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〈2023 食通が惚れた店〉
コロナ禍の制限もなくなり、みんなが日常を取り戻しつつ生活してきた2023年。イベントも復活し、飲食業界も賑わいを取り戻しています。
そんな2023年に、グルメ情報を熟知した有識者が惚れ込んだお店や料理についてアンケートを実施。「最も印象に残った店」「2,000円以下のお手軽グルメ」「おすすめのお取り寄せ」をうかがいました。
今回は、食べロググルメ著名人の柏原光太郎さんにお答えいただきます。
教えてくれる人
柏原光太郎
日本ガストロノミー協会会長。大学卒業後、出版社に勤務し、グルメ本を手がけたことで食の奥深さに目覚める。料理は作ることも食べることも大好きで、一人娘の弁当を毎日作っていたことも。料理好きのための食の発信基地としての役割を担うべく2017年12月社団法人「日本ガストロノミー協会」を設立。
2023年のベストレストラン
Q. 2023年、最も印象に残った飲食店を教えてください
A. 「JIMGU」の「野菜中心のコース料理」です
大分県・由布院にできた新しいオーベルジュ「ENOWA」のメインダイニング「JIMGU(ジングー)」。シェフのタシさんはチベットで生まれ、ニューヨークのファームトゥテーブルの先駆けである「ブルーヒル・アット・ストーンバーンズ」でスーシェフを務めた。ストーンバーンズにある酪農場はかつてロックフェラーが所有し、80エーカーの広さ。そこから取れる野菜や酪農製品、肉などを料理に活かしているが、タシシェフもその哲学を継ぎ「ENOWA」から車ですぐの菜園から、農作物や土壌に無理をさせない範囲で、彼が表現したい大きさのズッキーニやいんげんをひょいと抜いて夜に供する。全体の8割が野菜のコース。この潔さが、この店をデスティネーションレストランにしている。