小池さんおすすめの「オーダー必須」のメニューとは?

「神ハラミ」2,500円(1人前)

小池さんをはじめ、誰もがNo.1と認める内臓卸業「神谷商店」で取り扱う肉の中でも、最上級の選ばれし極上品質にのみつけられる「神○○」という称号。その「神ハラミ」がこちらの名物メニューなので、真っ先に必ずオーダーしておくべき。人気の高いハラミやタンは、牛の頭数が減り、焼肉店は増えているので、ますます仕入れが難しくなってきているからこそ、希少価値の高い「神ハラミ」を堪能しない選択はない。

角が立つように計算しカットされた、鮮やかな色と脂のコントラストが美しい神ハラミ。センターでゆっくりと焼いて、ひっくり返す
そのままでもおいしい神ハラミは、わさびを添えても美味。食べたらわかる凄さを、存分に噛みしめる小池さん
 

小池さん

ボリュームのあるとんでもない塊からカットしていて、まず興奮しました(笑)。噛んだ時の肉汁と上品な甘さ、めちゃくちゃおいしい!! 決して重くないスッとひく脂で、食べたらそのよさを実感できます。間違いなく4,000円近くする極上クオリティを、この値段で?というのも驚きます。“いいものをいかに安く売るか”という橋本社長のイズムを感じられます。いや~凄い!

「牛サザエ」1,080円(1人前)

お次は「牛サザエ」。え?サザエって部位どこ?と思うのが大多数の意見。こちらはHodori本店にはないオリジナルメニューで、牛の第三胃のセンマイだ。見た目がサザエっぽいのと、サザエさん通りということもあり生まれたメニューは、かなりの希少部位。牛1頭に20gくらいしかとれない付け根の部分で、こちらは1人前約120gを使用! こんな量そろうわけない……を実現してしまう、6~7頭分を一皿に盛る凄さを知ると、さらに愛おしく感じるはず。

丁寧に細かく切り目を入れたセンマイは、ほどよく開いてくるので水分がじゅくじゅくしてくるのが見やすく、焼きやすい
 

小池さん

希少部位が故に売り切れることも多い、牛サザエ。ミノに似たサクサク、むにゅっとした独特の食感が病みつきになります。オリジナルの甘ダレと、ホルモン用の辛めタレでいただきます。焦げに気をつけて、硬くならないように焼くのがポイント。苦手じゃないなら半レアもおすすめ。焼きやすさ、食べやすさに配慮された、切り込み深めの絶妙なカットに気遣いを感じます。

「シマチョウ」1,080円(1人前)

ホルモンと聞いて一般的に一番イメージしやすいのが「シマチョウ」。牛の大腸は、臭みや汚れなどが出やすい部位のため、素材のよい仕入れのほか下処理の腕に、良し悪しがすごく出るという。脂をどれくらい残すか、カットなどに店の特色が表れるが、こちらはほどよく脂を残しているタイプ。

皮のおいしさを楽しむために、しっかりと焼き、脂がじゅくじゅくしてきたら食べ頃
 

小池さん

やや甘めの醤油と味噌ベースのもみダレがしっかり絡んだシマチョウは、脂とうまい具合に絡み合って、絶妙なハーモニー。ぐにゃっとしすぎず、端はサクサクとしていて、柔らかさ、甘さ、ほんのりいいクセもあってバランスがよく堪らない。ちょい焦げもまた最高。ホルモンって噛み切れないと言う人も多いけれど、適度に食感がありつつ、しっかり噛み切れます。下処理のいい仕事っぷりのおかげで、実においしく食べやすいです。

「コブクロ」780円

幼少時代から食べている懐かしい思い出の味で、“ホルモンのよさはコブクロの食感にあり“というほど、牛・豚の焼肉の中で、コブクロが一番好きな部位で、必ずオーダーすると豪語する小池さん。前回、同店に訪問した際にいい状態のものが入荷せず、残念ながらなかったそうで、本日の「コブクロ」に期待を膨らませていた。厚木「中山畜産」から仕入れた豚のコブクロは、中の汚れを取り除くために、水で揉みこみ、スジを取る下処理がかなり大変な作業で、高度な技術が求められる。鮮やかで美しく、ぷりっとしたみずみずしいコブクロが供されると「すごーい、やばい」と小池さんのテンションがMAXに。

芯とひもの異なる部位の食感の対比を堪能できる
 

小池さん

大大大好きなコブクロ、本当においしすぎて止まらない! ドハマりしてしまいそうです。コブ芯もひもも、コリコリサクサク食感が楽しいし、小さめで食べやすくて、酒のつまみにも最高です。ホタテ出汁と焦がしにんにくが香る、食べる辣油のようなホルモン用の自家製辛タレをつけて、味変もいい。いかに食べやすく、おいしく食べて欲しいかを考えて下処理とカットをしてあるのがわかるので、すごく愛を感じます。いや~やばいです。

「コムタンラーメン」1,380円

まだお腹に余裕があるなら「コムタンラーメン」をぜひオーダーして。牛テールを丸2日煮込んだ、にんにくが香る白濁スープの濃厚さは、焼肉のフィナーレに相応しい。コクと旨みが広がるスープに絡むちぢれ麺との相性も抜群。もやし、しめじ、海苔などが添えられている。

 

小池さん

最高な焼肉の後には、じっくり手間暇かけて煮込んだコムタンラーメンでホッと一息、締めたくなります。焼肉の余韻をいい意味でつないでくれる、牛テールの凝縮された旨みが染み渡ります。

鈴木店長の素晴らしいカットの技術と、面倒な下処理の完璧さに感動した小池さん。「鈴木さんの愛が伝わってきます」と、語りだしたら止まらない二人

正肉の場合、ブランド牛や国産かである程度いい扱いかどうかがわかるが、内臓ホルモンとなると正直産地やブランドはわからないので、鮮度がよい素材の入手と素材のポテンシャルを活かす、熟練した下処理技術のクオリティの高さにかかっている。だからこそ、こちらが「とんでもなく凄いレベル」だと小池さんが太鼓判を押す。希少部位や神レベルのホルモンに、物によって見極めたカットを施すいい店の条件がそろっている「もつ山」。誰よりも焼肉に精通し、厳しい目を持つ小池さんが「通いたい」と思わずる唸る店、只者ではない。

店の看板には、人気店である「Hodori」の文字が

今回「コブクロ」に絶大なる感動を覚えた小池さんは、自身の“コブクロ3大ランキング”が更新され上位入りしてしまったほど。本当においしいホルモンの魅力に気付かされるとても貴重な店は、気軽に通える雰囲気で一人でも楽しめるので、予約困難になる前に常連の仲間入りを果たしてみては?

※価格はすべて税込

文:濱口眞夕子(SEASTARS Inc.) 撮影:八木竜馬