季節ごとに変わるメニューを楽しみに通いたい

数百年以上の歴史がある老舗から令和生まれの新店まで、無数の日本料理店がしのぎを削る京都で最近食通からよくその名を聞く店がある。五条柳馬場にある「杦(SEN)」だ。

「杦」がオープンしたのは2018年。その年にミシュラン一つ星を獲得、「The Tabelog Award 2021」のBronze受賞、「食べログ 日本料理 WEST 百名店」にも選出されている。

杉澤 健氏

店主の杉澤 健(すぎさわ たけし)氏は「赤坂 菊乃井」「室町和久傳」「祇園ろはん」で料理長を務めたのち渡英。 ロンドンでプライベートシェフの経験を積み帰国し自分の店をオープンしたというユニークな経歴の持ち主。現在42歳と、まさに料理人として脂が乗ってきている年齢と言える。

「室町和久傳」仕込みの料理

杉澤氏が日本料理を志したきっかけは「もともと日本の歴史や文化が好きだった」から。手に職をつけ、海外に行きたいという思いから板前の道に。「杦」という店名は修行先の「室町和久傳」に由来する。「室町和久傳」での修行時代に自身のおもてなしや料理のあり方を培うことができたという思いから、杉澤氏の苗字の「杉」の異字体であり「室町和久傳」の「久」が入った「杦」を店名に掲げたそう。

建物は、老舗扇子店を宮大工によって改修された日本家屋。落ち着いた佇まいの玄関を入ると、店内にはシックでモダンなカウンターがある。店主と語らえるカウンターが特等席だが、接待や家族の集まりには個室も用意されており、様々な用途に対応している。

写真には無いが、現在は感染対策用のパーテーションも完備

使う食材は京都の野菜や魚介、肉など地産地消はもちろん、時に岩手のツキノワグマや、気仙沼のフカヒレなども用い、日本の食材だけを使うことをモットーにしている。料理の要である出汁は食材、調理法で変え、「杦」専用に調合した節を使う。

料理によって出汁を変える

秋には丹波の松茸を楽しみにしている常連客も多い。ちょうどお店に伺った日には、カウンターの七輪で焼き松茸を楽しむ人がいて、豊潤な香りにこちらまでうっとりしたのも良い思い出。

カフェモカ男
出典:カフェモカ男さん

コースの〆は数種類から選べ、お腹に余裕があれば複数チョイスも可能だ。どれもおいしいが、ぜひ食べて欲しいのが卵とじ系。この日は「鰻の卵とじ」だったが、今まで食べたどんな卵とじ丼よりもフワッととろけ、繊細な味わいで印象的だった。

ランチは11,000円、25,200円、ディナーは25,200円。冬にはランチ、ディナー共に焼き蟹コース36,300円もあり、季節を変えて訪れたい。

※価格は全て税込。別途サービス料

エッセンスをご自宅で

「杦」で人気のお土産が「食べログモール」でも購入可能に!

女将の出身地である京都大原のブルーベリーと山椒をいただいたことをきっかけに、店主が遊び心でコンフィチュールに仕立てた特別なお土産。日本の星付きレストランをはじめ、ロンドンでプライベートシェフとしても活躍していた経験を活かし、和と洋の文化を融合させた個性溢れるコンフィチュールに仕上がっている。

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アイスクリームやヨーグルトに添えたり、パンに塗ったり。ワンランク上のおいしさをご自宅でも。


※本記事は取材日(2021年9月24日)時点の情報をもとに作成しています。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

取材・文:食べログマガジン編集部
写真:お店から