江戸時代に思いをはせる? ダイニングバーとおむすびのようなお寿司

設定ごと楽しむ、エンタメレストラン

5月28日、いつもさまざまなストーリーに驚く世界的バーテンダー後閑信吾さん率いるSGグループが、また楽しいお店を大手町にオープンしました。ダイニングバー「The SG Tavern」は幕末、英国を目指して旅立った薩摩藩の侍たちの体験をベースに構築。彼らが帰国後に江戸に開いた日本初のTavern(酒場)、という設定です。

カクテルとともに楽しみたい料理
カクテルとともに楽しみたい料理   写真:お店から

内装からサービスまで、その世界観を作り込んでいるので、まるでディズニーランドにいるような気分で盛り上がれます。しかも、こちらも世界的シェフである「NARISAWA」の成澤由浩さん監修の料理もあり、SGならではの創作カクテルとともにいただけます。

「お寿司」+「おにぎり」=?

5月24日、人形町の甘酒横丁には「むすび寿司 人形町店」がオープンしました。江戸時代のようなボリュームのお寿司をおにぎりの形態で、というアイデア。

梅じそ真いか
梅じそ真いか   写真:お店から

私もかつて、当時の握り寿司を再現したものをいただいたことがありますが、たしかに大きいんです。諸説ありますが握り1貫で70gほどだったと。ちなみに現代の握りは25gくらいです。そしてこの「むすび寿司」を計ってみたら、だいたい70g前後(コンビニのおにぎりは110g)。酢飯で具もたっぷりで、味もバランスもちょうどいい。行列ができているしすごいなと思ったら、経営は「スシロー」や「京樽」の(株)FOOD & LIFE COMPANIESでした。豊富な経験値があったんですね。おにぎりブームの中、注目を集めそうです。

お酒と肴もたっぷり楽しめるそばの注目店

ファンがつくこと請け合い、なそば店

曳舟に4月30日、オープンした「蕎麦割烹 ながの」はなんとも気持ちのいいお店です。店主の永野清二さんは和食店を経て、名店「東白庵かりべ」で修業。かりべはそばの流れを変えたといわれる「竹やぶ」阿部孝雄さんの弟子・苅部政一さんのお店です。

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そばがき   出典:nao-sannさん

それだけに永野さんのおそばも期待を裏切りません。石臼でひかれたせいろ、そもそもメニューにあるだけでうれしくなる、ふわふわで甘みも感じるそばがき、肉厚のにしんと余韻を呼ぶ温かいつゆが抜群のにしんそばなど、魅力たっぷり。日本酒とおつまみ、いわゆる「そば前」も工夫が凝らされていてわくわくしました。奥様との掛け合いも楽しくて、どんどんファンが増えそうです。

そば前と日本酒が充実

5月9日、赤坂見附のふぐ料理の名店「赤坂 鴨川」があった場所にオープンしたのは 「手打ちそば 美舟音(みふね)」です。店主・河合祐多さんは、向島で“いかだ流し”で有名だった「美舟音」の息子さん。再開発のため、2019年に閉店した同店をこちらで復活させました。

日本酒とともに
日本酒とともに   写真:お店から

そば居酒屋の草分け的存在である「本陣房」で修業経験があるだけに、こちらもそば前が充実。産地直送の魚や有名銘柄の日本酒が揃います。塩と共に供される「ひみつのます酒」も美味でした。ランチでは天丼やつけそばが人気のようで、気になっています。

新たな参入が相次ぐ高級ラーメンはトッピングや丼もうまい

大満足!の海老ワンタン

5月24日、赤坂の一ツ木通り沿いにオープンした「らー麺 本間」は、今年の2月、西麻布に「らぁー麺なかじま」をオープンし、そのこだわりぶりが大きな話題を呼んだ際コーポレーションの新店です。

海老雲呑麺
海老雲呑麺   写真:お店から

西麻布の3種の食感が楽しめる海老ワンタンにはびっくりしましたが、こちらの「海老雲呑麺」のワンタンもすごい。大ぶりすぎるくらい大きな海老がドンと。3個入り、5個入りがありますが3個でも十分贅沢です。スープは醤油、塩、そのふたつをブレンドした琥珀の3種。こうなると、際コーポレーションが次はどんなラーメン店を出すのかも気になってきますが、噂では7月に目黒に新店を予定しているようです。

焼鳥の名手が作る、鶏白湯ラーメンと親子丼

6月6日、外苑前にオープンした「らーめん茂治」は、食べログ 焼鳥 百名店にも選ばれたことがある麻布十番の完全紹介制焼鳥割烹「焼鶏 しの田」の大将だった篠田茂治さんが開いたお店。それだけに白を基調とした店内は高級感があり、ゆったりとした造り。ちらっと見えた厨房も広々としていました。

MaruRyo
親子丼 上   出典:MaruRyoさん

一番のウリはもちろん鶏白湯らーめんですが、焼鳥の経験が気になり、1,350円の「親子丼 上」を。柔らかくジューシーな鶏肉はさすがで、粒の立ったお米も美味。さらにお味噌汁ではなく白湯スープもついてくるので得をした気分になりました。異業種から高級ラーメン業態への参入、まだまだ続きそうです。

カレー、イタリアン、グルメバーガーの姉妹店

待つ甲斐あり! スパイスカツカレー

5月20日、神保町にオープンした「とんかつ九六喜」は、スパイスカレーと豊富なグラスワインで人気の高田馬場「フィクションスパイス」の姉妹店です。

つじなか【東京&大阪食べ歩き】
謹製スパイスカレー   出典:つじなか【東京&大阪食べ歩き】さん

11時20分に店に到着しましたがすでに10人待ち。そこから55分待って、「謹製スパイスカツカレー」を注文。待った甲斐がありました。抜群のスパイス使いで、素晴らしい香りは夢中にさせてくれます。とんかつは8つに切られていて、半分のみカレーがかかっているので、残りは卓上のレモン塩やソースなどの豊富な調味料で楽しめるのもうれしいところ。豚肉は栃木県産のヤシオポークと霧降高原豚で、隣の人のヒレカツ御膳もやけにおいしそうでした。

神楽坂のイタリアンはパスタが抜群

新宿三丁目で多くの食通を魅了する、古井繁規シェフのイタリアン「Il Lato」は6月14日、神楽坂に「scaglia(スカーリア)」をオープンしました。こちらを任された石川シェフは「オステリア・オリエーラ」で古井シェフに師事。渡伊後は銀座の名店「アロマフレスカ」に勤めていました。

金華豚と白ゴーヤのスパゲティ 撮影:大木淳夫

コースの中で3皿提供されたウニと赤茄子のカッペリーニ、ジェノベーゼと鮑のトロフィエ、金華豚と白ゴーヤのスパゲティといったパスタはどれも素晴らしい味。オープン数日後だったので、まだ若いスタッフたちが一から作り上げている状態でしたが、どう魅力的なレストランにしていくのか、がんばってほしいと思います。

グルメバーガー界に新星

6月12日、麻布十番にオープンした「Burger Occi」は、五反田「Burger & Bistro Occi」の姉妹店で、フレンチシェフが手掛ける高級グルメバーガーのお店です。

ザ・バーガー
ザ・バーガー   写真:お店から

1,800円の「ザ・バーガー」は熟成牛のパティとプルドポークのジューシーなうまみを存分に味わえます。チーズをソースととらえ、全てのバーガーメニューにデフォルトで入れているというのもうれしいところ。ランチでうかがいましたが、夜はチキンウイングやモツの白ワイン煮込みといったサイドメニューもあり、お酒と共に楽しめそうです。

※価格は税込です

文:大木淳夫