驚きと斬新さに箸が止まらない! 驚愕のオリジナル焼きそば

「ここからは夜のメニューを食べていきましょう!」と加藤さん。“昼と夜で表情を変える店”と加藤さんがキャッチコピーをつけた店だけに、ここから同店の第2章が始まるのだろうか。

豪快にフライパンから誕生したのは普通のソース焼きそばではなかった!

この写真から香ばしい香りを届けたい!
 

加藤ひさつぐさん

同店で常連が愛する焼きそばは、そばをほぐす前の状態で表面を焼いて、まず焦げ目をつけます。そのあと、具材を混ぜて蒸し焼き状にして仕上げる手法です。すると、カリカリのビジュアルと香ばしい香りが相乗効果を起こして、どんどん食欲の沼にハマッていきます!

「ソース焼きそば」850円

メインの具材は驚きのタコ。しかもかなりタコの分量が多い焼きそば。そもそも店のメニューにはサラダ、天ぷら、刺身などタコを使った料理が多く、試しに入れてみたのが始まりだそう。タコともやしの分量が多い焼きそばのため、表面を焦がした麺と相まってワシャワシャと食べる感覚を味わえるのが面白い。

 

加藤ひさつぐさん

いわゆる広島のお好みソース系の味付けの焼きそばとはまったく違います。どちらかというとウスター系に近いです。自家ブレンドしたソースなので、甘さはあまり感じず、キリッとした印象。調理の時には青唐辛子を入れて焼き上げるので、デフォルトで食べると程よい辛みを感じます。この価格で出したら儲からないんじゃないかと心配になるほどの満足感ですよ(笑)。

餃子から始まった店の歴史……その原点を味わってみる!

実は「火鉄焼餃子 ほおずき」として17年前にスタートした同店。その後、客の要望を受けてメニューが増えて和食店として多くのファンを持つものの、今でも餃子への情熱は燃え続けている。

特注の南部鉄器でテーブルに登場する“ラスボス感”

「鉄鍋一口焼餃子」1人前550円(写真は2人前)

現れたのは、重量感がハンパない特注の南部鉄器。そこには、2人前20個の一口焼餃子。20個と言ってもひとつひとつが大きくはないので、どんどん箸が進む。石見ポークを自家製の皮で丁寧に包み込んだ焼餃子は、幸福の食時間を与えてくれる。

餃子の皮の破壊力を写真から感じてほしい
 

加藤ひさつぐさん

特に同店の餃子が好きなのは、自家製の皮なんです。焼餃子のパリッとした皮は、材料の配分ももちろんですが、特注の南部鉄器で焼き上げる火力にもよるところが大きいと思っています。そして、焼餃子と水餃子は違った皮で作られています。同店の水餃子も好きで好きで! 初めて自分好みの水餃子に出会った店がここなんです!

プルンッ!とした水餃子はパクチーとチリソースで

焼餃子ときっちりすみ分けされた水餃子は、水分を蓄えた旨みがジワる名品。

「水餃子」700円
 

加藤ひさつぐさん

食レポでモチモチ食感という表現はありきたりで好きではないのですが、この水餃子はまさにそれ! まるで高級化粧水から出てきたかのようなプルンとした肌ツヤに一目ぼれです。そして何より、皮がおいしい。厚めの皮をじっくりと口内で味わうと、旨みがジワジワ! まさにそんな感じです。

「パクチーとチリソース」120円

同店でおすすめの水餃子の食べ方は「パクチーとチリソース」120円。一瞬、耳を疑ってしまいそうですが、加藤さんもこの食べ方を知ったときは衝撃的だったそう。

 

加藤ひさつぐさん

水餃子をチリソースにつけて、少しだけパクチーをのせて食べるのが、ほおずき流なんです。想像できないと思いますけど、同店に来たら必ずやってほしいですね! 自信を持っておすすめします。ちなみにパクチーが苦手な人は、ネギに変更できるそうですのでご安心ください。

ごまかしも偽りもない! 昼も夜も必ず満足と驚きを提供してくれる名店

いつも何を食べようか迷ってしまうことが一番の喜び

ほおずきの花言葉は「ごまかし」や「偽り」なのだそう。しかし、同店にはごまかしも偽りもなく、ただ手間と労力をかけてでもおいしいものを客に出したいという真っ直ぐな思いがある。
広島市内の中心部から少し裏路地に入ったビルの2階。広島の街で、探してでも行きたい貴重な店は、昼夜問わず客の訪れを待っている。

※価格はすべて税込

※本記事は取材日(2021年12月10日)時点の情報をもとに作成しています。
※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認ください。
※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

文:加藤ひさつぐ、食べログマガジン編集部 撮影:中野一行