愛知県の回転寿司は鮮魚店や水産会社が経営する店舗が多くハイレベル

「愛知県と回転寿司」と言われてピンとくる方は少ないかと思うが、実は愛知県は回転寿司のレベルが全体的に高い。鮮魚店や水産会社が経営する店舗が日本一多く、また知多半島、渥美半島にも多くの漁港があり、西には紀伊半島も控えるなど海の幸には事欠かない。

回転寿司激戦区の北陸、北海道の両横綱とは差があるものの、充分に大関の資格は満たしているのではないか。今回は個性派揃いの名古屋市の厳選5店舗を紹介したい。

「まぐろや石亭」
「まぐろや石亭」   写真:お店から

1. 東海が誇るエンターテイメント回転寿司!「廻鮮江戸前すし 魚魚丸」

愛知県が全国に誇るエンターテインメント回転寿司店、それが「魚魚丸」だ。人気のアトラクションはいくつもあるが、今最も力を入れているのが「藁焼きショー」。特製ブース内で藁に火をつけると豪快な炎が立ち上り、その中で旬の魚を焼いていく。藁で焼いた魚の香ばしさがたまらない。

「藁焼きショー」は全店で実施。これぞまさに回転寿司のキャンプファイヤー!

「帆立釣り」では、制限時間内に見事ホタテを釣りあげればなんと無料になるというサービスが人気。失敗しても青森産のおいしいホタテを定価でいただける。「とと競り」では豪華な寿司や本まぐろのすき身や頭肉といった、希少な寿司などを客同士で競り落とす。参加型のイベントを数多く実施している、まさにアミューズメントパークな回転寿司店なのだ。

肝心の寿司も圧倒的なコストパフォーマンスが光っている。グランドメニューの8割以上が300円以下、7割以上が200円以下(ともに税抜)で、「おいしくて安い」を実現させているのだ。しかも寿司はうれしいデカネタサイズ。

「まぐろ」198円(税込) 看板メニューのまぐろはサイズも大きい。近海生まぐろを使用することもあるが、それでも値段が一緒と言うから驚きだ

また、朝獲れの三河鮮魚も揃っているほか、注文ごとに水槽からさばきたてを提供する活あじは口がパクパクと動いていなかったらこれまた無料というサービスを実施していた時期もあるほど鮮度には自信がある。

「活あじ」880円(税込) “口パク”に自信ありの鮮度が魅力!

見て迫力、参加して楽しく、食べておいしく、財布にもやさしい。こんな回転寿司店がどこにあるというのか? 大手チェーンが機械化でエンタメを目指すのとは真逆に、人の力で楽しさとおいしさを生み出す「魚魚丸」のさらなる進化に期待したい。

2. 超絶ランチシステムの破壊力抜群!「スーパー回転寿司 藤」

自由っていいな、と思わずにはいられない個性派回転寿司店。店内の壁にはメニューを書いた短冊が一面に貼られているが、驚くのはその価格。「のどぐろあぶり3,000円」「天然ひらめ1,050円」といった具合に、本日の厳選素材は1,000円以上とグレートな値段設定。中には「ふぐの鉄刺8,800円」というとんでもない高額寿司もあるほどだ。

もぐら23号
「本日の厳選素材」1,000円、2,000円は当たり前!   出典:もぐら23号さん

愛知県ならではと言えば春の「生とり貝」がおすすめ。ご覧のようなビッグサイズの活とり貝を目の前でさばいて握っていただける。

生とり貝がある回転寿司店は極めて少ない

湯引きしたとり貝のゴムのような食感ではなく、シャキシャキとした甘みのある味わいがたまらなく良い。

生とり貝

これだとこだわりの食材をそれなりの価格で提供している回転寿司店にすぎないのだが、「藤」の魅力はランチシステムにある! ランチを注文するとまず「本日のおすすめ5貫」とあら汁が提供される。そしてここからが「藤」ならではのシステムなのだが、さらにレーンに流れている3皿を自由に選ぶことができるのだ。

「藤のランチサービス」。今回は「あん肝軍艦」525円、「生あじ」380円、「生たこ」280円をチョイス。これにおすすめ5貫+あら汁で1,000円とは!(すべて税込)

まぁ、ちょっとお得なランチくらいに思われるかもしれないが、このレーンがとにかく壮絶! 恐ろしいことに「あん肝軍艦」「ウマズラハギ」など500円もする皿が次々と回ってくるのだ。

どの寿司を食べようか、とりあえず一周様子見しよう、などと思っている間にレーンから寿司は消え去り、もう二度と回ってこないことも… … 。レーン上のどの寿司を食べるかで、これほど客同士が真剣勝負をしている回転寿司店は他にはないと断言できる! 個人店ならではのこだわりが藤マニアを惹きつける、唯一無二の店である。