辛さの奥に控えたうまみの根源は?

クマさんが溶けてしまった頃、鍋一面には唐辛子と山椒が幅を利かせる。ベースとなる麻辣スープは、四川出身の料理人が、辛さの違う四川唐辛子4種類と四川の花椒と青山椒をブレンドしたもの。葱油に豆板醤と刻んだ唐辛子を大量を加えてじっくり4〜5時間炒めて、辛さを引き出す。そこに数十種類の薬膳食材や調味料を加えて味を調えている。

辛さは、小辣、中辣、大辣、鬼辣の4段階で唐辛子と山椒の量で辛さを調節している。最も辛い鬼辣を選んでも、同じ料金なのがうれしいポイント。香ばしさの中にじんわりとくる唐辛子の辛み、柑橘のような香りが心地よい山椒の痺れがあるものの、豆板醤のコクと隠し味の氷砂糖や白酒によるまろやかさが麻辣の主張を優しく抑えている。

四川の花椒と唐辛子

鬼辣を頼んだら、特にスープに潜む山椒の痺れで舌がピリピリする。カニカマや油揚げは、著しく激辛スープを吸収し、辛いもの好きにはたまらない具材と化す。さらに辛さを楽しみたい方は、セルフ付けダレコーナーで自分好みのタレをカスタマイズすべし! 調味料や薬味などが15種類以上あり、330円で時間制限がなく取り放題なので、自分好みの味を見つけることができる。

15種類以上の調味料があるセルフ付けダレコーナー(+330円)

火鍋のスープからの流れにぴったりなタレは万能ねぎ、ニンニク、生唐辛子、香菜、胡麻油、ザーサイを混ぜたもの。風味豊かな薬味と辛さで、スタミナが湧き上がる。もう一つオススメのタレは、海鮮ダレ、万能ねぎ、ニンニク、生唐辛子の組み合わせ。海鮮ダレが甘く、タイの唐辛子のはつらつとした辛みとのメリハリが良い。

オススメのタレ2種
 

金さん

クマさん火鍋は、真っ赤な「麻辣」と「白湯」2色のスープに分かれています。辛いのがあまり得意でない方は、白湯スープの方に具材を入れて楽しむこともできます。白湯の方は、鶏出汁のうまみがぎゅっと詰まっていて、殻付き海老やアンコウ等を加えると、素材本来の持ち味が引き出され、辛さとは違ったベクトルで火鍋を楽しめます。

〆は刀削麺で決まり!

火鍋の辛み、そして具材のうまみを堪能し切ったあとのコースの〆は、刀削麺! スープを受け止める表面積が広い分、白湯と麻辣、どちらのスープに浸すか、運命の分かれ道!? そう辛さに身構えてしまうが、麻辣スープはずっと煮込んでいるうちに辛さが和らぎ、具材のうまみと薬膳食材の奥深い風味が増す。そこにもちもちの麺が絡んで、尻込みせず食べて良かったと思えるほどハマるはず。

スープが絡んだ〆の刀削麺
 

金さん

クマさんだけでなく、味も印象に残るほど、食材や火鍋へのこだわりを感じるお店です。ただでさえ香辛料の仕入れ値は高いのに、辛さ増しを選んでもコース料金が変わらないから、その恩恵にあずかり、良い汗をかけますね!

今回は、お得な「クマさん火鍋コース」を推したが、火鍋の具材で、アワビや伊勢海老といった高級食材も注文できる。追加料金がかかっても、記念日なら奮発しても良い気がする。そんな風に、再訪へのモチベーションが上がるお店だ。

※価格は税込です。

撮影:八木竜馬
取材、文:金成姫、食べログマガジン編集部