再開発にともない、有名ITベンチャー企業によるオフィス移転の動きも活発に見られ、しばらくこの地を離れていた大人たちから再びの注目を集める街・渋谷。だけど、いざ来てみたら食事処に迷ってしまうというケースもしばしば。そんな、“シブヤお久しぶり組”の迷える大人たちのため、「食べログ グルメ著名人」で渋谷区観光大使を務める小宮山雄飛さんに渋谷の新旧グルメスポットを教えてもらおう! というこの連載。

 

[新]編4回目となる今回は、渋谷の老舗焼き鳥専門店の2号店となる「鳥竹 二丁目店」をご案内します。

【大人の渋谷メシ・[新]編】第4回「鳥竹 二丁目店」

「鳥竹総本店」といえば渋谷でも老舗の焼き鳥屋さんですが、同じ鳥竹でもこちらの二丁目店は2018年にできたばかりなので、今回はあえて【新店】として取り上げさせていただきます。

 

とはいえ料理の味は総本店と変わらないので、名物の大串の焼き鳥など老舗ならではの味を楽しめます。

(写真左側から)人気4種の「やきとり」300円、「つくね」320円、「皮」300円、「とり肝」300円

中でも僕のおすすめは「鳥なべ」。鶏肉のほかに豆腐・長ネギ・椎茸などの具を、甘めのだしで煮て生卵をつけて食べる、いわゆるすき焼きスタイルの鍋なのですが、これをツマミに酒を呑むのが最高なのです。

「鳥なべ」1,000円

生の状態でセットされるので、煮え上がるのを待ちながら日本酒をチビチビなんてのもオツだし、煮えたて熱々の鶏肉を頬張ったあと、冷えたホッピーをグっと喉に流し込むなんてのも、豪快で楽しい。

一人前でも結構な量があるので、2〜3人で行ってみんなでつつくのも良し(その場合は人数分だけ生卵を頼むと良いです)。

さすがは焼き鳥専門店だけあって、鶏肉がぷりぷりの食感で卵との相性も良く、もしかしたら牛肉のすき焼きよりもワクワクする一品で、すっかりハマっています。普通の鶏鍋だったら締めはご飯を足して雑炊なんて手もありますが、こちらのお店に来たら、せっかくなので〆には名物のチキンライスをいただきたいところ。

「チキンライス」800円を含めたご飯ものは、平日16時まで大盛り無料といううれしいサービスも

ケチャップの利いた昔ながらの甘めで素朴な味は、ついついもう一杯と呑み過ぎてしまう呑ん兵衛の舌を、しっかり締めてくれます。店内は、総本店地下の座敷のような古き良き味わいはありませんが、むしろ明るい食堂呑みの雰囲気で、僕は最近はこちらの2階ばかり訪れています。

2階はすべてテーブル席

ちなみに1階は立ち呑みもできる気軽な雰囲気なので、昼からさくっと1階で呑むも良し、2階で腰を据えてグループや家族で楽しむも良し(ただし人気店なので長居は禁物)。渋谷の呑ん兵衛が集う名店です。

気軽に立ち呑みも楽しめる1階

 

※価格はすべて税抜

 

 

文:小宮山雄飛

撮影:佐藤潮