大規模な再開発にともない、しばらくこの地を離れていた大人たちから再びの注目を集める街・渋谷。だけど、いざ来てみたら食事処に迷ってしまうというケースもしばしば。そんな、“シブヤお久しぶり組”の迷える大人たちのため「食べログ グルメ著名人」で渋谷区初のCEO(Chief Eat Officer)を務める小宮山雄飛さんに渋谷の新&定番グルメスポットを両方教えてもらっちゃおう!というこの連載。

[新]編27回目となる今回は、神戸で人気の冷麺専門店が渋谷に登場! ランチ限定の間借りスタイルで営業する「冷麺処 sinn. 2nd_store」をご案内します。

【大人の渋谷メシ・新編】第27回「冷麺処 sinn. 2nd_store」

今回は、神戸で人気の冷麺専門店が渋谷でランチのみの間借り営業を始めたと聞いて、さっそく伺ってきました。

カラフルなのぼりが目印!
入り口横の看板

お店の名前は「冷麺処 sinn. 2nd_store」 。ポーカーバーのお昼時間での間借り営業というスタイルなので、若干お店が見つけづらいですが「今日は冷麺な気分」と書かれたカラフルなのぼりと立て看板が目印です。

メニューは冷麺のみ3種類

基本のスープと麺は同じということで、まずはシンプルな基本の冷麺からいただくことに。

「冷麺」1,000円

水でしっかりしめた麺、冷たいスープにさらにシャリシャリに凍ったスープを混ぜてある、言うなれば“3冷”の冷麺です!

まずは透き通ったスープから

綺麗に透き通ったスープは、あっさりながらもしっかりとした牛の旨味が凝縮しています。味の決め手は、骨を一切使わず、神戸牛の牛スジだけでとっているというだし。ガツンとした旨味ではなく、柔らかく丸みのある味わいが特徴。

続いて麺を!

店主がさまざまな麺を食べ比べて、コレだ!と決めた仙台の製麺所から直接仕入れている麺。そば粉・澱粉・小麦粉のバランスが絶妙で、見事なコシにパツンと心地よく噛み切れる歯応えが魅力的。噛むほどにスープの旨味と相まって、口の中でどんどんおいしくなるから不思議です。

「すだち冷麺」1,400円

2品目は見た目も涼しげな「すだち冷麺」。 スープの上には一面の輪切りのすだちと大根おろし。

凍ったシャリシャリスープ

一口スープをすすると「おお!」とびっくり。先ほどの基本の冷麺と全く違う味わい! すだちの酸味が絶妙で、1杯目の丸みのある旨味に比べ、こちらはめちゃくちゃシャープな味。しかし、スープ自体は全く同じだというから、実に不思議。

すだち冷麺は味変用のポン酢がついてきます

途中からポン酢をかけて食べると、また違う味わいになり、シンプルながら飽きが来ず、最後の一滴までしっかり飲み干してしまいました。

「ぼっかけ冷麺」1,400円

最後は神戸名物牛スジ煮込みがのった「ぼっかけ冷麺」。

ゴロゴロの牛スジ煮込みがたっぷりのっています

こちらもスープから飲んでみると、これまた全然違う味なのがびっくり! 牛スジ煮込みの甘みがスープにしっかり溶け出して、実にまろやかで深い味。トッピング次第でこんなに味の変化があるスープは初めてです。

たっぷり入った牛スジ煮込み

トロトロの食感の牛スジと味の染みたこんにゃくの組み合わせは、甘みはあってもくどくなく、すっきりした味わい。具・スープともに、神戸牛の旨味がしっかり凝縮されています。

それにしても、トッピングでこうも味わいが変わる不思議なおいしさのスープ、特別に厨房のスープ鍋を見せてもらいました。

こちらが寸胴で炊いているスープ

大きなスジ肉の塊をじっくりと煮て、神戸牛の旨味をしっかり抽出。出来上がったスープを冷蔵庫で一番寝かせ、表面に固まった脂の層を全て取り除くことで、すっきりと澄んだおいしさのスープが出来上がります。神戸牛のおいしさをシンプルに凝縮したスープだからこそ、トッピングが違うだけで全く違う味わいになるのでしょう。

神戸に行かずしてこのおいしさを味わえるのだから、渋谷近辺の方はぜひとも通って3種類の味の違いを楽しんでいただきたい。びっくりすること間違いありません!

※価格はすべて税込

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

※営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

取材・文:小宮山雄飛

撮影:GENIUS AT WORK