京都を訪れたら食べたい、あまいもんが揃い踏み

編集Sです。今回のこぼれ話は、4月の京都旅で出合ったあまいもんを紹介します。きっかけとなったのは、先日発表された「パン 百名店 2018」に関する対談特集。そちらでパンに関するホットな話題をふりまいてくれた、京都在住のフードライター齋藤優子さんに京都行きを告げたところ、おすすめの甘味処リストが! すべてを訪れることはできなかったものの、短い時間で駆け巡った甘い記憶を振り返ります。

食べられるのは5月まで!京都パティスリーの雄「オ・グルニエ・ドール」

リンツァートルテ 480円

 

今回の第一の目的は、スイーツ 百名店 2018にも選ばれている、「オ・グルニエ・ドール」への訪問。オーナーシェフ 西原金蔵さんが、「2018年の5月で閉店」宣言しているのはスイーツ好きの界隈では有名な話。これは是が非でも訪れたいところ。

 

「京都パティスリーの雄、『オ・グルニエ・ドール』が、ついに閉店してしまいますので行くチャンスはあとわずか。もともと人気店なのに、閉店も近いとあって、予約しておかないと平日でもケーキにありつけない状態ですよ。電話予約しておくことをおすすめします」との齋藤さんの忠告に従って、予約したものの“電話予約分が4月分は完売”という、前代未聞の状態に。

 

せめてその雄姿をこの目に焼き付けておきたいと、ダメ元で訪れたら、看板メニューの「ピラミッド」はなかったものの、併設のサロン・ド・テにてケーキセットを賞味できることができました。選んだのはリンツァートルテ。薄めのタルト生地の上に、完璧な湿度のクレームダマンド、コクのある酸味のフランボワーズジャムが挟まって、どっしりしてるのにまとまっている。私がタルトに求める黄金比がそこにありました。

 

タイムリミットはあと数週間。5月に京都に訪れる機会があるならぜひ立ち寄って欲しいパティスリーです。なお今後は、西原裕勝・杏菜さん夫妻が秋に、「オ・グルニエ・ドール」のベーシックを融合した新しいパティスリーとして「ナンポルトクワ」をオープン予定だそう。伝承文化のある京都で、どう次世代へひきつがれるか、これまた京都にいく回数が増えそう!

 

豆かんを食べるなら、銀閣寺「喜み家」

白玉豆かん 630円 プラス330円で抹茶の追加が可能

 

京都といえば和の甘味も欠かせません。「豆かんといえばここ」と、齋藤さんが太鼓判を押すのは、銀閣寺の「喜み家」。ゆるやかなBGMが流れる居心地のよい店内。写真でもわかるように一粒一粒孤立したえんどう豆は艶やかでふっくら甘く、これまたやさしい甘さの黒蜜、手作りの寒天とあいまってとにかくおいしい。そして、もっちもちのおおぶり白玉。口に運ぶ度に、脳内では「しあわせ!」の大合唱がとまりません。

京都名物フルーツサンドは、季節の果物を使う「市川屋珈琲」が気分

季節のフルーツサンド 980円 馬町ブレンド 500円

 

いまや京都のあまいもんとして市民権をがっちり得たフルーツサンド。たくさんお店はあるけれど……。ひとりでしっとりと過ごせる空間、それもできれば京都らしい風情を感じるところ。おいしい珈琲も欠かせない。そんなわがままに応えてくれるのがこちら。クリームは自家製。エアリーで軽やかなので、フルーツのみずみずしさを逃さずふんわり包み込みます。それをふかふかの食パンがハグ。一口食べればわかる品の良い味わいは京都らしいと言えるかも。この日のフルーツは、あまおう、さがほのか、甘夏、バナナ。酸味のあるフルーツを加えているのがポイント高。プラス230円で、珈琲のおかわりができるのもうれしい。

硬めのどっしりプリンがお好きなら「高木珈琲店」へ

手作りラムプリン 400円

 

プリンの好みが同じ人とは、スイーツの好みも合う気がします。プリンはスイーツの好みを測るうえでのリトマス紙!? 齋藤さんが「しっかり硬い昔ながらのプリンが好きなら」と添えて教えてくれたのが高木珈琲店のプリン。昔ながらのプリンは私も大好物。しっかりしたボディ、どっしりした重み、そこにやさしいラム酒の香りと、きちんと苦いカラメルソースが“大人の余裕”“大人のしなやかさ”を感じさせます。