秋田でマッキー牧元さんの心を打った2軒とは?

三幸

酒まんぢう
三幸   出典:酒まんぢうさん

「ドシン、ドシン」。皿が置かれるたびに、地響きが鳴るようだった。ここは山形、地元民が愛する洋食屋「三幸」である。

「昼は和食のフルコースだから、夜は庶民的な店がいいなあ」。そう尋ねると、教えてくれたのがこの店である。

店に入ると、市街地だというのに、満席だった。隣は家族連れが食べている。その隣は、立派な体格をした男性2人が、無心で食べている。その光景だけでお腹が空いてきた。

メニューを見れば、ああ悩むなあ。とんかつ、海老フライ、メンチカツ、ビーフシチューにタンシチュー、ハンバーグにカレーライス、洋食界のスターたちがずらりと並んでいる。

悩みに悩み、いくつかお願いすることにした。

「生ハムサラダ」

まず、はやる食欲を少し落ち着かせようと頼んだ、生ハムサラダが運ばれた。この前菜を男4人でつまみながら、ビールを飲む。

さあ主役の登場である。

「メンチカツ」

おお、なんとたくましい。それも雄大な姿をしているではないか。メンチカツは、岩のような塊がゴロンと2つ置かれ、さあ食べろと挑んでくる。

「カキフライ」

大ぶりな牡蠣を2個抱き合わせたフライは、皿をグルンと囲んでそびえ立ち、ストーンヘンジかと思った。だから噛み応えがある。口をあんぐり開けて噛みしめれば、牡蠣のエキスがどっと口の中に流れ込む。

「生姜焼き」

生姜焼きを頼めば、ポークソテーのように分厚く、これまた噛む喜びを与えてくれるではないか。だからハラミステーキはビビって、130gにしてしまった。

「ラーメン」

ラーメンとミニカレーのセットを頼めば、昭和の味がするラーメンは、見た目以上に麺が多い。あまつさえ、ミニカレーも、どこがミニ?というお姿である。

「ミニカレー」

このカレー、一見懐かしの家庭風、もしくは林間学校最後の日に出た、どろり系日本的カレーなのだが、クミンやコリアンダーが利いていて、クセになる。

もうお腹がはちきれそうである。だが良き暴食は、麻薬性があるのかもしれない。もう食べられませんと店を出たが、この後餃子を食べ、パスタを食べるとは。