、身体がリセットされていく感じがします。

スープに浸して食べたい、付け合わせのパンももちろん自家製。国産小麦と有機ドライ天然酵母を使ったこだわりの一品。

こちらのパン、テーブルに出された時点でとにかくおいしそうな香りがすごいんです! 一口かじると、ふんわりと優しく自然な甘味でめっちゃおいしい。程よく苦味のあるエキストラ・ヴァージン・アマニオイルにつけて食べると、フレッシュ感が出て、さらにパンが進みます。

「玄米パスタ ヴィーガンチーズ カルボナーラ」

締めのパスタはカルボナーラ。通常カルボナーラといえば小麦粉の麺に卵やチーズを使ったソースですが、こちらはグルテンフリーかつヴィーガン仕様。その名も「玄米パスタ ヴィーガンチーズ カルボナーラ」。

通常のパスタに比べて米粉のパスタって味が物足りないイメージがありますが、こちらは玄米粉を使っているのでむしろ風味豊か。

動物性の素材を使っていないのに深みがあるソースの秘密は、豆乳チーズとともに上から振りかけられている黄色い粉。見た目「カラスミかな?」と思ったのですが、こちらは「ニュートリショナルイースト」という、スーパーフードとしても注目されている酵母。チーズのような風味があり、ヴィーガンの人はよく味付けに使うのだそう。

しかも植物性食材にはほとんど含まれないビタミンB12を多く含んでいるというから、まさにヴィーガンに適した食材。おいしさだけじゃなく、栄養バランスまでしっかり考えられた一皿なのです。

「ティラミス」

本日のデザートは「ティラミス」。一見、普通のティラミスに見えますが(断面が美しい!)、こちらもヴィーガン仕様というから驚き。その正体は、なんとお豆腐。滑らかな食感とさっぱりとした甘さは、コースの最後にぴったりです。

おいしさと健康をしっかり考えられたベジのコース、この内容でなんと2,800円というのも驚きです! 完全ベジタリアン料理はちょっとハードルが高いと思っていた人も、気軽に試してみてはどうでしょう。

さらに単品料理や、ランチ・カフェだけの利用ももちろん可能。

「グルテンフリー ベジバーガー」

ランチでも人気の「グルテンフリー ベジバーガー」1,680円。 開発にかなりの時間をかけたというバンズは、米粉とこんにゃく粉を使用して、実にふんわりとした食感。

バーガーから溢れるミニトマトが映えます! 具にはベジミートを使い、ソースもすべて植物性の素材のみ。バンズのふんわり感とアボカドのしっとり感などが相まって、ヴィーガン・グルテンフリーとは思えない、しっかり満足感のあるバーガーに仕上がっているのがすごいです。

「グルテンフリー ラムレーズンモンブラン」

スイーツも健康志向のものを取り揃えています。「グルテンフリー ラムレーズンモンブラン」750円もグルテンフリー&ヴィーガン仕様。米粉のタルトに豆乳を使った生クリームを使用していて、和菓子のような優しい甘さが特徴。罪悪感無く食べられるスイーツです。

ディナーのコースはもちろん、ランチやカフェタイムでも気軽にヴィーガンやグルテンフリーの料理を楽しめる、渋谷の健康スポットです。

※価格はすべて税込

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

※本記事は取材日(202年1月27日)時点の情報をもとに作成しています。

取材・文:小宮山雄飛

撮影:GENIUS AT WORK