Best New Entry受賞店をご紹介
2025年1月29日に発表された「The Tabelog Award 2025」。初めてノミネートされた店舗の中でも特に「食べログユーザーから注目されている店」に贈られる「Best New Entry」を受賞したお店を紹介していく本連載。今回は2023年に京都・鞍馬口にオープンした「徳ㇵ本也」をご紹介。
囲炉裏が象徴的な日本料理店
2023年12月にオープンした「徳ㇵ本也」。開店以来、国内外のグルマンから評判を呼び、現在予約は約5カ月待ちだそう。店は上御霊神社近くの物静かな住宅街にあり、京都市営地下鉄「鞍馬口駅」からそろそろと歩いていくと、数寄屋造りの一軒家に出会う。


店主の松本進也さんは、京都の名日本料理店「和久傳」で19年間研鑽を重ねた人物。「高台寺和久傳」「室町和久傳」では料理長も務めたとのこと。「ひっそりと営業するつもりでしたが、たくさんの方々に来ていただいて感謝しています。開店して1年と少し経ち、ようやく地に足がついてきたように思います。『和久傳』出身者としての期待に、常々応えたいと思っています」と松本さん。

料理は修業先と同様、研ぎ澄まして素材の味を引き出すことに注力し、シンプルな調理を心がける。時には船で漁に出るなど素材への探求心はつきないが「最近、独自の方法で魚を〆る、明石の仲買さんを紹介していただきました。小さい魚でもいかった状態で届き、身がねっとりしています」とのこと。
また、店の象徴的な存在でもある、辻村塊氏作の伊賀焼の大鉢を使った囲炉裏も見事な仕事ぶりを見せる。「1年間使ってみて、焼き方に幅が出てきました。焼き魚を外はかりっと中はふんわりさせる方法など、理屈がわかってきましたね。何を焼いたら面白く魅力を出せるか、そればかりを考えていますよ」と松本さんは笑う。

“「Best New Entry」に選んで正しかった”と言われる店でありたい
そして、「Best New Entry」受賞に関しては「多くの有名店の中でお客様から選ばれるのはうれしいこと。農家や漁業の方などさまざまな方々に支えられているので、みんなでいただいた賞ですよね。まだ2年目の店なので、3年目は、選んでいただいた方に“選んで正しかった”と思ってもらえるような年にしたいです」と話す。
