小池克臣が推す「予約困難予備軍」の焼肉店

巷には「予約困難」な焼肉店がたくさん存在している。口コミやメディアへの掲載など、予約困難となる要因はさまざまだ。本連載では肉バカ・小池克臣さんに早めに押さえておくべき「予約困難予備軍」の焼肉店を焼き方のポイントとともに教えてもらう。
教えてくれる人

小池克臣
横浜の魚屋の長男として生まれるも、家業を継がずに、外で、家で、肉を焼く日々を送る。焼肉を中心にステーキやすき焼きといった牛肉料理全般を愛し、ほぼ毎晩、牛三昧。その様子をInstagramやYouTubeで発信中。著書に『肉バカ。No Meat, No Life.を実践する男が語る和牛の至福』(集英社刊)。公式ブログ「No Meat, No Life.」。
3代継承する人気老舗焼肉店が、通いやすい駅前に新店舗をオープン
今回紹介するのは、日本最古のコリアンタウンで知られる街・三河島にある、韓国焼肉の老舗「味楽亭」の新店舗。板橋駅から徒歩1~2分という好立地にオープンしたと小池さんから情報があり、早くも予約困難店候補に浮上。本店の老舗のよさはそのままに、進化している新店舗のいちおしメニューを早速チェック!

1975年創業の老舗焼肉店である三河島「味楽亭」の2号店として、2024年11月に板橋にオープンしたばかり。最古のコリアンタウンとして知られる地で、約60年の歴史を刻む本店は、モクモク系の町焼肉として人気を博している、昔ながらの韓国焼肉でややディープな空間。今回いいタイミングで居抜き物件があり、若手スタッフを率いて2号店をオープンすることに。本店とは異なる雰囲気の新店は、ファミリーからデートまで、より幅広く楽しめる。



小池さん
本店は以前から何度も伺っていて、味付けや仕込みがとても丁寧な韓国焼肉でおいしく、ホルモン系に強い僕の好きなお店の一つ。かなり多い席数で新店オープンと聞き、すぐに足を運びました。本店はスタッフに任せて、店主自ら新店舗にいらっしゃるので、期待値も高いです。
継承される伝統と独自の経験を重ねる、3代目店主による店の現在地とは?
創業者の孫にあたる3代目店主の金さんは、2代目である父母を見て育った4人兄弟の末っ子。通訳を目指し、大学院へ留学しに渡韓したが、両親の高齢化に伴い戻ってきてほしいと家族から声がかかり、店を継ぐ使命から、休学して帰国。勉強ばかりしていた金さんは、老舗を背負って父母と3人で、本店で経験を積むことに。当時はバイトスタッフもおらず、網を洗いながら涙したこともあったそう。昔ながらの味や技法などは継承しつつ、変化や進化を金さんなりに重ね、辿り着いた素材を活かす味を追求し提供している。


小池さん
全然違う進路から、家業を継ぐって、本当にすごいことですよね。昔ながらの韓国焼肉って、タレに漬け込んだお肉やモクモク系町焼肉のイメージが強いと思うんですけど、ご主人のセンスやいまどきな感覚を取り入れて進化した韓国焼肉スタイルを確立しています。圧倒的に鮮度の高いホルモン系に強く、カットや仕込みの仕事がとにかく繊細。一度食べたらわかると思いますよ。