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日本橋兜町。金融の街として発展してきたこの街には、古い建物を利用した証券会社など味わい深い建物が多く立ち並ぶ。そうした昔からの建物を活用しながら、街の再生が進んでいる。リノベーションホテルの「K5」、人気パティスリーの「ease」など情報感度の高い人ならチェック済みの「今っぽい」お店や施設がこの街に次々とオープンしている。
そんな今注目のエリアに、8月に開業したのが兜町の新ランドマーク「KABUTO ONE」。茅場町駅直結のこの商業ビルの1階に「KABEAT」がオープンした。
日本の食文化と生産者を応援
「KABEAT」のメインコンセプトは「生産者を応援する食堂」。昔ながらの文化や伝統を受け継ぐ老舗、職人、生産者などを発掘し、料理に展開していく。食材はシーズンごとに変化し、今シーズンは、和歌山県「しらす創り七代目 山利」の「しらす」、北海道「渋田産業」の「蝦夷まいたけ」、広島県「たてみち屋」の「レモン」など各地からこだわりの食材を集めている。
営業時間は11:00〜23:00、昼・夜はもちろん、おやつタイムや2軒目使いも対応。店内は200坪220席と、広々とした大空間で気軽にふらりと立ち寄ることが可能だ。
飲食業界を牽引する6人のシェフがメニューを考案
厳選された食材を料理へと昇華させるのは、今をときめく6人の若手シェフ達。現代的なセンスでそれぞれの得意ジャンルを生かしたメニューをシーズンごとに提案する。ソムリエの大越 基裕氏はドリンクのキュレーターとして参画。お酒は日本酒からワインまで幅広いラインアップを揃える。
今シーズンのメニューからシェフ達の料理をそれぞれ紹介しよう。
「Don Bravo」平 雅一氏の「北海道王様しいたけとカラスミのピザ」
2017年から2021年まで5年連続「The Tabelog Award」のBronzeに輝き、「食べログ イタリアン TOKYO 百名店」の選出店でもある、調布の名イタリアン「Don Bravo」。日本橋でも平シェフのピザが食べれらるのはBIGニュース!
ピザ生地は小麦の香りと甘さを感じる素晴らしい仕上がり。「北海道王様しいたけとカラスミのピザ」(1,760円)は「これがしいたけ?!」と驚くほど肉厚な王様しいたけが主張する一枚。
「O2」大津 光太郎氏の「春菊とゆずの焼売」
清澄白河にある「O2」は「食べログ 中国料理 TOKYO 百名店」の選出店。中国料理の重鎮「トゥーランドット 臥龍居」の脇屋氏の元で15年修行の後独立した大津氏は、基本を押さえながらも自由な発想で独自のメニューを開発。
ゆずがふわりと香る「春菊とゆずの焼売」(660円)は、さっぱりといただける。時短営業中に考案したという混ぜそばも要注目だ。
「The Burn」米澤 文雄氏の「安曇野豚とアサリのアレンテージョ」
肉料理のプロフェッショナルでありながらヴィーガン料理にも精通する二刀流シェフ、「The Burn」の米澤氏は様々なメディアで引っ張りだこの「令和のスターシェフ」。
アメリカ料理という自由な枠組みの中からクリエイトされる料理の数々は「素材の味わい」を第一に考えているため、おいしさをストレートに感じることができる。「安曇野豚とアサリのアレンテージョ」(1,650円)は豚とアサリという旨味食材のW使いで、白ワインにも赤ワインにもマッチしそうな仕上がりとなっている。
「てのしま」林 亮平氏の「ふぐの唐揚げ 塩レモン添え」
2020から2022まで3年連続でミシュランの一つ星を獲得している日本料理の「てのしま」。林氏は「O2」大津氏からの誘いで今回のプロジェクトに参画。コンセプトへの共感はもちろんのこと、参加メンバーの若い顔ぶれにも魅力を感じたと言う。
カジュアルに「ふぐの唐揚げ」(1,430円)をつまめるのはうれしい限り。日本酒だけではなく、ビールにもワインにも合いそうだ。
「morceau」秋元 さくら氏の「平飼い有精卵とアボカドのグラタン」
温かみのある家庭的なフレンチを提案するのは、 東京ミッドタウン日比谷にある「morceau」の秋元氏。
「平飼い有精卵とアボカドのグラタン」(1,210円)はグラタンでありながらこってりし過ぎず、塩味もおさえ気味で優しい味わい。
「BIEN-ETRE」馬場 麻衣子氏の「季節のフルーツのパフェ」
代々木上原にある「BIEN-ETRE」は繊細で美しいパフェが大人気。全国の果物生産者の素材を生かした繊細なスイーツに定評がある。
「季節のフルーツのパフェ」(1,320円)は必食。「ミルフィーユ」(1,100円)もぜひ試して欲しい。バターの香り豊かなサクサクのパイ生地と、滑らかなカスタードのハーモニーはお酒との相性も良さそうだ。