〈食べログ3.5以下のうまい店〉

巷では「おいしい店は食べログ3.5以上」なんて噂がまことしやかに流れているようだが、ちょっと待ったー！

食べログ3.5以上の店は全体の3%。つまり97%は3.5以下だ。

食べログでは口コミを独自の方法で集計して採点されるため、口コミ数が少なかったり、新しくオープンしたお店だったりすると「本当はおいしいのに点数は3.5に満たない」ことが十分あり得るのだ。

点数が上がってしまうと予約が取りにくくなることもあるので、むしろ食通こそ「3.5以下のうまい店」に注目し、今のうちにと楽しんでいるらしい。

そこで、グルメなあの人にお願いして、本当は教えたくない、とっておきの「3.5以下のうまい店」を紹介する本企画。今回は、365日カレーを食べ続けるカレーおじさん＼(^o^)／が「都内屈指のポークビンダルーが食べられる」お店として度々訪れているという、カレーの実力店を紹介。

教えてくれる人

カレーおじさん＼(^o^)／

2006年から毎日カレーを食べ続けているカレーアディクト。世界各地約5,500店舗で様々なカレーを食べ歩く。年間平均カレー食数は1,000以上、生涯通算カレー食数は優に20,000を超える。フジテレビ系「スパイストラベラー」、TBS「マツコの知らない世界」などメディア出演の他、小学館「Oggi」などでカレー記事を連載。レトルトカレーの監修も手掛けるなど、様々な形でカレー情報を発信している。

日本人の舌に合うカレーを追求する実力店「八仙花」（はっせんか）【点数3.25】

「近くに仕事で行く機会があり、このエリアのカレーを徹底的に調べているときに見つけました。マニアにもほとんど知られていないお店でありながら、人気店に負けないおいしさと価格の安さに驚き、それからは近くに行く度に通っています」とカレーおじさん＼(^o^)／が教えてくれたのが、東京・下板橋にある「八仙花」だ。

※点数は2021年10月時点のものです。

2017年4月、新宿や池袋などの大都市にも近くお客さんに来てもらいやすいという理由から、下板橋に店舗をオープン。以前は居酒屋系の飲食店だった物件をカレー屋に改装したというのもあり、店内はアットホームな雰囲気。

百戦錬磨のカレーおじさん＼(^o^)／の舌を魅了するカレー店とくれば、マスターは有名店出身かと思いきや、料理に関してはまったくの未経験・知識ゼロ、異業種からのスタートだったとか。「お店を始める前は、カレーに関しては完全にど素人。カレーは家で食べるものだと思っていました（笑）」とオープン前の自身を振り返るのは、マスターの市原さん。

「カレーの本場のシェフが作るような本格的な味を再現するのは難しいけれど、お店をやるからには外食ならではのレベルに達していないとだめだよねとスタッフとも話し合い、それを目標にメニュー開発を始めました。そこから半年近く試作を繰り返して、看板メニューの『スパイシーチキンカレー』の基となるカレーが完成し、当時キッチンカーでカレー販売を行っていた別のお店の方にもお墨付きをもらって、これならいけると判断しました」と、開店秘話を明かしてくれた。

市原さんが心掛けているのは、“日本人の舌に合うカレー”を作ること。「基本的に、ごはんに合うカレーを心がけています。だしを入れるのがポイントですが、だしもカレーの種類によって使い分けています。スパイスも入れすぎると味がぼやけてしまうので、あまりたくさんの種類は使わず、3〜6種くらいでシンプルに仕上げています」

そのコンセプトに沿って、カレーに合わせるご飯も白米と大麦をブレンド。大麦を混ぜることによって白米のみで食べるカレーライスより食感も良くなり、カレーの本場インドのバスマティライスやタイのジャスミンライスのようなサラッとした口あたりを楽しむことができ、いわゆる古き良き日本のカレーライスとは一線を画した独自の一皿となっている。

カレーおじさん＼(^o^)／イチ押しのスパイシーな2皿

現在は5種類の定番に、月替わりの1種類を加えた計6種類が基本のメニューとなっているが、その中でもカレーおじさん＼(^o^)／がイチ押しのメニューとして挙げる「ポークビンダルー」と「スパイシーチキンカレー」の定番の2皿をご紹介。

カレーマニアが都内屈指のおいしさと唸る「ポークビンダルー」

カレーおじさん＼(^o^)／のイチ押しは、お店でも特に常連さんに人気だという「ポークビンダルー」。インド・ゴア地方の酸っぱくて辛いカレーとして日本でもここ数年で提供するお店が増えている注目のカレーだが、その特徴から、カレー初心者がなかなか手を出しにくいほどホットな味付けの一皿に出合うこともしばしば。その点こちらは、ポークビンダルーならではの確かなスパイシーさはあるものの、最後までおいしく食べられるようバランスを配慮した仕上がりとなっており、初めてポークビンダルーを食べる人にもおすすめしやすい一品。

「辛いのが苦手だけど食べてみたい」という人には、卓上にある練乳やはちみつをかけて食べるのがおすすめ。特に練乳は、ミルキーな甘さがスパイシーなカレーにまろやな風味を加え、ひと味違うポークビンダルーのおいしさを堪能することができる。

まずはこの一皿！「スパイシーチキンカレー」

カレーおじさん＼(^o^)／が、まずは食べてほしいとおすすめするのが「スパイシーチキンカレー」。マスターの市原さんが一番最初に開発したカレーであり、お店の一番人気でもあるスパイシーチキンカレーは、一口食べればそのチキンの食感に驚くはず。自然にほぐれるまでじっくり加熱された鶏肉はほろりとやわらかく、トマトベースのグレイビーとの相性も抜群だ。