まるでデザートのようなビジュアル!? 鮮烈な色味のボルシチが最高に美味!

「ボルシチ」800円。1回で10kgものビーツを手でおろす。柔らかく煮込まれた牛肉やサワークリームとともに味わう“ごちそうスープ”

ロシア料理といえば真っ先にボルシチを思い浮かべる人も多いはず。トムヤムクン、フカヒレ、ブイヤベースと並んで世界を代表するスープの一つと言われ、鮮度のいいビーツを使った手作りのボルシチは目を奪われるほどビビッドな色味。食卓が一気にカラフルになり、一口すすればその滋味に心を奪われる。家庭や店によって作り方はさまざまだが「Anna’s Kitchen」では、寸胴で牛骨やすね肉、香味野菜などをゆっくり煮込み、フレッシュなおいしさをそのまま届けるために手でおろしたビーツを最後に合わせて提供する。最初はそのまま、肉の深い旨みとビーツの土の栄養を丸ごと吸収したような味わいを楽しみ、少しずつサワークリームをくずしながら食べるのがおすすめ。体と心にすーっと養分がとけこみ、素朴で心和む味に“日常の口福”を感じる。

土着品種を使ったジョージアやアルメニアワインを料理とともに楽しもう!

ジョージアは世界最古のワイン産地。土着品種は525を超えるとも言われており、土地や造り手によってさまざまな個性を楽しむことができる。有名な黒ブドウ品種、サペラヴィを100%使ったキンズマラウリ(じつはチャーチル元英国首相も愛飲したとか!)をはじめ、飲み口がよいワインがそろう。ボトルは5,000円台が中心

「料理と一緒にお酒を楽しんでほしい」と、種類豊富なウォッカのカクテルのほか、最近注目度が急上昇しているジョージアや珍しいアルメニアワインも多数ラインアップ。特にジョージアワインは“世界最古のワイン”として知られ、伝統的な醸造法はユネスコの無形文化遺産にも登録されている。しっかりとタンニンを感じるものから洋梨のような爽やかな甘みを持つものまで、固定観念にとらわれず直感で選んでみれば、新しいワインの世界に触れることができるはずだ。

世界には未知なる美味がたくさんあると実感できる「Anna’s Kitchen」。温かいボルシチを味わいながら飲むジョージアワインや、できたてのピロシキと喉を潤すウォッカの相性は格別で「美味に国境なし」と思わずうなるはず。百聞は一食にしかず。その多彩で心まで温まる食文化に触れれば、新たな人生の楽しみや喜びを知るきっかけになるはずだ。

※価格はすべて税込

文:小寺慶子 撮影:八木竜馬