定食王が今日も行く!Vol.48

毎日わるランチメニューで出会えたら必ず食べたい「アスパラの肉巻き」定食

池袋で30年!地元に愛される

八百屋から美しき定食屋へ

 

この季節に旬の野菜といえばアスパラ! フレンチなどではホワイトアスパラあたりがメニューに並ぶのだろうが、定食屋でアスパラを主役にして楽しむことができるところは数少ない。そんな中、開店ともに「アスパラの肉巻きフライ」が売り切れてしまう、池袋の名店がある。「Teishoku 美松」だ。

池袋で30年続く同店は、元々は八百屋を経営していたオーナーが、母親の手料理を継承していきたいと一念発起して定食屋に改装したそうだ。昼間になると店前には行列ができることもある。毎日わる11種類のランチメニューは楽しみでもあるが必ずしも、「アスパラの肉巻きフライ」が登場するとは限らない。5月の間だけで、6回ほど訪れたが、売り切れていたこともあり、実際に食べられたのは一度だけ。自分にとっては幻の逸品だ。

美しすぎる定食の要は

むぎとろ、ぬか漬け、野菜フライ!

 

ここまでアスパラを煽っておきながら、まずご紹介するのは定番メニューのむぎとろ定食。完璧なまでの一汁四菜だ。

メインディッシュは、アジやサバの塩焼きなど、青魚の焼き物。

ご飯は白米、玄米、雑穀米から選ぶことができるが、むぎとろ飯にぴったりなのは雑穀米。鰹節と醤油で丁寧に伸ばしたとろろには、青海苔とゴマをトッピング。風味豊かでとろろ飯だけでも楽しむことができる。

美味の極み! 日々変わる食材の組み合わせや、食材の切り方にまで丁寧な仕事がうかがえる味噌汁には食べるたびに感動。出雲と信州の合わせ味噌が風味豊かな味噌汁を実現しているそう。

そして極め付きはぬか漬け。定食屋創業以前の八百屋時代から漬け続けているそうで、絶品だ!

他にも定番メニューとしてはササミと野菜のフライや、アジフライと野菜のフライなど、元八百屋ならではの、野菜フライをメインにしたメニューが人気。サクサクの衣と、ジューシーでフレッシュな野菜のコントラストで、旬の野菜を味わうのは最高の贅沢だ!

肉も野菜も!幻の逸品

「アスパラ肉巻きフライ」

 

今月、6回ほど通ったが「アスパラ肉巻きフライ定食」は売り切れていたものの、「紅鮭とアスパラ肉巻きフライの日替わり重」にありつけた!

一見とても地味なおかずなのだが、フライという衣をまとったことで、ご飯のおかずの帝王、トンカツや唐揚げに負けない存在感を放っている。フレッシュなアスパラガスのみずみずしさ、豚肉のジューシーさ、サクサクの衣が三位一体になって口の中で弾けるのだ。必ずしも毎日メニューにのぼるとは限らないが、他のメニューも絶品ばかりなので、ぜひ通い詰めて味わってほしい。池袋が好きになる、通いたくなる。野菜への愛情がぎっしり詰まった、美しすぎる定食屋だ。