〈New Open News〉

毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。早くもお店に訪問した食べログレビュアーのコメントも掲載！

imoco（東京・世田谷）

2023年9月、世田谷駅から徒歩3分ほどの場所に、和食と日本酒、ワインを楽しめる「imoco」がオープンしました。店主の澤畑加世子氏は、京おばんざいと韓国料理の店や、和創作の店、割烹料理の店などで腕を磨き、以前からの夢であった自身の店を開店。素材を大切にした身体が喜ぶ和食を提供し、細やかな心配りを感じられるホスピタリティの高さも評判を呼んでいます。

澤畑氏は以前から年末年始にあるボロ市にも遊びに行ったり、世田谷線が好きだったりということもあり、世田谷駅に店舗を構えることに。都内からアクセスもいいのに、ちょっとレトロで個人店が多い、程よく静かな街並みが自分には合っているなと思ったそうです。

店内には黒をベースにした色で塗った厚さ7cmの欅の一枚板のカウンターがあり、客席は8席です。壁は100％自然素材のシリカライムを使った左官塗りで、真っ白ではなくマットで上質な風合い。壁の色も、椅子も、厨房機器も、実際に工場やショールームに何度も足を運び、6坪という小さいお店ながら、細部にまでこだわって造りあげています。ゲストにくつろいでもらいたい、また、非日常を少しでも感じてもらいたいという店主の思いが感じられる温かい雰囲気。一日の終わりにゆったりと食事を楽しみ、気持ちもリセットできるような素敵な空間です。

コースは、5品で構成される軽めの3,500円のショートコースと、10品で構成され、土鍋ご飯やデザートまで楽しめる7,500円のフルコースの2種類を用意。ショートコースは2時間制で、フルコースは19時半までのオーダーになります。20時半以降はアラカルトやドリンクだけのオーダーが可能です。予約はお店のInstagramのDMからできますが、20時半以降は受けていないので、2軒目利用にふらっと覗いてみてください。

自慢のメニューは「土鍋ご飯ご飯のお供3点（牛の時雨煮、ちりめん山椒、ぬま田海苔と香の物）赤出汁付」1人前・1,600円です。滋賀の信楽雲井窯の土鍋を使い、米も色々試した結果、奈良の都祁のコシヒカリを使用しています。最初に炊き立ての白米だけで味わって、後はお好みで。艶やかな炊き立て土鍋ご飯は、飲んだ後の締めに最高で、ついついおかわりをしてしまうと好評です。

他にもジューシーな「大山鶏の唐揚げ」2個・700円や、新しい組み合わせの食感が楽しい「煮穴子と奈良漬の海苔巻き」650円など、お酒のすすみそうなメニューが並びます。食後には「自家製クリームあんみつ（お茶付）」 1,000円がおすすめです。

また、澤畑氏自身もワインソムリエの資格を持っており、ワインは国内外のナチュラルワイン、それに加え、大好きな日本酒も随時40種以上そろえるなど、お酒にも力を入れています。

澤畑氏は「自分と同じように頑張っている個人のお店を応援したい。酒屋さんも、酒蔵さんも、八百屋さんも、お茶屋さんも、お米屋さんも大手ではなく、個人で、お顔が見える方とのつながりを大事にしたい」という思いで、同店を営んでいます。料理にもお酒にも愛情を注ぎ、ゲストを心尽くしのおもてなしで迎える、小さいながらも温かい和食店、おすすめの新店です。

食べログレビュアーのコメント

『料理は酒のアテになるものがずらりと並んでいますが、食事としてもレベルが高く、これまでミシュラン和食店等でのご経験があるとのことでした。
品数を食べ過ぎたので全ては語りませんが、前菜のオリジナリティがあるポテトサラダや奈良漬けと穴子と海苔のコンビネーション、山椒をバシッと効かせたつくね、火入れ抜群の牡蠣、から揚げなど、絶対に次回も食べたいメニューも盛りだくさん。
調理も丁寧でこれだけの品数を良くおひとりで回されているなと感心しました。
日本酒も華やかなものというよりも、食事に合うものが揃えられており、どんな仕入れ？と思いきや旦那さんが酒屋さんで働かれているとのことで、プロが選んだお酒が並んでいるんですね。美味しいはずだ。
この日は旦那さんが遅い時間にいらっしゃって、燗酒の温度等、私も勉強させて頂きました！
そうそう甘味は不要と思っていたのですが、ついついラムいちじく最中を。これも酒飲みのためのメニューですね。

食べに食べ、飲みの飲んだので１万円超えましたが、普通の人だとアンダー１万円で楽しめるお店だと思います。
コスパも良し！』（スタープラチナ・ザ・ワールドさん）

『ハートランドの小瓶で喉を潤し、すぐに燗酒で神亀・真穂人を。料理はまず前菜三点盛りからで、翡翠ナスの胡麻酢掛けはすっきり目、いかのて（切干大根）と揚げの含め煮はしっかり目と、それぞれにちょうど良い塩梅。続く茶碗蒸しも奇をてらわず正統派の味わい。
続く軽く火を通した仙鳳趾カキには、奥播磨・純米大吟醸の温燗をグラスで。このペアリングが味、香りとも絶妙でした！
次の豆腐と茄子の揚げ出しも品良くややしっかり目の美味しさで、お酒は酉与右衛門（酔右衛門）・山廃純米無濾過を燗酒で。
実山椒入り鶏つくねの照り焼きは、これまた実山椒が立ち過ぎず不足なく、香りと味の深みが文句無し。お酒は悦凱陣・山廃仕込八反純米無濾過を燗酒で。
土鍋ごはん前の追加で煮穴子の海苔巻きをいただいた後、いよいよ土鍋ごはん。お供が牛のしぐれ煮・ちりめん山椒・ぬまた海苔・香の物・梅干に赤出汁までついて至れり尽くせり。黒澤・生酛純米吟醸2018の燗酒と共に。最後に一口ソルベで締め括り。

渋谷や中目黒などの居酒屋や創作和食の有名店で腕を磨いてきた店主の料理はとても真っ直ぐ本格的で、料理とお酒への愛情が感じられ嬉しくなりました。ぜひまた再訪したいと思います』（ShyBoarさん）

※価格はすべて税込。