抗えない!残暑の夜の誘惑。餃子セレブ・藤崎聡子さんが選ぶ、夜に食べたくなる餃子店、5選

ふと、いやかなりの頻度で、夜に食べたくなる餃子。かりっとした食感、あふれる肉汁、もちっとした皮の三位一体が奏でる口福のハーモニー。深夜に食べるのは決してヘルシーな行為ではないと知りつつも、抗えないその誘惑。どうせ禁断をおかすなら、とびきりおいしい夜の餃子を食べたい! そこで、夜な夜なおいしい餃子を食べ歩いている、「餃子セレブ」こと、藤崎聡子さんに、残暑の夏の夜に食べたい餃子のヒヤリング。“深夜の餃子族”に捧げる、珠玉のセレクトをお届け!

おいしい餃子探しはライフワーク。365日、餃子のことを考えてます。

ほぼ毎日餃子食べている、生粋の餃子ラバーである聡子さん。深夜族のフィールド、港区・中央区が守備範囲ということも、今回の企画にはぴったり。残暑の夜に訪れたい餃子店を教えていただくにあたり、聡子さんならではの“いい餃子”の物差しを聞いてみた。

焼餃子の“焼き目”は、第一のチェックポイント

「そのお店の仕事の丁寧さは、“焼き目”に現れます。手入れされたフライパン、鉄板で焼かれた餃子の焼き目は、均等でムラがない。調理道具を大事にするお店で、はずしたことはほとんどありません」今回、取り上げたお店の餃子も、聡子さんの焼き目審査をクリアしたもの。食べる前に、一目を!

タレをつけるかつけないか。それが問題だ!

「最近は、醤油ほか、タレをつけずともおいしい餃子を探しています」という、聡子さん。「餃子単体でどこまで“攻める”ことができるか。それと同時に、ラーメンと一緒に、火鍋の一緒になど、いわゆる餃子のタレに頼らない味わいかたも、引き続き模索中です」醤油、ラー油、酢といった定番のタレから解き放たれた餃子が魅せる新しい味わい。最高の脇役として登場する餃子も必食。

▼聡子さんの徹底リサーチからはじきだされた、残暑の夜に食べたい餃子はこれ!

深夜でも軽やかに食べられる、シイタケ入り餃子『松富』

出典:hashy61さん

ここは行く度に常に満席。もちろん真夜中も。カロリーコントロールしている人からしたら御法度の“深夜に餃子”ですが、ほくほくと餃子をおいしそうに頬張っているお客さんを見ると、罪悪感のゲージはゼロとなります。

 

干ししいたけのアクセントが、ほかにはない味わい。そのせいか、さっぱりとしていて深夜でも軽やかに食べられます。ラーメンは5/8と、これまた絶妙なサイズが人気。半分じゃ物足りないけど、一杯は多い、というラーメン&餃子をセットで食べたい派に圧倒的支持を得ています。

火鍋&餃子の黄金コンビに開眼!『孔家飯店』

出典:築地人さん

餃子と双璧をなす、私の好きな中華メニューが火鍋。ふたつに共通するのは、「深夜に食べたくなる」ということ。夜の餃子行脚で得たセンサーを駆使して、深夜の火鍋をリサーチしていたら見つけたのがこちらのお店。

 

火鍋を待つアテとして餃子をオーダーしたところ、大正解! ボリュームのあるサイズで、アテ以上の存在感。冷めてもおいしいので、火鍋の辛い方ときどき餃子、火鍋のマイルドな方ときどき餃子、といった“挟み餃子”が楽しい。辛い方のスープをタレに加えても美味。24時すぎても満席なのはご愛敬。

餃子とビールならここ!『赤坂一点張』

出典:cas87250さん

上の2店とは一転、餃子を食べることだけを目指して行くお店です。注文が入ってからその都度鉄鍋を動かして焼くスタイル。混んでなければ、10分で焼き上がります。ビールの注文は、餃子が焼き上がってからがマイルール。餃子を一口食べてから、一気に冷えたビールを流し込むのがおすすめです。

 

味わいは、ニンニクと細かい野菜が全体的にしっとり混ざり合っているのが後を引く、正統派。深夜は激混みですが、待ってでも食べる価値大。餃子は夜に食べたくなるものなのかも知れないですね。

ラーメンと一緒に食べることで、花開く餃子『麻布ラーメン』

出典:ハツさん

多くの支店を抱えるお店ですが、やはり本店がベスト。ここの餃子は完全にラーメンの“アテ”として存在しています。ラーメンと一緒に食べることで、餃子のおいしさが引き立つ不思議。ラーメンはもやしをトッピングするのがポイント。たったそれだけなのに、複雑な旨みを感じられるように。

 

餃子の焼き方にムラがあるのはご愛敬で。来店客がひっきりなしだから、それしきのことは目をつむる。ときに無性に食べたくなる黄金コンビ。そして完食したことに反省する午前4時……。

3個食べがおいしい! 大阪の一口餃子『菜遊豈』

出典:くろにゃんさん

大阪からも一店。関西方面の一口サイズの餃子は手間ひまかけているのに一瞬で終わってしまう儚さがある。なのでこちらのお店では平均20個オーダーするのがポイント。冷めても具が硬くならないので時間をかけて楽しめます。一度に3個くらいまとめて頬張るのが通例に。

 

店主お一人で切り盛りされていて、常に餃子を包みながら、他のメニューを手際よく仕上げていくパフォーマンスも見所です。

PROFILE


藤崎聡子(ふじさき・さとこ)
ワインスタイリスト。ワイン専門誌を創刊、独立後はメンズファッション誌を中心にワイン、レストラン、旅、美容などの連載を手掛ける。餃子に関してはレストラン情報誌で「餃子セレブ」として連載・執筆を担当。また飲食店のワインリスト制作、料理提案、セミナーなども取りまとめる。2009年、ジャーナリスト最年少でオフィシエ・ド・シャンパーニュを叙任。シャンパンに関しては年間800アイテムを試飲。餃子とシャンパーニュとの相性を考えるのが日課。好みの餃子は、ニンニク少なめ、野菜多めの具がぎゅっと包まれたもの。