〈2019 食通が惚れた店〉

平成から令和へと元号が変わった2019年。外食シーンにおいても、新しい時代の幕開けを感じさせる飲食店や、グルメにまつわるトピックスが盛りだくさん。そこで、グルメ情報を熟知した方々に、2019年に最も感動したお店について教えてもらいました。「2019年のNo.1」「2,000円以下のプチプラグルメ」「2020年の注目店」をそれぞれご紹介します。

 

今回は、FPMの田中知之さんにお答えいただきました。

教えてくれる人


田中 知之

1966年7月6日生まれ。京都市出身。DJ/音楽プロデュースのソロ・プロジェクトFPM=Fantastic Plastic Machine(ファンタスティック・プラスチック・マシーン)として国内外で活躍。97年秋発売のアルバム「The Fantastic Plastic Machine」でデビュー以来、独自の音楽スタイルがワールドワイドに支持され、6枚のオリジナルアルバムのリリースの他、アーティストのプロデュースにもたずさわり、リミキサーとして現在まで100を数える楽曲を手掛けている。世界三大広告賞でそれぞれグランプリを受賞したダンスミュージック時計ブログパーツ「UNIQLOCK」、「UNIQLO CALENDAR」の楽曲制作も手掛けるなど多方面で活躍している。グルメとしても知られており、全国各地を網羅する情報量を持つ。

2019年のNo.1飲食店

Q 2019年に行ったなかで、〈最も感動した飲食店〉はどこですか?

撮影:大谷次郎

A 「TexturA(テクストゥーラ)」です。

去年オープンした素晴らしいお店は他にもたくさんあったのですが、こちらは「一凛」、「イチリンハナレ」で快進撃を続ける齋藤シェフの料理が気軽に味わえる、言わばディフュージョン店舗。価格帯、メニュー構成、充分なキャパシティ、程よいサービスと充分な高級感……その全てのバランスが素晴らしかった。人気店の高価格化が止まらず、時に恐怖すら感じることもあるのですが、現実的でフェアなパフォーマンスを実現していて感動しました。

Q そのお店で〈印象に残った一皿〉は?

撮影:大谷次郎

A 「よだれ鶏の三段活用」です。

よだれ鶏を食した後に残ったタレに焼き餃子、更には麺を投入していただく齋藤シェフのシグニチャー、こちらでもちゃんと味わえます。

 

 

2,000円以下のプチプラグルメ

Q 2019年に行ったなかで、人におすすめしたい〈2,000円以内のプチプライスで食べられる幸せ〉は何ですか?

撮影:田中知之

A 「北浦酒店」の「ビフカツ」です。

今年初めて食した訳ではないのですが、やはり何度訪れても、そのあまりにもカジュアル過ぎるお店の雰囲気(そりゃ酒屋さんが兼業でやってる角打ちな訳ですから当然ですが)と料理のクオリティのアンバランスに感激してしまいます。注文が通ってから衣を付けて、的確な温度と時間で揚げられる牛の上ラムシンのカツは、たっぷりのデミグラスソースの海に浮かべられて供され、高級店にも決して引けを取らないルックスと味わいです。

 

 

2020年 注目のお店

Q 2020年、〈注目したい飲食店〉はどこですか?

写真:お店から

A 「FARO」です。

サスティナビリティやフードロスなど、料理店の思想やスタンスにも注目が集まり始めた昨今ですが、健康面のみならず、通常食と比べて二酸化炭素排出量も極端に圧縮できるというビーガン食を、非常に能動的に捉え、素晴らしいパフォーマンスに昇華させる能田シェフと加藤パティシエの活躍にはこれからも期待しています。私は正直そこまでビーガン食に興味があった訳ではありませんが、彼らのビーガン・コースの旨さは脅威的でした。

 

 

文:田中知之・食べログマガジン編集部