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小野瀬さん発案メニューもあり! イチオシはこの4品
沖縄麺を使用し、多彩な味が揃う「焼きソバ」
多彩なメニューの中でも、特にラインアップが充実しているのが焼きそば。焼きそばと言っても、ここでいただけるのはいわゆる中華麺を炒めたものではなく、沖縄麺を使用した沖縄焼きそば。定番の塩やソース味はもちろん、小野瀬さんのリクエストで定番メニュー化したケチャップ味など、さまざまな味が揃う。どれもベースに沖縄そば(汁そば)と同じ鰹節3種、塩、泡盛、薄口醤油の出汁を使用していて、風味豊かに仕上がっている。
小野瀬さん
ソース味もケチャップ味も塩味も自由自在。中でもケチャップ味は、私のワガママで作ってもらったらレギュラー入りしたというのが由縁。更に、マトン焼肉焼きそばやマトンボロネーゼ焼きそばなど、期間限定メニューが出されていることもあるので要チェック。
使用している沖縄麺は、沖縄県名護市で明治時代から続く老舗製麺所のもの。通常タイプと、平打ち麺の2種類がある。オーダーの際に好きな方を選べて、2種類ミックスにすることもOK。いずれももちもちとした食感で、食べ応えたっぷり。
ケチャップ味の焼きそばは、まろやかなのにピリッと黒胡椒が利いていて、お酒にも合う大人の味わい。その秘密は、バターを焦がす際に黒胡椒も一緒に入れて熱で辛みを際立たせ、さらにバターと出汁を熱で乳化させて一体化。麺に出汁の味をしっかり入れ込んでから、ケチャップは鍋肌で炒めて酸味を飛ばすなど、実はかなり手の込んだ工程にあり。
小野瀬さん
沖縄そばの麺が、これほどまでに懐が深いのかと驚かれると思います。ウマウマウー。焼きそばブラボー。私の焼きそばのお供は泡盛のソーダ割り。サイコーでサイキョーのコンビネーションです!
具材は大きめ、味わいは繊細な「ゴーヤチャンプルー」
「ゴーヤチャンプルー」800円は、ゴーヤを2時間流水に浸してエグみを抜き、水分を入れることで苦味が抑えられ、みずみずしい味わいに。具材はゴーヤと島豆腐、チューリップポーク、卵。沖縄そばの出汁を使用し、奥深い旨みも感じられる。
小野瀬さん
あまりにもシンプルで王道のメニューですが、他店と違うのは丁寧さ。ゴーヤの下ごしらえなど、しっかりこだわりがあります。パワフルながら繊細さも兼ね備える食べるべき逸品です。
臭みを感じず満足感はしっかり「マトン焼肉」
生で食べられるほど新鮮なマトンのショルダー(赤身と脂のバランスがいい腕部分)を醤油、酒、みりん、蜂蜜、オイスターソース、ごま油の甘めのタレで焼き上げた一品。程よい歯ごたえとコクのある旨みで、お酒やご飯がすすみそうだ。
小野瀬さん
マスターは北海道出身! だから北海道への愛もふんだんに振る舞われます。マトン焼肉はある時とない時があるので、もしある時に当たったらマストイート。甘めの味付けと、マトンの本格的な味わいが心に沁みます。
出汁の風味が優しく染み渡る「沖縄そば」
ホロホロに煮込んだラフテーと、鰹節3種、塩、泡盛、薄口醤油で作る出汁の風味が絶妙な「沖縄そば」750円。メイン具材のラフテーは、下茹でをして繊維を崩し、一度洗って余分な脂と雑味を落としてから醤油、黒糖、泡盛などを加えて一晩寝かせ、さらにまた翌日味入れをするため、仕込みにトータル2日を要するそう。
小野瀬さん
汁そばも大変においしい! 汁を啜ると旨みが体の細胞の隅々にまで行き渡って、すぐに元気が出ます。飲んだ締めにももちろんですが、お昼に食べると午後はずっと元気でいられます。
手間ひまかけた料理と人の温かさ、今欲しいものがここに
料理の食材はほぼ沖縄から仕入れていて、仕入れ先は本島でお店をやっている“おばあ”や、宮古島にいる友人だという。しかし、何度も言うがマスターは北海道出身。こうした繋がりも、沖縄に遊びに行ってできた人脈なのだとか。「すべては人脈ですね」と笑うが、それも前川さんの人柄があってこそだ。
コロナ禍の今、多くの人が強く求めているものと言えば、人とのコミュニケーションと、おうち時間ではなかなか味わえない、手の込んだプロの料理。その両方があるのが「やなわらバー」だ。常連の仲間入りをしたいという人は、知る人ぞ知る地元の人気店でとどまっている今のうちに足を運んでみては。
焼きそば各種はランチでも楽しめるので、お酒が得意ではない人もお気軽に!
※価格はすべて税込