“まんぷくロス”は、食べて解決! まんぷく美の、ラーメンお見立て帳/後編

去る土曜日に最終回をむかえた“朝ドラ”ことNHKの連続テレビ小説「まんぷく」。新しいタイトルのドラマははじまったけれど、まだまだ“まんぷくロス”な人も多いのでは? そこで、第1話から見守りすっかり情まで芽生えてしまったドラマウォッチャーのライター、まんぷく美が、ドラマの感想をまじえながら、登場人物におすすめしたいラーメンを勝手に見立てて恩着せがましくレコメンド。後編は、ぷく美が“はまり役!”と太鼓判を押す、キーマン&ウーマン3人にむけて。今回もガイド協力は、「食べログ ラーメン百名店」でもおなじみの小林孝充さん。“まんぷくロス”な人はもちろん、ラーメン好きなみなさんにおすすめしたい、ドラマの余韻とともに行くべき&食べるべきラーメンを紹介します。

 

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鈴へ

そのすさまじい “キャラ立ち”で、全編を通して出ずっぱりだった鈴さんは、「まんぷく」のもうひとりの主人公のようでした。キメ台詞?の「わたしは武士の娘です」は、朝ドラの歴史で語り継がれる名台詞でしたし、生前葬をあげるというのも今までにない展開(しかもそれが物語のクライマックス)。立花家にもラーメン開発にも欠かせない、陰ならぬ表の立役者。クリエイティブ気質の萬平&福子に対して、視聴者の声を代弁するがごとく、まっとうな指摘をびしっと言ってくれる鈴さんは、全視聴者の「母」でした。それにしても、松坂慶子さんの美しさと愛らしさったら! あんな風に年齢を重ねたいと思わせる、ぷく美の憧れの人でした。

そんな鈴におすすめしたいラーメンを、小林さんがお見立て!

出典:kai1221さん

 

「『武士の娘』が決め台詞、源義経の子孫(?)でもある鈴さんには西新橋にある『利尻昆布ラーメン くろおび』はいかがでしょうか。こちらは明治天皇の玄孫にあたるあの竹田恒泰さんがプロデュースしたお店です。竹田さんと鈴さんはきっと気が合うに違いありません。看板メニューである塩ラーメンはあっさりとしながらも旨味の層に厚みがありおいしいですよ」(小林さん)

世良へ

もし、「朝ドラアカデミー賞」があったら、助演男優賞間違い無し。全編にわたって物語をひっぱっていってくれたのが、我らが世良さん! 演じた桐谷健太さんが大阪出身の“浪速サラブレッド”だったこともあり、生粋の大阪弁でまくしたてる様は演技なのか地なのかわからないほど。キャラも大阪商人風全開で、すべてにおいて放胆。東京出身のぷく美としては妙な憧れさえ抱きましたね(笑)。塩代をくすねたり、儲かると思ったら掌を返したり、でもキーマンへの礼儀は忘れず、消費者マインドも忘れない。ぷく美はそこに浪速&現代の坂本龍馬を重ねてしまいました。直接関わるのは考えものだけど、取引先の上司にしたい男性ナンバーワンかも。

そんな世良におすすめしたいラーメンを、小林さんがお見立て!

出典:ラーメンドライバーさん

 

「ラーメンを題材とした『まんぷく』という作品の中において、カレーを食べるシーンが印象的な世良さんには東京の船堀にある『大島』をおすすめします。札幌味噌ラーメンの超有名店すみれで修業した店主による味噌ラーメンがウリのお店ですが、ここはそのスープを使ったミニカレーもまたおいしいのです。ここを食べれば世良さんも思わず『うますぎる!』と言うに違いありません」(小林さん)

咲へ

大阪放送局制作の“朝ドラ”の得意技といえば、夢枕。そのせいか、咲が息を引き取るシーンでは号泣しましたが、また会えるはず!という不思議な安心感がありました。内田有紀さんの大ファンである、ぷく美。その出番は予想以上に多く、美しいお姿を拝めて大満足です。ラーメン作りのヒントを与えたり、夫婦関係の修復に一役買ったり、鈴と福子の関係を取り持ったり、死後の世界の方が忙しそうな咲。でも夢って意識していない本人が作り出しているもの。今思うと、鈴や福子の本音を代弁していたのかも知れません。ヘアスタイルや衣装を、時代に合わせて変えてくれたのも、制作陣の粋な計らい。松坂慶子さんに続き、内田さんの女性として歳の重ね方の美しさも目を見張るものがあります。まさに、まんぷくならぬ、眼福でした。

そんな咲におすすめしたいラーメンを、小林さんがお見立て!

出典:毎日外食グルメ豚さんさん

 

「序盤に他界しながらも最後まで夢枕に立ち、先を見通しいろいろと助言をし続けた咲さんには奈良県の富雄にある『みつ葉』をおすすめします。みつ葉のラーメンは関西で非常にお店が増えている泡系。泡系のクリーミーな飲み口のスープはこの先東京でも増えていくに違いありません。泡の儚さと美しさも咲さんを連想させます」(小林さん)

 

教えてくれた人

小林孝充さん
TVチャンピオンラーメン王選手権第8回、第10回優勝。歴代ラーメン王によるラーメン大王決定戦で優勝し初代ラーメン大王に。ラーメンの食べ歩きは全都道府県に及び、これまでに食べたラーメンの杯数は13,000杯を超える。ラーメンに限らず美味いもの好きで他のジャンルも積極的に食べ歩く。ラーメンWalker百麺人。TV・雑誌登場多数。