新しいお店がどんどん出店し、ますますの盛り上がりを見せる飲食業界。「気になる店が多すぎてどこの店に行ったらわからない!」という人も多いのではないでしょうか。

そこで、グルメ情報に精通している方々に、最近訪れた新店に関するアンケートを実施。特に注目している「今月の新店」について教えていただきました。

今回は『焼肉の達人』の著者、小関尚紀さんにお答えいただきます。

教えてくれる人

小関尚紀
焼肉作家。お肉博士1級。MBA(経営学修士)。焼肉店には年間100店舗以上通い、焼き方を研究している。海外渡航60カ国。 焼肉好き伝説の番組、BS朝日『美女と焼肉』(2022年3月終了)の初期レギュラー。著書に『焼肉の達人』(ダイヤモンド社)、『世界一わかりやすい「ゲーム理論」の教科書』(KADOKAWA)、『「即判断」する人は、なぜ成功するのか?』(サンマーク出版)。

今月のベストワン

Q. 直近で行った新店の中で、特におすすめしたいお店を教えてください

A. 「炭火焼肉ホルモンさわいし 川崎うらら」です

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出典:yamay630さん

教えたくないけど、教えたいお店です。このクオリティでこの価格。本当にいいの?と思えるほどの肉をそろえる「炭火焼肉ホルモンさわいし 川崎うらら」。8月のオープン早々ですが、関東屈指の王道焼肉店といえるお店です。
おすすめしたい理由としては、単なるコスパ最強だけにとどまらない、圧倒的なクオリティ、他の追随を許さない圧倒的な仕入れ力です。仕入れ力の秘密は、阿佐谷の名店や東京食肉市場の内臓店でも経験を積み、お金だけでは購入できない独自ルートを構築した店主の努力の結晶。そして、そのカットの技術、人柄にも注目してほしいです。牛の内臓は、東京食肉市場の名門「樺澤商店」、豚の内臓は白金高輪の「鈴木屋」、正肉は「ヤザワミート」から仕入れています。
奇をてらわずとも、肉質の良さを最大限引き出すカット、タレも薄味に仕上げており、くどさとは無縁なので、普段以上に焼肉がモリモリ食べられます。 

Q. 「炭火焼肉ホルモンさわいし 川崎うらら」でおすすめしたいメニューを教えてください

A. 「和牛特選ハラミ」です

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「樺澤商店」の無水ハラミ   出典:phili204さん

これだけのハイクオリティの和牛ハラミを食べさせてくれるお店はそうそうありません。それは見た目の違いでも分かるはずです! 理由は仕入れ先の「樺澤商店」の加工、無水ハラミにあります。和牛ハラミで、しかも無水で、見た目の美しさもさることながら、しっかり焼きあげると肉汁が湯水のように溢れ出るほどおいしさと余韻が段違い。1枚目はニンニク醤油、2枚目はマジックパウダー、3枚目はおろしポン酢でご飯と共に食べてみてください。 

A. 「ウルテ刺し」です

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出典:虎太郎がゆくさん

センマイ、ミノ、ガツなど内臓の刺し物もいくつかメニューにありますが、その中でもおすすめしたいのが「ウルテ刺し」。ウルテは牛の気管の軟骨で、通常とても硬い部位になります。珍しくてあまり見かけないメニューですが、同店のウルテは独特の食感を楽しむのにうってつけ。硬すぎない食感に仕上げており、ファーストオーダーとしてお酒と一緒に楽しめます。もちろんノンアルでも! 

A. 「シマチョウ」です

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出典:yamay630さん

名物、黒毛和牛のタンもある中、あえて「シマチョウ」をおすすめします。どこの焼肉屋にもある部位なので、違いがよくわかります。丁寧に処理しているからこそ、純粋に歯切れの良さ、香り、脂の甘みを楽しむことができる逸品。雑味や臭みがないからこそ、塩で食べて欲しい! 皮目(腸壁)の色と波線が美しい「シマチョウ」です。

写真:お店から

創業わずか1年で「食べログ 焼肉 EAST 百名店」に輝いた「炭火焼肉ホルモン うらら」は、たまプラーザの奇跡と言われた焼肉店で、その立役者は当時の料理長・沢石翔一氏。そう「炭火焼肉ホルモンさわいし 川崎うらら」の店主です。2023年8月に焼肉マニア待望の復活オープンを果たした同店が、武蔵新城の奇跡と呼ばれるのも近い未来のことだと思います。予約ができるうちに、自分でも予約を取って何度も再訪します。
店名に「うららかな」という意味の「うらら」を残しているのはその名前にこだわりがある証拠。刺激的でインパクトのある味の追求ではなく、いつまでもお肉を食べていられるような、素材の味を優しく味わえる、焼肉好きと地元に愛されるお店になることでしょう。

※アンケート内容と「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。

文:小関尚紀、食べログマガジン編集部