釣りのできる居酒屋と、ひたすらカシラが出てくる串焼き店

生け簀で釣りを楽しむ

居酒屋系でなにより好奇心を刺激されたのは10月18日、 神田にオープンした「神田つり食堂 サクラ」でした。なんと、“釣りが出来る居酒屋”です。創業1888(明治21)年という老舗釣具店、櫻井釣漁具株式会社が同社ビルの1階と2階に開いた新業態。

1階には6人掛けのテーブルが3つあり、蓋を開けると、そこに生け簀が。中にはホンモロコという、体長12センチほどの小魚が多数泳いでいて、これを短い釣竿で釣るという趣向です。無心になれてとても楽しい時間が過ごせました。釣り代金は30分なら600円でホンモロコのから揚げ付き(釣った魚はリリースします)です。

お刺身盛り合わせ 撮影:大木淳夫

延々と出てくるカシラがおいしい

10月21日、 恵比寿にオープンした「東松山の秘伝みそだれ やきとりマルヒ」も面白い形態でした。埼玉県東松山市が本場という、みそだれをつけて食べる豚の串焼きのお店です。

最初にカシラ(豚のコメカミ)の串焼きが出て、こちらに特製みそだれを塗って食べます。そして何も言わない限り、延々とカシラだけが出続けるのです。串焼きは野菜も含め9種類あるのですが……。

カシラ
カシラ   写真:お店から

それはないだろうと思ったものの、このカシラが小ぶりで食感も良く、タレもクセになる味で止まりません。結局、7串とビール、ワインを飲み、他の串は「おまかせ5本セット」をテイクアウトすることに。「秘伝みそだれ」も1瓶、買ってしまいました。ひとりでサクッと寄るにはすごくいいお店です。

渋谷には多様なニーズに応える大型酒場が誕生

いかにも渋谷の酒場

渋谷は銀座や新宿に比べて、面積が狭い中で多数の飲食店がひしめき合うため、中心から少し離れた場所でもどんどんお店が生まれます。

11月13日、宮益坂の裏側にオープンしたのは「渋谷舌呑(シブヤゼットン)」。ゼットンといえば、2000年代初頭に「名古屋メシ」という言葉を生み、大ブームとなったことを覚えている方もいるでしょう。現在は「niko and...(ニコアンド)」などの有名ブランドを展開するアパレル、株式会社アダストリア傘下ですが、創業30年となる来年を前に、集大成となるお店とのこと。

シェアコース
シェアコース   写真:お店から

店内はいい意味でカオス。立ち飲み、カウンター、テーブル、個室と揃い、DJブースも。内装はポップな昭和レトロで、料理もお酒もオールジャンル。スタッフはサービスも厨房も全力疾走で、多様なお客さんも楽しそう。いかにも渋谷の酒場といった感じです。

このエリア、近所には9月にオープンした「SUBA VS」もあり、これから注目されるかもしれません。

覚えておいて損はない、渋谷のダイニング

10月16日、旧花柳界である円山町にはイタリアンダイニング「tar(タァ) 渋谷店」がオープンしました。

ほの暗く、BGMが響く店内はカウンター、テーブル、ソファ席があり、キッチンで赤々と炎が上がるピザ窯がアクセントを与えています。そのガス窯で焼かれるピザと各種タパスがウリ。

ビスマルク
ビスマルク   写真:お店から

看板メニューのビスマルクをいただきましたが、ボリュームがありながら軽やか。これなら1品で終わらず、他のピザはもちろん、タパスもオーダーできます。グラスのナチュラルワインは1,000円以下からで、ジンやサワーも充実。こちらも渋谷っぽく、20代、30代の方なら食べログで「保存」しておくといいレストランでしょう。

ブームが続くカフェとスイーツのセレクトショップ

ネルドリップコーヒーとハートのプリン

10月13日、吉祥寺に自家焙煎・ネルドリップの「01COFFEE」がオープンしました。有名な「いせや総本店」の少し先、井の頭自然文化園へ至る道の途中といういい場所です。

カウンター3席、テーブル2卓、そして奥の壁沿いにもカウンターが6席で、店主がひとりで営んでいます。豆は6種類あり、深煎りでおいしいものをとリクエストすると、インドネシアのマンデリンを薦めてくれました。

ハート形のラテプリンはゼリーのような食感で、穏やかな甘み。ほかにホットサンドや、アイスコーヒーで供される3種の飲み比べ、ラテアートにボトルでのコーヒー販売など、さまざまな試みをしています。ご自身の欲しかったお店、やりたかったことを実践しているようで好感が持てました。吉祥寺は家賃が上がり、個人店が少なくなっているので、頑張ってほしいものです。

くっきーぶるー
プリンとコーヒー   出典:くっきーぶるーさん

注目スイーツ「沈む、みたらし団子。」

最後はスイーツを。10月23日、銀座にオープンした「HIIRAGI GINZA(ひいらぎ 銀座本店)」です。

入店すると左にはイートインのカウンター。こちらでは濃厚ショコラテリーヌや抹茶のかき氷などがいただけますが、気になった「“沈む、みたらし団子。”セット」を。厳選したもち米をひとつひとつ練り上げたというだけあって、驚きの伸びの良さと軟らかさ。聞けば歯の弱くなった年配の方にも食べていただきたいからとのこと。いいですね。

沈む、みたらし団⼦。 写真:お店から

そして右のスペースは国内スイーツのセレクトショップになっていて、訪れたときは「unis」薬師神陸シェフのショコラや、「フロリレージュ」川手寛康シェフのバターサンドなどが販売されていました。年末の手土産需要にもぴったりではないでしょうか。

※価格は税込です

文:大木淳夫