〈秘密の自腹寿司〉

高級寿司の価格は3~5万円が当たり前になり、以前にも増してハードルの高いものに。一方で、最近は高級店のカジュアルラインの立ち食い寿司が人気だったり、昔からの町寿司が見直されはじめたりしている。本企画では、食通が行きつけにしている町寿司や普段使いしている立ち食い寿司など、カジュアルな寿司店を紹介してもらう。

教えてくれる人

岡田 浩孝

2008年から大阪の北摂を中心とした食べ歩きブログ「プーさんの満腹日記」のプーさんです。累計3500万PVで関西で屈指の人気グルメブロガー!!! 関西テレビ「よ〜いドン!」や毎日放送「水野真紀の魔法のレストラン」などメディアにも多数出演!!! 365日外食して今は飲食コンサルタントとしてヒット商品を作り続けています。

古民家をリノベーションした隠れ家的一軒

大阪・福島と言えば、大阪の中心地梅田から自転車や徒歩でも移動可能圏内で、そのアクセスの良さと住みやすさで人気の街。中でもJR環状線「福島駅」、JR東西線「新福島駅」、阪神電鉄「福島駅」が徒歩10分圏内にあるエリアは、ラーメンや焼鳥の激戦区として知られる一方、割烹や寿司店、イタリアンなど、食通がわざわざ遠方から通う店も多い。

そのJR東西線「新福島駅」から歩いてすぐの路地裏に「鮨まつやま」がある。店は2018年オープン。古民家をモダンにリノベーションした2階建ての建物だ。現在は1階のみの営業だが、1階、2階ともにカウンターのみで、どの席からも目の前で職人が仕事をするさまを見ることができると評判だ。

 

プーさん

駅から徒歩5分圏内にあるにもかかわらず、隠れ家のような静かな空間にお店があるので通うようになりました。

江戸前の仕事が光る握りをコースで

いただけるのは季節のおまかせコース(20品、11,000円)のみ。旬の食材を使った料理と握り、デザートまでがバランスよく供される。日本酒も常時15種類以上揃え、秋田・新政酒造「新政」のラインアップが豊富だ。

酢飯

用いる米は時期によって変わるが、現在は新潟県・佐渡の4年熟成のコシヒカリを使用。2種の赤酢をブレンドし甘みと酸味のバランスの良い酢飯を目指している。「特に酢飯は季節ごとに浸水時間や炊き込み時間に気を配って、食べ疲れしないお寿司を心がけています」と話すのは大将の中川裕規さん。「仕込みからすべて一人で切り盛りしています」と笑う。魚介は産地直送のものを全国から仕入れ、そのまますぐに使うことはなく、それぞれに江戸前の仕事を施している。

カウンターを切り盛りする中川さん。大阪出身で和食歴20年の職人だ
 

プーさん

ちょっと小ぶりなお寿司が食べやすくて、江戸前の赤酢のシャリの甘みと酸味の虜になりました。