【第3週のカレーとスパイス】インド料理とスリランカ料理の二刀流! 西神田に注目のカレースポットが誕生「Rama’s Bridge(ラーマズ ブリッジ)」

カレー激戦区神保町エリアから少し外れた西神田の地に、他にありそうでなかなか無いお店が誕生しました。その名は「Rama’s Bridge」。

ラーマズブリッジとはアダムスブリッジとも呼ばれる南インドとスリランカを結ぶ浅瀬の連なる地帯の名称なのですが、こちらのお店もまさしくインドとスリランカをつなぐように、両国の料理を同時に味わえるという珍しいスタイルです。

2024年1月9日に南インド料理のみでオープン、その後2月13日からスリランカ料理もめでたくスタートしました。

まずは南インド料理。「ランチミールス」1,800円は、チキンカレーと豆カレーに、ミールスではお馴染みのサンバルやラッサムなどがつく形。

ものによっては引き算の味付けだったりするのですが、ピックルなどはしっかりと塩気もあり、さまざまなアイテムも混ぜていくと味が完成するタイプの王道ミールスであり、本格的なおいしさです。

続いて「日替わりスリランカカレー」1,350円。こちらはチキンカレー、パリップ(スリランカの豆カレー)をメインにインゲンやビーツのカレーにニンジンのテルダーラ(炒め物)、水菜のサンボル(和え物)がつき、この日は期間限定サービスで南インドカレーをひとつ付けられるということで、マトンカレーをいただきました。

「日替わりスリランカカレー」

パリップがなかなかの辛口であることが個性的。他は辛さ控えめで、こちらもミールス同様混ぜて味変させつつ食べていくのが楽しいです。南インドのマトンカレーもごく自然と調和。このような食べ方ができるのは貴重です。

他にカレーとナンのセットなど一般層にもわかりやすいメニューもあります。あれもこれもとなるとどこかがイマイチとなってしまうことが少なくない中、こちらのお店は南インド料理もスリランカ料理も手抜きなく、安心しておいしいと思えるクオリティでした。

今後スリランカメニューも増やしていきたいとのことで、夜にお酒を飲みながらスパイス料理を楽しむお店としても使えそう。

また、南インド料理とスリランカ料理を同時に楽しめるワンプレートメニューや、週末には南インド料理、スリランカ料理のビュッフェも予定しているとのことで、昼夜共に今後の展開にも要注目です。

他にありそうでなかなかない二刀流。駅から少し離れていることもあって穴場的に使えるお店ができました。

【第4週のカレーとスパイス】荻窪に新たなカレーの注目店が誕生! スパイスカレー仕立てのインドネシア料理店が沖縄からやってきた「ワルンルンパ 荻窪店」

カレーの大人気店や行列店が複数存在している荻窪にまた新たなカレーのお店ができました。このカレーが非常に興味深い形で、インドネシア料理をスパイスカレー仕立てで作ったというもの。しかも作っているのはインドネシア人。さらにこのお店は沖縄から移転してきたのだそうです。店名は「ワルンルンパ 荻窪店」。

荻窪店とつくのは、4月から沖縄でもお店を再開する予定であり、その前に荻窪でスタートしたということもあるからでしょう。

店内はおしゃれで落ち着いた雰囲気のカウンター席。1人か少人数で行くのに良さそうです。

「ワルンカレー」

店名を冠した「ワルンカレー」1,500円は、選べる2種のカレーと、他に副菜がつく形。牛すじカレーとエビ出汁カレーをセレクトして注文しました。

「サンバルはつけますか?」と聞かれたので「是非!」と。南インドのサンバルは野菜カレーですが、インドネシアのサンバルは辛味ペーストのこと。実は英字表記すると南インドのサンバルは「sambar」なのに対してインドネシアのサンバルは「sambal」となり、綴りが違うのですがこちらのサンバルは当然sambal、つまり辛味ペーストのことです。

提供されたワンプレートはまさにスパイスカレー的なルックス。まずは牛すじカレーを食べてみるとこれはインドネシア料理のルンダンを元にしたもの。ココナッツミルクの甘みと牛すじのうまみがスパイスと調和しており、ご飯にもよく合うカレーに仕上がっています。

エビ出汁カレーはインドネシア料理のスプイカンを元にカレーに仕立てたもので、エビのうまみが凝縮した出汁カレーとなっていてとても楽しいです。

牛すじカレーはインドネシア料理により近く、エビ出汁カレーはスパイスカレーにより近いという着地点の違いも興味深いです。

(写真左から)青唐辛子のサンバルと赤唐辛子のサンバル

サンバルは赤唐辛子のサンバルと青唐辛子のサンバルの2種。辛みと酸味のバランスが良くカレーは2つともインドネシアらしく甘みがあるものだったので、サンバルで味をキュッと引き締めて食べるとさらにおいしさの輪郭がしっかりと感じられました。

「シークワーサーラッシー」300円

青唐辛子のサンバルはかなり辛さが強いのですが「シークワーサーラッシー」300円を飲めばその辛さも落ち着き、シークワーサーの爽やかな酸味によって味もリセットできてこちらのカレーと好相性の飲み物でした。シークワーサーというのが、こちらが元々沖縄のお店だったことを感じさせるのも良いです。

取材時はまだメニューに無かったのですが、2月後半からディナータイムにはサテ(肉の串焼き)やガドガド(温野菜のピーナッツソースがけ)のようなインドネシア料理も楽しめ、カクテルメニューもスタートするということでスパイス飲みにも使える形に進化します。

インドネシア人店主、日本人スタッフのお二人とも優しくにこやかでとても雰囲気の良いお店です。会計後、インドネシアの飴をサービスしてくれてうれしい気持ちになりました。

インドネシア人が作るスパイスカレー仕立てのインドネシア料理。インドネシア料理好きも、スパイスカレー好きも、要チェックの新店舗です!

※価格はすべて税込です。

撮影:カレーおじさん

文:カレーおじさん、食べログマガジン編集部