教えてくれる人
マッキー牧元
株式会社味の手帖 取締役編集顧問 タベアルキスト。立ち食いそばから割烹、フレンチ、エスニック、スイーツに居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ・テレビ出演。とんかつブームの火付役とも言える「東京とんかつ会議」のメンバー。テレビ、雑誌などでもとんかつ関連の企画に多数出演。
富山でマッキー牧元さんの心を打った2軒とは?
立山そば JR富山駅構内店
「富山駅内にある『立山そば』は、県民のソウルフードだと勝手に思っています」。富山市内に店を構える著名な料理人に「富山でおいしい店を教えてください」と、質問した際に帰ってきた答えの一つがこれだった。そこで早速富山駅に急行した。
駅に張り付くようにある「立山そば」は、椅子席もある立ち食いそば屋である。券売機で食券を買い注文する「早い、安い、うまい」店である。
春に訪れると、なんとホタルイカのそばがあるではないか。立ち食いそば屋にホタルイカですよ。欲張って「菜の花そば」と組み合わせてみた。
そばの上には、ゆでた菜の花の緑とホタルイカの茶紫が生える。菜の花の香りとホタルイカの滋味が春を呼ぶ。季節を感じさせる立ち食いそば屋は、そうはない。
しかしこれでは我慢できずに「しろえび天」も追加した。立ち食いそばに白えび天ですよ。ホタルイカを食べ、菜の花を半分食べたところで白えび天をのせ、豪華に白えび天たぬきとした。
そばとともに食べると香ばしくて思わず笑ってしまう。さて、そばは食べ終えた。さらに締めとして鱒寿司を頼む。
同店は鱒寿司大手の「源」がやっているので、1/8の鱒寿司もおすすめなのである。ホタルイカ、菜の花、白えび天、鱒寿司という富山色を盛り込んだ朝食であった。
またある日は天ぷらの「山菜」100円を頼んでみた。するとのびるの天ぷらがのってくるではないか。立ち食いそば屋の山菜といえば、瓶詰めにされたゆで山菜がのってくる。だがのびるの天ぷらである。
サクッと噛めばほのかな苦みが飛び出て、それが甘めのそばつゆと馴染むのであった。