3. かにづくしが楽しめる激レア回転寿司!「寿司本家 金山店」
こちらはかに料理専門店が経営するめずらしい回転寿司店。名古屋市内に「札幌かに本家 名古屋駅前店」もあるため、おいしいかにが常に用意されているのが自慢だ。
かにサラダ軍艦と言えばかにカマを使用するもの、と思っていたらなんとこちらでは本物のかにを使っている。

かに風味、ではなく、かに身ぎっしりの軍艦をどれほど食べたいと思って過ごしてきたことか。そんな夢を叶えてくれてまず「ありがとう!」とお礼が言いたい。学生の頃からかにサラダ軍艦のサラダ部分をつまみにビールを飲むのが好きだったが、これなら日本酒が合いそうだ。
一品料理は人気のかにしゅうまい、かにグラタンなど専門店ならではのメニューが多数揃っている。「かに豆腐」はかに酢に柑橘系が混ざったさわやかな味わい。これはビールのおつまみに最適だ。

と、隣の方が「なまずちょうだい」と職人さんに言っているのが聞こえた。ナマズ? そういえば昔「くら寿司」でナマズの寿司を出していたことがあったが、他では食べたことがないなと思っていたら、出てきたのは「生ずわいかに」だった。なるほど「生ず」ね。常連さんの注文はおもしろい。「生ず」も良いがこの店で一番高い「本タラバかに」をいただいてみることに。

職人さんに「生タラバと本タラバ、どちらがおすすめですか?」と聞いたところ、しばらく考え込んだのち「個人的には本タラバかな?」とのことだったのでこちらをチョイス。生のふんわりとした味わいも良いが、茹でタラバの風味豊かな味わいもたまらない。これは好みだろう。
かにを存分に味わえる本格回転寿司店。かにをつまみにかにづくしと洒落込みたい店だ。
4. まぐろメニューは30種類以上!「まぐろや石亭」
その名の通り、まぐろ自慢の回転寿司店。まぐろメニューは一品料理も合わせると30種類以上もあり、さまざまな種類のまぐろが味わえるのも魅力の一つだ。
まぐろの希少部位で最も好きなのが大トロにも劣らない脂のりの良さでとろけるような味わいの頭肉。

他店ではまぐろ解体ショーが行われた時などにしかお目にかかれない寿司ダネだが、グランドメニューにあるのはさすが。一品料理は10月から4月までの期間限定商品「まぐろユッケ」が乙だ。

特製のタレがよく染みている。牛肉のユッケとは違ったすっきりとした味がなんとも良く、アルコールがすすむ。まぐろの新たな楽しみ方を教えてもらったような気分だ。
そして、あらゆるまぐろを堪能したい時にはこちらの「究極まぐろ七貫握り」。

本まぐろ大トロ、中トロ、赤身の3貫にキハダマグロ、メバチマグロ、ビンチョウマグロ、カジキマグロの5種類7貫の寿司が楽しめる盛り合わせだ。食べ比べるとそれぞれの特徴がよくわかり、あらためて自分の好みを確認できる。
まぐろを看板にしている回転寿司店は数多あるが、これだけの種類のまぐろを揃えている店はあるかないかの世界だ。こうなったらまぐろをとことん極めた回転寿司店になっていただきたい。
5. 細かなこだわりに寿司屋の矜恃を感じる「寿司処 角 日比野店」
名古屋市中央卸売市場の目と鼻の先にあり、市場から仕入れた鮮魚がふんだんに味わえる。業界でいち早く出張回転寿司を開始した「寿司処 角」とは別の個人が経営する回転寿司店だが、個人店ならではのこだわりがなかなかに良い。
たとえば、「本まぐろ大とろ」は一貫で提供されるが、ツマに海藻が添えられている。

一貫しか皿にのっていないとなんとなくさみしいものだが、これなら見た目もよく、しかもガリの代わりの良いアクセントにもなる。使用しているのは「伊勢まぐろ」という養殖まぐろで、最近評価が上がってきている。口に入れた時の大トロの香りの良さととろけるような味わいに寿司屋の本気がうかがえる。

平目の縁側も回転寿司でお馴染みのカラスガレイやオヒョウではなく、本物の平目を使っている。真っ白ではなくほんのりとしたピンク色が平目の縁側の特徴だ。これは平目を一尾、店内でさばいていなければ提供できない部位である。

寿司屋で「てっぽう」と言えばかんぴょう巻のこと。細身の巻物が鉄砲の銃身に見えるからとのことだが、こういった寿司屋の符丁を口に出して頼むのは通ぶっているようで気恥ずかしい。しかし、商品名なら堂々とオーダーできるので、ちょっとした通気分が味わえるかもしれない。
回転寿司ではほとんど人気がないかんぴょう巻だが、本格寿司店のように山葵をしっかりと利かせた味わいならば話は別。かんぴょうに山葵を利かせてこそのてっぽうだ。
酢飯に赤酢を使っており、口の中での解け具合もまずまず。コハダなどもきっちりと仕込んだ味わいで仕事の丁寧さがうかがえる。寿司もおいしく、寿司屋気分が満喫できる店であることには違いない。
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取材・文・撮影:米川伸生