さあ、「一楽ラーメン 松島店」で食べるべき4品をご紹介

デフォルトでゴマが振りかけられるのも特徴「ラーメン」

「ラーメン」550円

博多豚骨らしいパンチととろみがあり、かつ臭みのないスープ。最初からゴマが振りかけられているので、“なし”がいい人は、麺の硬さと共にオーダー時に。「ラーメン」550円とコスパ優秀。

奥の大釜で取った豚骨スープは厨房の「本釜」(売り釜)へ。髄や、骨についた肉から染み出る旨みを凝縮している。

麺は老舗製麺所に特注

しなやかなコシのある細ストレート麺。老舗製麺所に特注している。

昔を懐かしみながらひたすら啜る上村さん

「これこれ、この味! 20代の頃、原稿書かなきゃって焦りながら夜食によく食べたよなー(しみじみ)。今も、原稿たまっているけど……。とにかく、この一杯は博多ラーメンヒストリーを語る上でも外せない傑作。食べ進めるごとに旨みがガンガン。レンゲですくう手が止まりません。麺の硬さは“普通”って頼むことが多いけれど、同店では決まって“カタ”にしますね。コクコクッと顎に伝わるカタ麺の歯応えが心地よいです」

すり鉢の器に入った「みそラーメン」

「みそラーメン」680円

特に冬場、オーダー率が急上昇するのが「みそラーメン」680円。ラーメンと同じ豚骨スープがベースの“まろやか豚骨味噌”。昭和40年代、味噌ラーメンの需要を受け、中村店主が考案したものだ。

中華鍋を振り野菜を炒める

数種をブレンドした味噌は、焦がしを入れずに、豚骨スープにさらりと溶かし込む手法。味噌のみずみずしさを立て、上品な甘さに仕上げている。

すり鉢のような器にスープを張り、野菜をこんもりと盛る
 

上村さん

福岡のラーメンには豚骨ラーメンでなくとも、地元民のソウルフードまで昇華したメニューがいくつかあります。例を挙げると「川端どさんこ」の味噌。「王餃子」の醤油。そして「一楽」のこの一杯もそうでしょう。味噌の“甘さ”の立つスープですが、しつこすぎないのがいいですね。モヤシのシャキシャキ感も利いています。

少量の豚骨スープが旨さの要「皿うどん(太麺)」

「皿うどん(太麺)」850円

キャベツやカマボコ、イカゲソなど具沢山の「皿うどん(太麺)」850円。ラーメン、みそラーメンに次ぐ3番手のメニューであるが、これしか頼まない常連も多いという。

具も麺もたっぷり

具もにぎやかだが、麺量も多い。あふれんばかりの中華鍋を熟練の技で振り、具、麺を香ばしく炒めていく。

 

上村さん

博多名物の「焼きラーメン」と同じように少量の豚骨スープが隠し味。ラードも炒め絡めることで、より香ばしくねっとり濃厚な味わいに。太麺としっかりと絡んで、これはうまい!!

お楽しみの高菜が付いた「小ごはん」

「小ごはん」180円と高菜

博多ラーメンと言えば!の高菜は、卓上には置いていないが白ご飯を頼むと、お代わり自由の器ごと出される。

 

上村さん

博多ラーメン店で一般的な“辛子”高菜ではなく、同店ではみずみずしさ、シャッキリ感を残した“辛くない”高菜。ほかほか白飯にのせて口にかきこむとサイコー! もともとご飯用に、と出されているものですが、ラーメンに入れている人も多く見かけますね(大将も黙認)。まあ自由に啜りんしゃい! ラーメンイズフリーダムなので(笑)。

今回は、九州のラーメンライター・上村さんに「一楽ラーメン 松島店」をご紹介いただいた。食べログ3.5以下でも、まだまだ知られざる名店があることを改めて実感。今後も、福岡のラーメン界で超名店を発掘していく!

※価格はすべて税込

※本記事は取材日(2021年11月1日)時点の情報をもとに作成しています。

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文:上村敏行、食べログマガジン編集部 撮影:戸高慶一郎