大好評! 勝手にドラマ部
「なつそら代の、新宿グルメガイド」“イケおじスイーツ”編

“イッキュウさん”こと坂場くんが、ヒロインことなっちゃんについにプロポーズ! 仕事も恋も佳境を迎え、もはや一話たりとも見逃せない、“朝ドラ”ことNHKの連続テレビ小説「なつぞら」。初回から見続け今や天から見守るウッチャンと同じような親心まで芽生えてしまったドラマウォッチャーのライター、なつそら代が、ドラマの感想をまじえながら、登場人物におすすめしたい新宿グルメを恩着せがましくレコメンド。ガイド協力は、「出世ごはん」でおなじみの藤島佑雪さん。社会の表も裏も知り、夢へ突き進む殿方をまた女同士の下克上を見てきた藤島さんならではの視点で、登場人物にグルメスポットの最適解を提案します。さあ、あなたが感情移入するのは、どの人物&お店?

 

第1回は、物語に登場する“イケてるおじさん”たちに届けたい、新宿の名店を紹介。

じいちゃんこと、泰樹さんへ

朝ドラ史上最強にして最高の“顔面偏差値”を誇る、「なつぞら」。女性陣のまぶしさもさることながら、外面だけでなく内面からも“イイ男”が、矢継ぎ早に惜しみなく登場するのもこのドラマの魅力です。“アングル負け”しないシンメトリーな顔の造形、酪農での作業シーンでもにじみ出る品、印象的で美しい声……。そのキラッキラ感に心奪われ、そら代は8Kのテレビに買い替えようと思ったほど。旬の若手俳優に囲まれながら、圧倒的な男らしさと繊細さとチャーミングさで、北海道編ではもはや第2の主人公状態だったのが「じいちゃん」こと、泰樹さん。新宿編で上京した際も勇敢で頼れる安定の“イケおじ”っぷりに、たった数分でTwitterという“お茶の間”を沸かしたのは記憶に新しいですね。北海道へ帰る前に、孫の夕見子とパフェを食べに行ってましたが、次回はその案内役をぜひそら代に!

そんな泰樹さんへおすすめスイーツを、藤島さんがお見立て!

しずず、
出典:しずず、さん

明治男に21世紀のスイーツを

明治生まれの開拓者として、厳しい人生を歩んできた泰樹さんには、ぜひとも新宿で最高のスイーツ体験をしていただきたい。「ル サロン ジャック・ボリー」は、M.O.F.(フランス国家最優秀職人賞)をもつ元「ロオジエ」シェフ、ジャック・ボリーさんのお料理をカジュアルに提供していて、カフェとしての利用も可。色とりどりのケーキを載せたパティスリーワゴンから好きなものを選んでいただくのが、すごく楽しいんです。本格的なフランス菓子に驚く泰樹さんを想像するだけで、キュンキュンしちゃいます。

仲さんへ

今作のなかで、そら代がベストキャスティング!とうなったのが、井浦新さん演じる、仲さん。早くからなつの才能を見いだし、表からも裏からもサポートする重要な役どころです。なぜそこまでなつに肩入れするのかについての心理描写はあまりなく、恒例の“ヒロインよいしょ”展開かよと色眼鏡になりがちですが、そこは井浦さん。あの落ち着きと柔らかな声で“プレゼン”されると、妙に納得してしまうから不思議です。忘れられないのが、なつの兄・咲太郎に中庭の池に落とされたあとのシーン。上半身裸でタオルにくるまれながらセンターパートの濡れた髪に眼鏡……。なんという色気でしょう。そら代は、衣装さんと演出さんにも拍手喝采を送らずにはいられませんでした(笑)。

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ちょこぱん
出典:ちょこぱんさん

すでに仲さんの行きつけ!? 昭和のレトロ喫茶

昭和39年(1964年)に純喫茶として創業した歴史ある喫茶店「但馬屋珈琲店」。昭和62年(1987年)にリニューアルされたそうですが、今にもわたくしの「なつぞら」イチオシ男子の仲さんがここから出てきそうなくらい、外観内観、そしてメニューも昭和のレトロ感が満載! 深煎りのコーヒーを飲みながら、アニメの構想を練る仲さんを見たすぎます! 脳みそが疲れたらケーキも食べていただいて。そうそう、こちら、どら焼きもあるんですよね。あんことコーヒーって意外に相性がいいですから、そんな和の組み合わせでブレイクして欲しいような気もします。ときどき、下がってきたメガネを上げながら……。これまた想像するだけで鼻血が出そうになりますね。

雪之助さんへ

朝ドラに欠かせないのが、登場人物たちが必然的に集合する“たまり場”となる店や家。北海道編でそれを担ったのが、雪之助さんが店主をつとめる、菓子屋「雪月」でした。母である、とよの意志を受け継ぎ、開拓者として心意気を持ちながらも、砂糖だけでなくビート(砂糖大根)を使ったり、和菓子屋ながらバターや牛乳を使った西洋菓子を開発したり……。頑固者(そら代は、なつが一番そうだと思うけど、笑)が多い北海道メンバーのなかでも、クリエイターが勢揃いする新宿編でも、一番のアイデアマンは雪之助さんなのでは?と、そら代は考えます。加えて、雪之助さんのなかにぶれない芯や美学があるからこそ、時代の流れに応じて柔軟な発想が生まれるのかなーと思います。息子・雪次郎の代わりに「川村屋」で働きだしたときはめんどくさい人だなと思ったけれど(笑)、今思うとそれも先を見越してのあえての演出=ひらめきだったのかなと邪推してしまう。多様性の時代である今こそ、優柔可変な心の持ちようが大切だということを、雪之助さんを見て学んだ気がします。

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ちょこぱんさん
出典:ちょこぱんさんさん

雪之助が発明するフルーツのお菓子を食べてみたいから

「雪月」さんのお菓子、いつもとってもおいしそうですよね。雪之助さんはなんといっても帯広のお菓子発明王ですから、ご案内するならレパートリー開発の一助になるような一軒をと思いまして。「タカノフルーツパーラー本店」さんなど、いかがでしょう? 北海道ならではの牛乳やバターを生かしたラインアップもシンプルですてきなんですが、フルーツを加えたら、またすごいことになるんじゃないかという妄想からのおすすめです。フルーツ専門店が本気でつくるデザートには、食べ頃を見極める目利きの技術やカットの技術など、果物に関する技が詰まってますから。きっと、雪之助さんも触発されるんじゃないかな〜。

 

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文:藤島佑雪、なつそら代