豊橋の洋菓子店「マッターホーン」
愛知県豊橋市内にある「マッターホーン」は、1974年から続く老舗洋菓子店です。JR豊橋駅東口からアーケードを抜けて数分。今も昔も変わらず、地元の人々に愛され続けるケーキの名店です。チョコレートジャーナリスト・市川歩美が、ティールームのメニューや、店名の由来、人気の定番ケーキなどを紹介します。
豊橋駅近くの洋菓子店
JR豊橋駅を出て、昔ながらの「ときわアーケード」をくぐり抜け、もう少し進んだ左手に、大きなガラス窓のあるきれいなケーキ屋さんがあります。ひっきりなしにケーキを買いに来る人が訪れ、賑わうこのお店が、豊橋の「マッターホーン」です。
47年前から続くお店。ショーケースを彩るクラシカルなケーキの味はオープン当初から変わらず、世代を越えて愛されています。
実は、私にもこのお店に通った時代があります。豊橋で3年間仕事をしていた頃、ゲストへのお土産やお茶菓子にマッターホーンのケーキやチョコレートをよく選びました。理由は、どなたに差し上げても喜ばれたから。そしてなにより、リーズナブルで心あたたまる味を、私自身が気に入っていたからです。
豊橋のマッターホーンの歴史
マッターホーンの創業は1974年。オーナーシェフの河合秀矩さんは、22才でスイスへ渡り、バーゼルの製菓学校をはじめスイス各地の菓子店に勤めて洋菓子やチョコレート作りを学びました。東京・学芸大学の人気の洋菓子店「マッターホーン」で腕を磨いた職人でもあります。
独立して地元の豊橋で店をオープンするとき、河合さんは、多くを学び思いの詰まった店の名をつけたいと考えました。学芸大学のマッターホーンの社長に願い出ると「東京と豊橋なら箱根を越えるし、お互い繁盛しても大丈夫だね」と快諾してくださったそう。学芸大学の老舗洋菓子店と同名なのは、揺るぎない信頼関係があったからなのです。