【肉、最前線!】
数多のメディアで、肉を主戦場に執筆している“肉食フードライター”小寺慶子さん。「人生最後の日に食べたいのはもちろん肉」と豪語する彼女が、食べ方や調理法、酒との相性など、肉の新たな可能性を肉愛たっぷりに探っていく。奥深きNEW MEAT WORLDへ、いざ行かん!
連載3回目となる今回は、ハワイからはるばる飛んできた(!?)フリフリチキン。丸鶏をそのまま焼くスタイルで、現地では月間5,000羽以上売れるというハワイの食いしん坊たちのお墨付き。ロコたちがこぞって行列をなすという、この夏限定の激旨チキンの魅力に迫る。
vol.3 浜辺でチキンが乱舞!? 肉と海編
ロコモコにアサイーボウル、パンケーキなど、ハワイから日本に上陸し、ブームを巻き起こした食べ物は多い。
ハワイを旅するお楽しみのひとつとして“食”が挙げられるほど、その内容は多彩だが、この夏イチの注目株はなんといっても7月1日に夏季限定で鎌倉の由比ガ浜ビーチにオープンした「RAY’S ORIGINAL BROILED CHICKEN」だ。
Ray’sフリフリチキン(ハーフ)¥1,200
ハワイのノースショアに週末限定で現れる巨大トラクターの前にはオープンと同時に長蛇の列ができる。ここを訪れる人のお目当ては、焼き立てのフリフリチキンだ。
フリフリとはハワイ語で“回す”という意味だが、専用マシーンに“フリフリ”されながら丸鶏が焼かれる様子は圧巻。遠赤外線効果によってふっくらジューシィに焼かれた鶏は、月間で5,000羽以上売れることもあるという。
地元では、フリフリチキンを提供する店も少なくないが、ローカルのあいだでは「レイズのチキンが一番おいしい!」という声も多い。
日本でもここ数年、ロティサリーチキンの専門店が増えたが、“丸鶏を焼く”というシンプルな工程は同じでも、味は似て非なるもの。パサつきがちな胸肉もふっくら、しっとり。やや濃いめの味付けも、夏バテ気味の体にはちょうどよく、ヤミツキになる美味しさだ。
ロコモコボウル¥1,400
行列ができるハワイアンローカルフードの日本上陸とくれば、話題性もばっちりだが、鎌倉由比ガ浜ビーチの店にはハワイの「レイズ」にはないスペシャルメニューも登場。
1羽丸ごとのホールまたはハーフ、ライスとコールスローサラダがついたランチプレートはハワイの店でも提供しているが、さらにノースショア名物のひとつでもあるガーリックシュリンププレートやココナッツミルクを入れたハワイ風カレーにハンバーグをトッピングしたハンバーグカレープレート、ロコモコボウルやタコライスといったアメリカンフードの定番も、気軽にテイクアウトすることができる。
ガーリックシュリンププレート¥1,600
子どもの頃、“海の家”で食べるラーメンやカレーは、どうしてこんなに美味しいのだろうと思った記憶が、ふと、よみがえる。
太陽の光を感じながら、海を眺めてピクニック気分で味わうフリフリチキンの味は格別。8月31日(木)までの期間限定なので、鎌倉の海に出かけた際は、ぜひ立ち寄りたい。
撮影:大谷二郎