【肉、最前線!】

数多のメディアで、肉を主戦場に執筆している“肉食フードライター”小寺慶子さん。「人生最後の日に食べたいのはもちろん肉」と豪語する彼女が、食べ方や調理法、酒との相性など、肉の新たな可能性を肉愛たっぷりに探っていく。奥深きNEW MEAT WORLDへ、いざ行かん!

 

今回は、人気焼肉店が手がける銀座の新店。“銀座で肉”という特別感をまさに表した、1日1組限定コースの魅力に迫る。

Vol.27 揺るぎない格!肉と銀座編

時代は変われども“銀座で鮨”や“銀座で肉”というワードには、絶対的な響きがある。世界有数の美食都市と言われている東京には、銀座以外のエリアはもちろん、郊外にもわざわざ足を運びたい店は数あるが、それでも“銀座で鮨”と同じように“銀座で肉”には、揺るぎない格があるのだ。

 

かつて“銀座で肉”といえば、大切なクライアントをおもてなしする接待であったり、クラブで働く女性との同伴の場として選ばれることも多かったが、“流行の発信地”としての銀座を確たるものにするべく、新たな商業施設が続々とオープン。若い世代でも足を踏み入れやすいほどよい気楽さ、居心地のよさを纏いつつ進化した銀座はいま、大人にとって特別な雰囲気もありながら、肩肘張らずに過ごせる場所となった。

 

その銀座でスペシャルな気分を味わいながら、最上級の肉料理を堪能できると話題を集めているのが、人気焼肉店「焼肉 うしごろ」が手がける「USHIGORO S.」だ。Select、Special、Stylish、Smartなどの頭文字の“S”を冠した「USHIGORO S.」。乃木坂にも系列店を構えるが、銀座の新店「USHIGORO S. GINZA」には肉好きを唸らせる1日1組のみオーダー可能な銀座限定コース「G」20,000円(税別)が存在する。

「生肉」(うしごろトリュフユッケ、白センマイと生からすみ キャビア添え、牛握り、牛刺身 雲丹醤油添え)

 

まずはベジファーストにならい、旬野菜の盛り合わせからスタート。次に運ばれてくる皿は生肉好き垂涎の刺身が盛りだくさんで、卵黄とトリュフを絡めて食べる塩ダレユッケやリブ芯の握り、白センマイとからすみ キャビア添えなど、銀座らしい華やかさを表現した絢爛豪華な内容だ。

 

すっぽんと牛コンソメのスープの体にしみいるような滋味に癒やされ、続いて、その分厚さと溢れる旨みに悶絶必至の究極の黒タンが登場。タンの持ち味であるサクッとした食感に迸る上品な脂。「これぞ、キング・オブ・タン!」と、文字通り、舌を巻く美味しさだ。

「牛生メンチカツ」

 

特選ハラミ(または特選サガリ)の肉肉しい余韻も途切れぬまま、肉素麺、半生メンチカツと名物一品料理が続き、口直しのサラダをはさんで、いよいよ後半戦へ。

「ザブトンのすき焼き トリュフ添え」

 

厳選部位のしゃぶしゃぶは、贅沢にトリュフを添えて。丁寧な火入れが施され、充実した旨みが内包されたステーキで恍惚感に浸り、最後は大判のザブトンに実山椒でアクセントを利かせた至高の牛丼で〆となる。コースで肉を楽しませる店は数多あるが、これほど“めくるめく”という言葉がぴたりとハマる店はそうそうない。

「至高の牛丼 ザブトンと実山椒 北信州みゆき幻の米」

 

さらに、「USHIGORO S. GINZA」は、全室が個室で構成されており、お忍び感も満載。人目を気にすることなく、思う存分、極上の肉体験を満喫することができる。“銀座で肉”のスペシャルな気分を味わえるうえに、料理の一品一品に趣向が凝らされ、サプライズ感もひとしお。特別な時間が運ぶ高揚感こそが“銀座で肉”の醍醐味なのだ。

 

写真:上田佳代子
取材・文:小寺慶子