〈2019 食通が惚れた店〉
平成から令和へと元号が変わった2019年。外食シーンにおいても、新しい時代の幕開けを感じさせる飲食店や、グルメにまつわるトピックスが盛りだくさん。そこで、グルメ情報を熟知した方々に、2019年に最も感動したお店について教えてもらいました。「2019年のNo.1」「2,000円以下のプチプラグルメ」「2020年の注目店」をそれぞれご紹介します。
今回は、メンズライフスタイル誌「Safari」編集部の三橋真央さんにお答えいただきました。
教えてくれる人
三橋 真央
1980年東京都生まれ。乙女座のA型。上智大学法学部地球環境法学科卒業後、柴田書店を経て2012年12月、日之出出版入社。カリフォルニア、海、サーフィンを軸とする、ラグジュアリーかつアクティブな男性に向けたライフスタイル誌「Safari」編集部所属。ファッションページの傍ら、グルメ・ホテル・旅系の特集、連載を担当。公式オンラインメディア「Safari Online」も兼務。趣味は20年来続けているバスケ。ホームタウンは神楽坂。
2019年のNo.1飲食店
Q 2019年に行ったなかで、〈最も感動した飲食店〉はどこですか?
A 「LOS TACOS AZULES」です。
メキシカンがトレンド化しつつあるなか、タコスを扱う専門店も増えましたがここはクオリティと理念が別格。メキシコ料理好きなら、フラワートルティーヤとコーントルティーヤの違いまでは常識。この店はさらにコーントルティーヤのなかでもメキシコ在来種のブルーコーンを現地から取り寄せて、製粉、生地作りまでを一貫して行っています。
彼ら曰く、チョコレートのBean to Barならぬ、From Corn to Tacos。その理由はトウモロコシの味や香りの違いはもちろん、合理化・大量生産が当たり前の時代へのアンチテーゼも含まれていて、本物を守り、伝えていこうとする姿勢に共感できます。最高峰の食材と技術を追求するグランメゾンも素晴らしいですが、飲食店の本質ってこういうところにあるのでは?と再認識させてくれる貴重な一軒です。
Q そのお店で〈印象に残った一皿〉は?
A 「カルニータス」です。
タコス・デ・カルニータスは、メキシコ全土で親しまれているタコスの定番中の定番。長時間の煮込みやコンフィで柔らかくした豚肉をトルティーヤで包むシンプルな一皿だけに、違いが実感できます。
「LOS TACOS AZULES」の「カルニータス」1個/500円(税抜)は、アボカドや野菜などをあえて入れない直球勝負の一品。カリカリに調理された豚肉の食感と旨味もポイントですが、やっぱり注目したいのはトルティーヤの味わい。まずオーダーごとに焼き立てで提供しているので、トウモロコシの風味が立っていて、生地はふっくら熱々。口に含むと、トウモロコシ本来の甘味がほんのりと感じられ、それが徐々に具材の味と融合していくタコスの醍醐味を堪能できます。ストリート系のジャンクなタコスとの差はもう一目瞭然。
土日の朝はアラカルトオーダーも可能な“朝タコス”営業があるので、カジュアルに楽しむならぜひこちらで。夜はタコスを中心にしたコース料理を提供していて、ローカル食材とのマリアージュも必見です!