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「なつそら代の、新宿グルメガイド」“女性陣 キャラ映えレストラン”編

ついに最終回をむかえる、“朝ドラ”ことNHKの連続テレビ小説「なつぞら」。ドラマウォッチャーのライター、なつそら代が、ドラマの感想をまじえながら、登場人物におすすめしたい新宿グルメを恩着せがましくレコメンドする当企画。前回の「いけおじスイーツ編」に続き、最終回を記念し女性陣編をお届け。ガイド協力は、同じく「出世ごはん」でおなじみの藤島佑雪さん。基本的には銀座が庭だという藤島さんが、歌舞伎町出身の女の子と遊ぶときに教えてもらったというお店を織り交ぜながら、各キャラにあったスポットをレコメンド。さあ、あなたが感情移入するのは、どの人物&お店?

 

第2回は、物語に登場するおしゃれな女性陣におすすめしたい、インスタ映えならぬ“キャラ映え”する、新宿のレストランを紹介。

なつへ

気がつけば東洋動画から移籍組がほぼメンバーのマコプロ。代表作となった「大草原の少女ソラ」の制作現場は、人・時間ともに(お金も?)足りなくてんやわんやの大騒ぎ。広瀬すずさん演じる主人公のなつだって、作画監督という重責に、育児に家事、夫はずっと会社に寝泊まり仕事……と、肉体的にも精神的にも疲労困憊のはず……はずなのに、涼しい顔でみすぼらしさなんてコンマたりとも見せないのが、なつ。私だったら顔は土色に、髪は乱れ、ラクな服装に逃げそう。同じく締切に追われる仕事に従事しているそら代は、女性としても仕事人としても見習わなくてはと気が引き締まりました。この、なつの胆力こそが北海道の大地で鍛えられたもの、厳しい状況に追い込まれても凛と立つ姿に“開拓者精神”を見いだしました。同時に、ふとした瞬間に見せる行き場を失った目線や、ため息、声色からは、なつの疲労と迷い、決意がきちんと見て取れました。そんな広瀬さんの“隙間演技”がリアルで、女優としての本領を垣間見た気がします。強いは美しい、美しいは強い。今ドラマにてそら代は、そんな裏テーマを感じとりました。

そんななつが“キャラ映え”するグルメスポットを、藤島さんがお見立て!

写真:お店から

「不思議の国のアリス」の世界に迷いこめる

なつがアニメーターとしての才能を育んだ東洋動画時代、スタジオのスタッフもみなさん、アメリカのアニメーションに影響を受けていましたね。「不思議の国のアリス」も1951年にはディズニーでアニメーション映画化されてますし。そこでアニメーターを目指した、なつさんにアリスの世界観を体験できるレストランをと思いまして。「絵本の国のアリス」はいかがでしょうか。ファンタジックな店内で、具材を三日月形に盛り付けた「消えたチェシャ猫の三日月サラダ」やウサギの耳モチーフを飾った「ホワイトラビットのゆめふわパフェ」みたいな、かわいいメニューを頼んで、ぜひとも記念撮影して欲しいですね。借り放題の亜矢美コレクションから、なつさんがどんなコーディネートでアリスの世界に溶け込むのか、見てみたいです。

写真:お店から

マダムこと、光子さんへ

なつ&イッキュウさん、茜ちゃん&下山さん、ももっち&かみっち。忙しい男女のいる職場が故か、社内恋愛が盛んでしたね。一方、長年の恋を実らせたのが、なつのお兄ちゃんこと咲太郎&川村屋のマダムこと光子さん夫妻。光子さん、さらっと解決したことになっていますが、咲太郎に“借り逃げ”に近いことをされているんですよね(全額返済されたようですが)。事情があったにせよ、惚れてしまったにせよ、上京した妹のなつのことまで面倒見るという……。その一途さは、このドラマイチだったのではないでしょうか。千遥の元旦那に、それこそ爪垢でも煎じて飲ませたいところです。咲太郎との結婚までの道のりは割愛されていましたが、きっとドラマティックだったのではと、そら代は勝手に妄想しています。光子さんの優ちゃんへのしつけもそら代的には好感度大。礼儀正しさを身につけることはこのうえない財産ですからね。それにしても、あんな忙しい両輪を持ちながら優ちゃんがこじらせることなく育っているのも、茜ちゃん、光子さん、富士子さんのトリプル処方のおかげで、今後とんでもない才能を発揮するのではと、そら代は期待せずにはいられません。

そんなマダムが“キャラ映え”するグルメスポットを、藤島さんがお見立て!

河井継之助
出典:河井継之助さん

マダムにハマりすぎるチャイニーズゴージャスな空間!

わたくし、新宿では結構、ホテルのダイニングを利用させていただいてまして、「ハイアット リージェンシー 東京」の「中国料理 翡翠宮」さんもお気に入りのひとつ。広東料理が主流のなか、こちらでは宮廷料理の伝統を受け継いだ北京・上海のお料理が楽しめます。エントランスから別世界っぽいムードが漂っていて、窓の外は新宿。ここにマダムが座ったら、楊貴妃感がすごくないですか!? 令和でもなく、ドラマの舞台の昭和ですらなく、唐の時代にトリップしそうな。カリーもいいけど中華もね! みたいなノリでマダムにお越しいただけましたら幸いです。

きゅいそん
出典:きゅいそんさん

“母さん”こと、亜矢美さんへ

前回のイケオジ編でも書きましたが、とにかく顔面偏差値の高いこのドラマ、公式サイトの相関図を見たら女性陣も美女図鑑かと間違えそうなほどのまぶしさです。そして、きれい!とそら代が何度も声に出して叫んだのが、山口智子さん演じる亜矢美さん。年齢ことを言うのは無粋ですが、50代女性とは思えない山口智子さんの、抜群の存在感と美しさ。タップダンスシーンで魅せた脚線美と身のこなしはため息もので、できることなら亜矢美さんそして山口さんのように年齢を重ねたい、いや、重ねる!と大きな勇気をもらいました。もし朝ドラアカデミー賞があったとしたら、衣装部門で受賞も確実だろう今作品。画面全体に彩りを添えてくれた亜矢美さんの私服コレクションは朝ドラの歴史に残る華やかさでした。それにしても、「風車」のおでんが毎回おいしそうで。歌って踊れるおでん屋をオープンするという亜矢美さん、そら代も常連になりたいものです。

そんな亜矢美さんが“キャラ映え”するグルメスポットを、藤島さんがお見立て!

写真:お店から

おでん「風車」岸川亜矢美の衣装が馴染む店

「ムーランルージュ」伝説の踊り子だった亜矢美さんですから、パリっぽいビストロもいいかなと思ったんですが、亜矢美さんのお衣装がすさまじいじゃないですか。そんじょそこらのお店じゃ浮いてしまうんですよね。いっそ、ラスベガスのカジノですか?ってくらいハジけた内装の「アメリカンBar&cafe Ren」でド派手勝負していただきたい。総工費、なんと100億円! しかも、ピアノとベースの生演奏ありということでステージもあります。朝5時まで営業してますから、こちらでひと踊りなんて、副業はいかがでしょう? わたくしも昔のお客さまと一緒に伺ってシャンパン開けに行きますよ!

ロボットレストラン
出典:ロボットレストランさん

 

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文:藤島佑雪、なつそら代