マストで食べてほしい! つやつやのカスタードプリン
そして、お店の顔とも言える定番メニュー「カスタードプリン」。こちらにも自家製ミルクアイスをトッピングしました。プリンはつやっつやのプリ肌のむっちりボディ! 食べる前からわかる間違いない感がこれでもかと漂っています。
プリンはたまご、牛乳、生クリーム、砂糖、バニラビーンズといったシンプルな素材でできています。硬めでむっちりとした食感で、口どけはなめらか。シンプルですがしっかりおいしいプリンです!
店主の藤野貴子さんにお話を聞きました。
プリン王子「ほんとうにCASTORさんのプリンは、東京でもトップクラスでおいしいと思っています!」
藤野さん「ありがとうございます!うれしいです」
プリン王子「さっそくなんですが、CASTORってどういう意味なんですか?」
藤野さん「直訳ですとフランス語でビーバーを指すんですが『わたしの愛しい人』という表現でもあり、父がそれにしようと決めてこの名前になりました。CASTORはもともと父が1984年に渋谷の上原で作ったフランス料理のお店でして、そこから京橋、南青山に移店して、現在は料理教室併設のコーヒースタンドとなっております」
プリン王子「お父様が作られたお店の名前を引き継がれたということですね。藤野さんのご家族は料理人の家系と雑誌で知っていたのですが、詳しく伺っても大丈夫ですか?
併わせて、なぜ料理の道に進もうと思われたのか教えてください」
藤野さん「父がフランス料理店を東京で営んでいて、母は料理研究家でした。幼い頃から料理に囲まれて育ったことや、私も料理が好きだったので料理をやろうと思ってました。母はメディアにもよく出ていたこともあり家に帰るとライターさんやカメラマンさんがいるということが多かったんです。来てもらった方々にいつしか私が作ったお菓子を出すようになって、お菓子の味を褒めてもらってうれしかったのも印象に残っています。その中で、よかったら雑誌出てみない?と声をかけていただいて、そこから料理雑誌のお仕事もいただけるようになりました」
プリン王子「なるべくしてなった、という感じですね。フランスに行かれていたという話を聞いたんですが、すごい行動力ですね」
藤野さん「元々父の店でデザートを作っていたんですが、お菓子の本場を見ておきたいなと思い、大学卒業後にふと思い立って身体一つでフランスに渡ったんです。自身で調べていた老舗のレストランで働きたいって直接お願いをしたら、タイミング悪くもう人を採っちゃったから無理と断られてしまったんです。行く先がなくなってしまって(笑)。 とはいっても働かないと暮らしていけないので、しばらくはバイトをしてたんです。そしたらたまたま仲良くなった子が、実は元々行きたかったレストランの方と知り合いということがわかって(笑)。即座にお願いして繋いでもらいそのレストランで1年ほどパティシエとして働きました」
プリン王子「すごい行動力ですね! 最後にプリンのこだわりを教えてください」
藤野さん「そうですね。しいていうならば主役が引き立つようにしています。例えばかぼちゃのプリンであれば、かぼちゃの甘さやおいしさを楽しんでもらえるように、素材はシンプルにして作っています。どう調理したら引き立つかを考えてますね。実は、こういう季節もののプリンのベースはこのかぼちゃプリンで、栗や、とうもろこしのプリンなどもかぼちゃプリンを起点としたレシピで作っています」
プリン王子「CASTORのプリンは素材の味を楽しめるものが多くて僕もすごく好きです! シンプルなのにしっかりおいしい。簡単なようで難しいんですよね」
訪れる人たちをトリコにする菓子研究家・藤野貴子さんのこだわりプリン。明るく優しいお店の雰囲気や、藤野さん一家のあたたかさがプリンの味に出ていました。お父様から始まった「CASTOR」は今年で創業40年とのこと。「CASTOR」は今日も訪れる人々を幸せにしています。