本連載のナビゲーター、肉バカの小池克臣さん

小池克臣が推す「予約困難予備軍」の焼肉店

巷には「予約困難」な焼肉店がたくさん存在している。口コミやメディアへの掲載など、予約困難となる要因はさまざまだ。本連載では肉バカ・小池克臣さんに早めに押さえておくべき「予約困難予備軍」の焼肉店を焼き方のポイントとともに教えてもらう。

教えてくれる人

小池克臣
横浜の魚屋の長男として生まれるも、家業を継がずに、外で、家で、肉を焼く日々を送る。焼肉を中心にステーキやすき焼きといった牛肉料理全般を愛し、ほぼ毎晩、牛三昧。その様子をInstagramYouTubeで発信中。著書に『肉バカ。No Meat, No Life.を実践する男が語る和牛の至福』(集英社刊)。公式ブログ「No Meat, No Life.」。

大通りを一本入ったところにある新しい焼肉店

今回伺う「焼肉 つじむら」は、新宿と大久保のちょうど中間あたり。ビジネスマンや学生たちが行き交う通称・ラーメン通りにあり、麺の激戦区の一角。当初オーナーは麺屋をオープンする予定もあったそうだが、店舗が広いこともあり焼肉を!と路線変更し、今年4月に開店。

ドーンとインパクトのあるわかりやすい看板が迎えてくれる、シンプルな外観。暖簾をくぐると、焼肉屋らしからぬ想像外のイマドキなカフェのような空間に驚くはずだ

昔ながらの東京の焼肉の味を貫く「町焼肉」をコンセプトに掲げ、10年後も残るお店を目指す。内観は清潔感のある洒落た壁や床デザインに、余白の多い広々とした贅沢なレイアウト。モクモクとした煙とは無縁な換気のよい、女性でも1人でも入りやすい空間が魅力だ。

隣席までの幅が十分に取られた、ゆったりとした配置のテーブル席。店内奥には、6名までの寛げる完全個室を1つ完備。スタッフの動きを見渡せるオープンなキッチンは、清潔感があって好印象に映るはず
 

小池さん

こちらは知り合いのお店なのですが、オープンした時、普段は知り合いのお店はあまり行かないんです。食べに行ってイマイチだと気まずいから(笑)。言葉を濁してインスタにアップするのも本位ではないし……。でもこちらは内観もキレイだし、1回食べたら本当においしくて、いいじゃんココ!とすぐにファンに。心からおいしいと思える厳選した焼肉店だけを、プライドをかけてみなさんに発信したい。その気持ちにマッチしている店。肉以外にもタレも白米も旨くて、トップレベルだと思います。

異色の経歴の持ち主がこの店にかける思いとは?

店長の山上さんは、20代でピザ店店長を経験し、異業種であるアパレルへと転職。客との距離感が近い接客業に魅力と未練を感じ、また飲食業へと戻ってきた異色の経歴の持ち主だ。約350軒あるといわれる焼肉の激戦エリア・新宿周辺において「勝ち組みとして10年残る店づくりを心掛ける」と、意気込みも熱い。メニューのラインアップには、入手困難な希少部位をはじめ、ハーフサイズも多数あるので、いろんな部位をオーダーすることや、もう少しだけ追加で食べたいなどのわがままも可能だ。

店長・山上 瞬さん
 

小池さん

純粋に肉と米をいただくのに最適な、オーソドックスなマジ焼肉スタイル。イマドキのお店とオシャレ感が融合した「令和の町焼肉」なムードが気に入っています。女子にも町焼肉を食べさせたい!と連れてきたくなるお店です。新宿はあまり来ないエリアだけど、2軒目使いにちょうどいい! ちょこっと食べて帰るのもできるし、1軒目の後にまだ食べたい時にも寄りやすい。コース焼肉だとそれができないから、こちらは自由なスタイルで楽しめるのがお気に入りです。