定食王が今日も行く!Vol.52
日本に生まれてよかった!夏バテボディに染みる味噌汁が飲み放題
西海岸の風が吹く
千駄ヶ谷の通りで頑張る隠れ家
赤にする? 白にする? ワインではなく、味噌汁の話だ。だんだん暑さが増し、食欲も減退する季節だが、こんな時こそ夏バテ防止の味噌汁を飲もう! ということで久々に訪れたのが、千駄ヶ谷にある「がらり」。13年前に創業した、味噌料理と黒糖焼酎の専門店だ。
2009年、同じ通りにセレクトショップ、ロンハーマンが誕生してからは、クレンズジュースやオーガニックアイスクリーム、コーヒースタンドなどが建ち、西海岸の風が吹く通りとなってきているが、孤高にもその佇まいを変えることなく、営業を続けている。
外から中をうかがうことができないため一見入店のハードルが高いが、ランチ時は店内外に列ができることもしばしば、という人気店だ。
夜は鯛味噌、梅味噌、鳥味噌などを使ったディップや焼きおにぎりなど、味噌料理を楽しむことができるが、ランチの特徴は「赤・白・合わせ」の味噌汁3種の飲み放題なのだ。
ランチメニューは10種類。日替わりと定番のメインを選び、好きな味噌汁の一杯目を選ぶのだ。
味噌焼き、味噌煮に
故郷を思い出す味噌汁を一杯
この日選んだのは、スズキの味噌焼きをメインにした日替わり定食だ。定番のメニューには、さばの味噌煮もありランチでもこの店が得意とする味噌料理をふんだんに味わうことができる。
ふんわり焼きあがったスズキは味噌の香りが、なんとも甘く香ばしく、白飯にはぴったりだ。
そしてまず一杯目に選んだのは、あさりとネギの白味噌だ。あさりといえば、疲労回復効果が抜群で、二日酔いなどにも効果的と言われる働く世代にはうれしい貝。シンプルに具材はネギだけで、あさりから抽出された旨味を噛み締めながらパワーチャージできる。
懐かしい味が勇気をくれる
力がみなぎる味噌汁の魔法
自身の出身地や両親の出身地などによって、思い出の味噌汁、バックグラウンドは人それぞれだ。自分は白味噌で育った父と、赤出汁で育った母親のもと、合わせ味噌も頻繁に食卓に上る環境だったので、味噌汁的にはバイリンガルだ。
この店に来るとたいていのお客は味噌汁をお代わりする。白味噌に続いていただいたのはしいたけ、舞茸、しめじ、えのき、エリンギとキノコがふんだんに入った合わせ味噌の一杯だ。きのこの味噌汁といえば、ビタミンや食物繊維も豊富。コレステロールを下げる効果もあると言われている。お腹まわりが気になる壮年期のおじさんとしては飲んでおきたい。
そして最後は赤味噌。この日の具材は牛バラ、ピーマン、タケノコ、ニンジンというバラエティ豊かな顔ぶれで、食べる味噌汁といっても過言ではない豪華なラインナップだ。赤出汁はお肉を入れても負けない強さがあるので、野菜たっぷりの味噌汁にはビタミン、ミネラル、食物繊維がたっぷりで、クーラーで冷えてしまった体も内側から温まる。
うだるような暑い日、またオフィスのエアコンで体が冷え切ってしまった日こそ、具沢山で熱い味噌汁を飲んで、パワーをチャージをして乗り切りたい。暑い夏こそ、熱い一杯を楽しんで!