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【噂の新店】Le Foyer Ebisu
お洒落な雰囲気のビストロが恵比寿に誕生しました。フランス人のシェフとサービスマンによるセンスあふれる空間で、新しいフランスの定番家庭料理とフランスワインやウイスキーを楽しめます。周りを見渡せばほぼ外国人でここはフランス?と錯覚するほど。フランス人ですら知らない人が多い「フエ」は必食!
足を踏み入れればそこはフランス!

お洒落で料理もおいしい店が軒を連ねる恵比寿にフランスを感じさせるビストロがオープンしました。扉に触らずともセンスの良さがにじみ出ていて、一瞬で“ここはおいしいに違いない”と食のアンテナが働きます。

迎えてくれるのは日本語上級レベルのサービスマン、フランソワさんと日本愛がほとばしるシェフのジュリアンさんをはじめとするフランス人スタッフたち。両親がアンジュー出身のフランソワさん。子供の頃から「フエ」が大のお気に入りで、アンジューに遊びに行くたびに食べるのが楽しみで仕方なかったそう。「一昨年くらいからパリにフエ専門レストランが数軒できて話題になっています。日本でもフエのおいしさを知ってもらいたくてこの店を作りました」と話します。
スペシャリテの「フエ」に手が止まらない!

その「フエ」とはアンジューやソーミュールなどのロワール地方で愛されている郷土料理で、中世から近世にかけて、村の共同オーブンでパンを焼く際の温度確認のために少量の生地を薄く伸ばして焼いた、いわゆるテスト用のパンがフエの原型と言われています。アンジューにはペーストから前菜、メイン料理に至るまで、店で提供する料理をフエに包んで食べるフエ専門のレストランが数多くあります。

「フエ」は小麦粉、水、ドライイースト、塩、発酵を助けるためのほんの少しの砂糖で生地を作り、250度に熱したオーブンで3〜5分焼きます。ぷっくりと膨らみ、焼き色がついたらできあがり!

熱々の「フエ」にさまざまなペーストをつけるのがベーシックな食べ方。フレッシュな山羊のチーズにクリームチーズを混ぜ、山羊独特のにおいはなく爽やかで食べやすくした「山羊チーズクリーム」や「自家製ガーリックバター」「タプナード」など、ジュリアンさんが一工夫したペーストを常時6〜7種類用意しています。

高温で焼き上げたフエは表面がサックサク。ちぎると中は空洞で内側はしっとり、もちっとしています。この食感のコントラストに手が止まりません。パンではありますが、薄くて軽くて罪悪感ゼロ! フランソワさん曰く「アンジューではアイスやクレームブリュレなどデザートも挟んで食べますよ」。確かにこの優しい味わいは何を挟んでも合いそう!
フランスの超定番料理が日本人の舌を虜にする

「ウフ・アン・ムーレット」はバターで炒めたベーコンや玉ねぎ、キノコを赤ワインで煮込んだムーレットソースにポーチドエッグを浮かべたブルゴーニュ地方の郷土料理です。ジュリアンさんはベーコンではなくハーブで煮込んでから焼いた豚肉を使います。

なんという驚愕的なソース! バターではなくラードを使うことでくどさのないコクが生まれ、サラサラなのに味わいはとてもふくよか。カリッと焼いた豚肉から滲み出るうまみも口中を喜ばせます。卵を割るととろりと流れ出す黄身とこのソースが相まって喉を通ると恍惚状態に陥ります。これは「フエ」をお供にしたい!

こちらは低温調理した豚肉にマスタードソースと人参のピューレを添えたメインの一皿。2種類のソースは見た目と反してコッテリとはしておらず、優しい味わい。「僕にとってソースは料理の核です。フランス料理のソースは重くて食べきれないと言われないよう、余計な調味料を入れないように心がけています。また日本の食材と融合させることで良いバランスが作れます。あらゆる味覚を繊細に感じ取る日本人の舌に合わせて味付けしています」とジュリアンさん。

豚肉はナイフで切らずともほろほろとほどけてしまう、このやわらかくしっとりとした食感は62度で18時間じっくりと火を入れることで作られます。費やした努力と時間がシンプルかつ満足度の高い料理に仕上げます。

フランス語で「浮島」を意味する「イル・フロッタント」は、まさにアングレーズソースの海にメレンゲの島が浮かんでいるかのよう。学校給食に出るくらい超定番のこのデザートは、フランス人にとって子供時代への回帰なのだそう。

メレンゲはふわふわかと思いきや、しっかりとしたテクスチャーに驚きます。「泡立てた卵白を水と牛乳の中で火入れすると、“ふわふわ”と“しっかり”が共存した食感になります。最高品質のマダガスカル産バニラビーンズを使うことでクオリティーを高めています」とジュリアンさん。想像より甘さ控えめでどんなにお腹がいっぱいでも食べられます。アングレーズソースと相性抜群の「フエ」を忘れずに!
目指すのは「お客様が笑顔で帰ってまた来てくれること」

シェフのジュリアンさんは専門学校を卒業して、ヤニック・アレノ氏がオープンした「アレノ・パリ・オ・パヴィヨン・ルドワイヤン」で修業。その後は「ポテリシャポー」(ルイ・ヴィトンなどのラグジュアリーファッションブランドやサッカチームのイベント専門の1817年創業の高級老舗ケータリング会社)、「シャングリ・ラ」「フォーシーズンズホテル・ジョルジュサンク」で研鑽を積み、「ル・ブリストル・パリ」ではエリック・フレション氏が率いる「エピキュール」でスーシェフを務めました。

錚々たるシェフの下で研鑽を積んだジュリアンさん、武士道や宮本武蔵、アニメ、江戸時代の建物や文化、礼儀を重んじる日本の文化が大好きで日本に恋焦がれ2年前に来日。フランス料理人なら誰もが熱望する店での仕事を手放してなぜ日本に?と聞くと、「どうして? 大好きな日本で大好きな料理が作れるなんて最高でしょ! それに日本の食材は質が高いので料理するのが楽しくて仕方がない。今がとても居心地がいい」と目を輝かせます。





世界でもトップクラスのシェフ、ヤニック・アレノ氏からはあらゆるソースを、エリック・フレション氏からはフランス伝統料理をその土地の旬な食材でアレンジすることを学び、クラシックからガストロノミーまで幅広く経験しているジュリアンさん。まだ日本で知られていない伝統料理にひとひねり加えてジュリアン流に仕上げた新顔フランス家庭料理と、その料理の魅力とレストランで食事をする高揚感を十二分に伝えるフランソワさんのサービス力、そして至る所にフランスのエスプリを感じる空間にどうにもハマってしまうのです。
※価格は全て税込。


