とある日の編集会議でのできごと。期せずして同じく注目グルメスポットとして「立川」を提案した、編集HとY。さらに、食べログマガジンでもおなじみ“餃子セレブ”こと藤崎聡子さんからも「立川の餃子が気になる」と。「立川が私たちを呼んでいる!」そう確信した編集H、編集Y、藤崎さんとのおんな3人で、その実態を確かめるべく立川へのリサーチを決行。その実態とは? 知られざる魅力とは?
即席!立川三姉妹プロフィール
藤崎聡子
ワインスタイリスト。ワイン専門誌を創刊、独立後はメンズファッション誌を中心にワイン、レストラン、旅、美容などの連載を手掛ける。餃子に関してはレストラン情報誌で「餃子セレブ」として連載・執筆を担当。2009年、ジャーナリスト最年少でオフィシエ・ド・シャンパーニュを叙任。
昨年公開の特集「真夜中の欲望に打ち勝てないアナタに。夜に食べたい餃子5選」が大好評。
https://magazine.tabelog.com/articles/15820
編集H
プライベートで八王子方面に向かう途中、ふと途中下車した立川でその魅力に開眼。コストパフォーマンスのよさ、思わず目移りする個性的な店揃え、活気と和みが共存する町の活気に惹かれる。
編集Y
長年通っている鍼灸院が立川に移転したことにより、毎週末、立川へ通っている。最初は駅ビルや周辺のお店を攻めていたが、「駅のロータリーをおりたところに食のパラダイスあり」を体得し、錦町方面をせっせと開拓中。
立川で50年以上愛される、町の中華料理店へ
中華料理 五十番
待ちに待ったリサーチ日はあいにくの雨。
まず向かったのは、藤崎さんが気になっていたというこちらの中華料理店。
藤崎(以下、F):立川に50年の歴史を持つ、老舗中華料理店があると聞いて。そこがどんな餃子を出すか気になっていて。
編集Y(以下、Y):立川の名産「うど」を使った、うどラーメンが人気のお店ですよね。立川在住の友人にリサーチかけたら、小皿料理の種類が多くてどれも絶品。昼から呑むのに最高のお店!とのコメントが(笑)。その町の“看板餃子”は制覇しないとですね、藤崎さん!
この日は平日の昼間。
店内はランチ目当てのオフィスワーカー、近隣の人で賑わっている。友人のアドバイスに従い、まずは乾杯のビールをオーダー。続けて、水餃子と焼き餃子、小皿料理を数皿注文。
鉄鍋水餃子5個 552円
編集H(以下、H):どうです? 水餃子。
F:鉄鍋で出てくるのがいいよね。(一口含み味見をしたのち)思いのほかあっさりしているし、スープ感覚で頼むのにちょうどいいかも。
Y:食べ応えのある大振りの野菜がいい! 鉄鍋で作られたせいか、野菜のダシというか、味が全体にしっかりまわっていますね。
F:餃子の皮も破れたりだれたりしていない。しっかりとした歯ごたえがあるのにほどよい水分量でモチモチ。きっと水餃子専用の皮で包んでいるはず。
焼き餃子5個 571円 1個130円で追加可能
H:あ、確かに。焼き餃子と皮が違うようです。厚みも食感も。焼き餃子の皮は歯切れがよく、包まれた具材とよくからみます。
F:回り道をしないというか、迷いがない王道の味。でも、家庭で再現できない。毎日食べたくなる餃子ですね。すべてにおいて老舗の中華料理店ならではの安定感があります。
Y:1個単位で追加できるのも、ポイント高ですね。今日も、3人で2個ずつ食べられるよう1つ追加しました。これでけんかせずにすみます。おいしい餃子の恨みは深いですから(笑)。
鶏肉の辛子炒め 590円
Y:続いて、聡子さんチョイスのひと皿。四川料理をベースとしたお店と聞いて選ばれてましたね。
H:小皿料理とは思えないボリューム!
F:さっきメニューを見たら、小皿料理、ざっと50種類はありましたね。どれもカジュアルな価格で迷う楽しみもありそう。大人数で訪れると楽しいかも。
H:家の近所にあったら通いつめそう。「今度来たらあれを食べよう」と、次来たくなる余韻が残るお店です。
Y:イベントも豊富で、寄席や料理教室、広い店内を使ったサロンコンサートも開催されているそう。料理教室は、8月は満員御礼だけど、10月の予約受付中だとか。鍼治療ついでに通うか、本気で検討したいです。
餃子もさることながら、小皿料理の充実さは目をみはるものあり。追加オーダーしたい気持ちをおさえ、2軒目へ。
“はしご族”にうってつけ。うなぎを串で楽しむ酒場
鰻串焼 うなくし
2軒目は、編集Yが友人から教えてもらったという、うなぎの串焼きのお店へ。
Y:立川の友人(お酒好き)にすすめられたのがこちらのお店。今回の企画にぴったりかと。
F:へぇ。うなぎを串で。
H:うなぎがツマミって、贅沢ですね。
Y:「食べログ うなぎ 百名店 2018」企画を担当したほど、うなぎが大好き。うなぎって、どうしてもハレのイメージがありますよね。蒲焼きやお重を前にして姿勢を正し集中して食べるような。なんかこう、もう食べるのに精一杯で。ここなら、うなぎをアテに酒場感覚で訪れることができます。女同士で語り呑むぞ!というときにベストかと。押さえておきたい一軒です。
カルシウムたっぷりの骨せんべい
H:確かに。食べることが目的となるのは、それはそれでいいのだけど、外食は人とのコミュニケーションの場でもありますものね。後者のときに料理がおざなりでいいことはなくて。ここは、コース仕立てでお任せできるのもよさそう。
Y:「先ずは一通り」というコースを頼んで、追加でお気に入りの串を注文する流れがおすすめ。コースは、くりから、ヒレ、きも、短冊(わさび醤油)、短冊(タレ)の5本と小鉢がついてなんと、1,500円です!
手前は、うなぎの背びれとニラを串に巻き付けた、ひも。奥は、うなぎの背中の身を焼いたくりから。
F:うざく、う巻きといった、アテも豊富。ポテトサラダ、もつ煮込み、唐揚げといった居酒屋メニューも網羅していて、使い勝手がよさそう。今日みたいに2軒目としても、1軒目、または〆のお店としても重宝しそう。立川は、新宿から特急に乗れば30分圏内とはいえ、そこまで頻度高く行くわけではないから、できるだけ多くの種類の店を攻めたい派の自分にはもってこい。
うなぎの身の部分である短尺を、わさび醤油(写真上)とタレ(写真下)で。身は厚みがあり、炭火で焼いているのでふっくらしている。
厚みがあって、炭火で焼いているのでふっくらしている。
Y:立川の夜の〆はうなぎ。これ、新定番にしましょう!
F:私たちみたいな“はしご族”にはうってつけのお店。でも、気になるメニューのオンパレードだから、自分を制御しないと何皿も頼んでしまいそう。
H:串単位だからひとり呑みにもよさそう。編集部や家の近くに欲しいです!
後編へ続く