【カレーおじさん\(^o^)/の今月のカレーとスパイス】2024年2月を振り返る

春が近づいてきたことを感じる今日この頃。2月は飲食店にとって閑散期とはよく言われますが、確かに人気店でも混まずに入れたことも少なからずあり、今月もいつも通り色々と食べ歩いてきました。その中で出合った、素敵なお店を今月も4店舗ご紹介いたしました。

1. バングラデシュ料理を基本としつつオリジナルティ溢れるメニューもあり、飲み利用にも使える池袋の新店舗

2. 「食べログ カレー TOKYO 百名店」にも選出される名店が手がけるシンプルイズベストなカレースタンド

3. 南インド料理とスリランカ料理という、ありそうでなかった組み合わせ。どちらも一緒に食べられる注目店

4. 沖縄からの移転。インドネシア料理をスパイスカレー仕立てで作った個性派店が荻窪にオープン

今回はどこも現地料理をベースとしながら、その仕上げや組み合わせに工夫があり、個性を感じるお店ばかり。暖かくなってきて、外にも出やすい季節。是非各店舗、食べに行ってみてください!

【第1週のカレーとスパイス】このおいしさ、ハマるかも! メニュー充実のバングラデシュレストランが池袋にオープン「LAILY(ライリ)」

池袋に面白いお店がオープンしました。バングラデシュ料理を中心に、創作系料理も色々と充実。食事にも飲みにも使えるお店「LAILY」です。こちらは埼玉県の志木駅近くにある「アジアンバルロイの食堂」の姉妹店なのですが、ロイの食堂同様に個性あるお店となっています。

まずは「ボルタ3種盛り」1,000円を注文。ボルタとはボッタなどとも呼ばれるバングラデシュ料理を代表するもので、さまざまな具材をスパイスとともにマッシュして合わせた料理のこと。内容は日替わりなのですがこの日は鯖、茄子、玉子のボルタでした。

「ボルタ3種盛り」

マスタードオイルの使い方がバングラデシュ料理らしく、心地よく鼻に抜ける香りと辛さでお酒がすすむおつまみであり、カレーと合わせる副菜としても機能します。

「チキンビリヤニ&コルマカレー」

メインに頼んだのは「チキンビリヤニ&コルマカレー」1,950円。こちらはコルカタ式のチキンビリヤニにバングラデシュスタイルのミルキーなコルマカレーをかけ、サラダとライタをワンプレートにのせて見た目も華やかな仕上がり。

バングラデシュ料理は見た目が地味なものが少なくない中、こちらは派手さがあって写真映えします。味は王道、見た目に工夫があるというのが良いですね。バングラデシュ料理初心者にもとっつきやすいと思います。

イタリアンのお店の居抜き物件に店舗を構えたということもあって雰囲気的にも明るいのですが、その中にバングラデシュの国旗が飾られているのがこちらのお店のスタンスを表していてとても良いです。

「ロイのキーマピザ」

そんなお店を象徴するメニューとも言えるのが「ロイのキーマピザ」1,400円。志木でも人気メニューだというキーマピザです。パリッとした食感のクリスピーな生地にトマトソース、その上にキーマ、そしてチーズ。おいしくないわけがありません。カレー好きにもピザ好きにも愛される味だと言えましょう。

一人でしっかりバングラ飯を味わうも良し、創作料理を楽しむも良し、さらにはカレーに興味をそれほど持っていない友人と一緒に飲みに行ってもきっと満足できそう。このお店をきっかけにバングラデシュ料理にハマる人が増えていくと良いなと思います。

場所は池袋駅すぐ近くの東京芸術劇場目の前。気になった方は是非お友達を連れて行ってみてください。

【第2週のカレーとスパイス】シンプルを極めたチキン&漆黒のポークカレーで勝負! 八丁堀の百名店が、南新宿にカレースタンドをオープン「カレースタンド ワッカ」

大阪・関目でイタリアンバルとしてスタートし、創作カレーでも人気店となり、東京・八丁堀に移転した「ジャパニーズ スパイス カリー ワッカ」が、その姉妹店である「カレースタンド ワッカ」を南新宿駅近くにオープンさせました。

八丁堀のお店は大阪的な創作カレーや独創的なスパイスおつまみでお酒を飲むスタイルなのに対して、南新宿のお店は「カレースタンド」と名乗るくらいですから至ってシンプルにカレーライスという形を貫いています。

「色々と世の中に個性的なカレーが出てきて、自分自身もそれを作っている中でシンプルにうまいカレーライスを食べたいと思うことが増えたんです。それを自分のお店でやってしまうとコンセプトがブレるので、ならば別のお店を開いて出そうと考えました」と語るシェフ。その言葉通り、カレーとライスに箸休めの赤玉ねぎのみという実にシンプルな形のカレーライス。

お店はバーの間借りという形で月〜金曜の昼のみの営業。カウンター席のみですが、サクッと食べて出るスタイルのカレースタンドとしては十分です。

メニューは「南インド式チキンカレー」900円と「ゴア式ポークカレー」1,000円の2種。あいがけは無いのでどちらもご飯少なめでいただきました。

「南インド式チキンカレー」

チキンは南インドのチェティナードチキンにも近いスパイス使いでありながらそのままではなく、日本人が想起するカレーライスにも近づけた仕上がり。ニンニクもショウガも使わずシンプルを極めた形でありながら十分な深みを感じ、唐辛子と黒胡椒のベクトルの違う辛みが融合して心地よい刺激もあってまさにシンプルイズベストなおいしさ。

「ゴア式ポークカレー」

ポークはゴア名物ポークビンダルーをベースとしながら竹炭を使い、漆黒のグレイビーの中に鎮座する存在感ありすぎる豚軟骨。とろとろに煮込まれた豚にビンダルーらしい適度な酸味とデトックス効果もあると言われる竹炭によってしつこくない仕上がりが見事です。

卓上のスパイスビネガーはカレーの味変に使えるもの。ポークの酸味を強化するのにも役立ち、ニンニクも入っているのでチキンのパンチを増すのにも役立ちます。

実はこちらのお店を開く前に、水天宮前駅近くでワッカの名前を語らずに「ラムキーマ」というお店も展開しているのですが(現在休業中、春頃からカレースタンドとして復活予定)、そちらではシンプルなラムキーマを提供していました。そのラムキーマも南新宿のお店で来週から提供予定とのことで、ますます楽しみが増えます。「働いてくれる人さえいれば、2号店、3号店と増やしていきたいんです」と語るシェフ。

まずはこのシンプルなおいしさのカレーライスを。そして八丁堀では工夫に工夫を重ねた個性的なカレーとスパイス料理を楽しみ、新たな展開を待つことをおすすめします。